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御託はいい……きな!
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「ギャハハは! あいつ今みたか? 『今、何かしたか?』っていいながらほぼ全弾攻撃食らってたぞ?」
「おめえこそ、今、何かしたのか? 棒立ちしているようにしか見えなかったぜ!」
「何それ! ウケんね!」
「ウケる。ウケる」
と、アリシア。オメーは俺の味方だろ。なんで突っ立って観戦してんだよ。
俺は慌てて、背後を振り返り、もえに
「おい! 今の何だ? なろう主人公ならモブの攻撃くらい余裕で弾けるだろ?」
「多分、王様の執筆ペースが遅れたから、なろうの加護が弱まっているんだからね」
「じゃあ。こいつらにはチート能力なしで勝てって?」
「そうなんだからね!」
「ふー。やれやれ。なら普通にけちょんけちょんにしてやる! 水よ! 燃えろ!」
だが、俺の手に宿ったのは、木の枝みたいな細い剣だった。
「あれっ?」
水の剣はチョロチョロと床に溢れながら、ぐにゃぐにゃ揺れている。キレの悪いしっこか? ってくらいチョロチョロだ。
「ひゃーはっはっは。あいつあの実力であんなイキってんのか? 俺のしっこの方が勢いあるぜ!」
「ギャハハ。何なら俺がおめえ(ケン)に助太刀してやろうか?」
「それマジうけんね。ナメプじゃんね!」
「何なら私も助太刀してやろうか?」
と、アリシア。逆に聞くけど、なんでしてくんないの? 仲間じゃないの? っていうかさっきから異様にスムーズにヤンキーの会話に滑り込むけど、ネタ合わせでもしてきた?
「ぶっ殺すっ!」
俺はしっこみたいな剣を構えて、飛び上がる。勢いよく空を割いて、体をひねる。大きく三日月のように振りかぶり――
「おい! 何だ、あの動き? あいつひょっとしたら本当は強いのか?」
「実力を隠してたってこと? ウケんね!」
「あんな動き始めてみるわ。ウケんね!」
と、アリシア。見たことあるだろ。っていうか心の中で突っ込むのだるくなってきた。
「オラあああああああ!」
俺は水の剣をバカそうなヤンキーの脳天目がけて叩きつけた。
ガチャーン!
金属と金属が弾けるような音がした。ヤンキーは俺の剣撃をしかと防いだ。
(全力なら一刀両断なのに!)
そして、ヤンキーは俺の目を見て、
「今、何かしたか?」
ヤンキーは俺の攻撃で無傷だった。
「何―? マー坊! おめえ今の見切ったのか?」
「えー! マー君やるじゃん! ウケんね! ウケんね!」
「すごいわマー君!」
と、アリシア。もしかしてお前ら友達なの?
