悪役令嬢の味方をしたら追放されました

神崎 ルナ

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「それって何とかならないの?」


確かラインってば、この国で内乱起きたとき、王宮内の人事、ばっさりやって膿を出しきったって。



あたしがこの間、カサンドラ嬢から聞いたことを伝えると、


「うわあ。それ、聞いちゃったんだ」


「え? そんなに落ち込む案件? いいことしたんだよね?」


「そりゃあ、先を知っているからね。今となっては黒歴史なんだけど」


(あ、ラインがいたところでは『トレニア戦記』だっけ?)




フリント王国が乙女ゲーム。


トレニア国が小説、もしくはマンガ。


そしてサウス帝国は――。



(――あれ?)



「あ、でも確かあの乙女ゲームの続編がサウス帝国、ってライン?」


「……予告編しか見てないけどね。君は?」



あたしは記憶をつまぐってみるも、その予告編すら出てこないことに気付いた。


「続編がサウス帝国だってことくらいしか出てこない」


するとラインが、じぃ、とあたしを見た。


「本当に?」


「うん」


「それ以上、かけらも出てこない?」



「うん。きれいさっぱり」


するとラインが、はあ、とため息をついた。



「そんなことだろうとは思ったけどね」



(え、何その予定調和みたいな言い方)




少しむっとしていると、


「彼女、騎士のようだけど、よくこんな情報、入手できたよね?」


腹黒いという噂の宰相がそんなに簡単にしっぽを掴ませてくれるだろうか。


(待って。じゃあ。逆にトラップという可能性も……)


あたしがその疑念を口に出すと、


「それもあるけれど、彼女の存在そのものが罠という可能性もあるよね」


「え?」



あまり考えたくないんだけど、とラインが眉を寄せる。


「彼女が掴まされた情報が偽物、或いは誰かに暗示をかけられていて、この国の要人の暗殺を指示されている、とか」



(えっ!? 何それ、どこの大河ドラマッ!?)


思わずそう突っ込みかけたとき、


「可能性がまったくないとは言い切れないだろう? 特にこの世界では」


(あ、)


確かにかこちらでは『物語』が軸になっている場合が多い。



「で、話を戻すけれど、これって本当に『計画書』みたいなんだ」


「……?」


「つまり、まだサウス帝国ではこんな騒動は起きていないんだよ」


ラインが更に難しい顔になった。


(どういうこと?)


「それならちょうどいいんじゃない? 計画書、っていう立派な証拠もあるんだし」


「そうなんだけどね。ライラ嬢は正規の手続きをしてこの計画書を手に入れた訳じゃないんだ。きちんと足場を固めないと、『それは自分を陥れようとした奸計だ!!』と逃げられてしまう可能性もあるんだよ」



「だったら――」


「恐らく宰相側はそういった事態に備えて陣営を整えているだろうね」




(マジですか)



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