そして、マー君の快進撃は始まった。
「ねえ! あのヤンキーすごいわ!」
「本当ね! めちゃくちゃ強いのね!」
「ヤンキー。かっこいいわ!」
「ものすごく男らしい! 好き!」
「勇者様!」
「素敵!」
と、なろう系の国の女性たちが艶声を上げる。やばい、ヤンキーがなろう系主人公みたくなってきた。
っていうかさっきの攻撃は、ヤンキー躱せてないからな。俺の攻撃が早すぎて、頭から食らっただけだ。だけど、俺の攻撃がしっこみたいな勢いしかないから無傷だっただけ。
「くっそおおお! あの声援を浴びるのは、俺の役目のはずだ!」
俺は地団駄踏んで、悔しがる。だんだん俺がなろう系主人公に挑む雑魚っぽくなってきた。
マー君は、俺の目をまっすぐにみる。細眉毛とカラコンが彼のヤンキー力を際立たせる。
キリッとした瞳が街の喧騒の中で燃えるように光る。
マー君は、右手をまっすぐ俺に向ける。チョイチョイと挑発するようなポーズをして見せる。
マー君は、俺に向かって、
「御託はいい。来な」
そして、形成は逆転した。
「おめえこそ、今、何かしたのか? 棒立ちしているようにしか見えなかったぜ!」
「何それ! ウケんね!」
「ウケる。ウケる」
と、アリシア。オメーは俺の味方だろ。なんで突っ立って観戦してんだよ。
俺は慌てて、背後を振り返り、もえに
「おい! 今の何だ? なろう主人公ならモブの攻撃くらい余裕で弾けるだろ?」
「多分、王様の執筆ペースが遅れたから、なろうの加護が弱まっているんだからね」
「じゃあ。こいつらにはチート能力なしで勝てって?」
「そうなんだからね!」
「ふー。やれやれ。なら普通にけちょんけちょんにしてやる! 水よ! 燃えろ!」
だが、俺の手に宿ったのは、木の枝みたいな細い剣だった。
「あれっ?」
水の剣はチョロチョロと床に溢れながら、ぐにゃぐにゃ揺れている。キレの悪いしっこか? ってくらいチョロチョロだ。
「ひゃーはっはっは。あいつあの実力であんなイキってんのか? 俺のしっこの方が勢いあるぜ!」
「ギャハハ。何なら俺がおめえ(ケン)に助太刀してやろうか?」
「それマジうけんね。ナメプじゃんね!」
「何なら私も助太刀してやろうか?」
と、アリシア。逆に聞くけど、なんでしてくんないの? 仲間じゃないの? っていうかさっきから異様にスムーズにヤンキーの会話に滑り込むけど、ネタ合わせでもしてきた?
「ぶっ殺すっ!」
俺はしっこみたいな剣を構えて、飛び上がる。勢いよく空を割いて、体をひねる。大きく三日月のように振りかぶり――
「おい! 何だ、あの動き? あいつひょっとしたら本当は強いのか?」
「実力を隠してたってこと? ウケんね!」
「あんな動き始めてみるわ。ウケんね!」
と、アリシア。見たことあるだろ。っていうか心の中で突っ込むのだるくなってきた。
「オラあああああああ!」
俺は水の剣をバカそうなヤンキーの脳天目がけて叩きつけた。
ガチャーン!
金属と金属が弾けるような音がした。ヤンキーは俺の剣撃をしかと防いだ。
(全力なら一刀両断なのに!)
そして、ヤンキーは俺の目を見て、
「今、何かしたか?」
ヤンキーは俺の攻撃で無傷だった。
「何―? マー坊! おめえ今の見切ったのか?」
「えー! マー君やるじゃん! ウケんね! ウケんね!」
「すごいわマー君!」
と、アリシア。もしかしてお前ら友達なの?
そして、マー君の快進撃は始まった。
「ねえ! あのヤンキーすごいわ!」
「本当ね! めちゃくちゃ強いのね!」
「ヤンキー。かっこいいわ!」
「ものすごく男らしい! 好き!」
「勇者様!」
「素敵!」
と、なろう系の国の女性たちが艶声を上げる。やばい、ヤンキーがなろう系主人公みたくなってきた。
っていうかさっきの攻撃は、ヤンキー躱せてないからな。俺の攻撃が早すぎて、頭から食らっただけだ。だけど、俺の攻撃がしっこみたいな勢いしかないから無傷だっただけ。
「くっそおおお! あの声援を浴びるのは、俺の役目のはずだ!」
俺は地団駄踏んで、悔しがる。だんだん俺がなろう系主人公に挑む雑魚っぽくなってきた。
マー君は、俺の目をまっすぐにみる。細眉毛とカラコンが彼のヤンキー力を際立たせる。
キリッとした瞳が街の喧騒の中で燃えるように光る。
マー君は、右手をまっすぐ俺に向ける。チョイチョイと挑発するようなポーズをして見せる。
マー君は、俺に向かって、
「御託はいい。来な」
そして、形成は逆転した。
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