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65.幕間――王の血筋②
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『税のごまかし。虚偽の報告。無許可の麦畑の開拓。よくもまあ、ここまで出ますね』
涼やかな声が呆れたように奴らの罪状を読み上げた。
『それ位にしてやったらどうだ。ライン』
『俺はね、怒ってるんですよ。あらかた狩り尽くしたと思った悪党を狩り残していた自分にね』
そう言って笑った顔は、きれいな兄ちゃんのクセにあの伝説の魔王もかくや、って位の迫力で。
(こえぇぇぇぇっ!! 何だよこの迫力っ!!)
噂の大賢者と王サマのやり取りを、『俺は木だっ!!』とひたすら言い聞かせながらやりすごそうとしていると、
『君も済まなかったね。本来ならこんなことは起きてはならないことなんだけれど。君のお母さんは――』
母ちゃんは、死んでた。
何でも俺が王族になるのに反対したとかで、俺が連れて行かれた日の夜には殺されたらしい。
(何だよっ、それっ!!)
俺がこんなことしてた間に母ちゃんは――。
「何でだよっ!! 何で母……上がそんな目にあうのだっ!!」
無理やりひねくり出した言葉は大賢者にはお見通しだったようで、
「君ね。頭の中も言葉遣い合わせた方がいいよ。揚げ足取られたくなかったらね」
顔を上げた俺に、
「さて、君はどうしたい? このまま故郷へ帰る、というのなら、そうしてあげることもできるよ」
(え?)
頭の中をよぎったのは、あいつらの下卑た笑い。
はっきり言うと、国のこととか王族の務めとか、どうでもよかった。
「母上を返せ」
半ば睨むようにして言った俺に、
「それが君の望みかい?」
できっこない、って俺だって分かってる。
だけどその時、そいつの小綺麗な顔には、そうすることもできるけどそれでいいのかい、って書いてあるように見えたんだ。
もし、本当に母ちゃんが帰ってきたら嬉しい。
だけど何かが違う気がした。
俺は――。
「もう一度聞くよ。君は、どうしたい?」
噂の大賢者は俺に人生最大の難問をぶつけてきた。
涼やかな声が呆れたように奴らの罪状を読み上げた。
『それ位にしてやったらどうだ。ライン』
『俺はね、怒ってるんですよ。あらかた狩り尽くしたと思った悪党を狩り残していた自分にね』
そう言って笑った顔は、きれいな兄ちゃんのクセにあの伝説の魔王もかくや、って位の迫力で。
(こえぇぇぇぇっ!! 何だよこの迫力っ!!)
噂の大賢者と王サマのやり取りを、『俺は木だっ!!』とひたすら言い聞かせながらやりすごそうとしていると、
『君も済まなかったね。本来ならこんなことは起きてはならないことなんだけれど。君のお母さんは――』
母ちゃんは、死んでた。
何でも俺が王族になるのに反対したとかで、俺が連れて行かれた日の夜には殺されたらしい。
(何だよっ、それっ!!)
俺がこんなことしてた間に母ちゃんは――。
「何でだよっ!! 何で母……上がそんな目にあうのだっ!!」
無理やりひねくり出した言葉は大賢者にはお見通しだったようで、
「君ね。頭の中も言葉遣い合わせた方がいいよ。揚げ足取られたくなかったらね」
顔を上げた俺に、
「さて、君はどうしたい? このまま故郷へ帰る、というのなら、そうしてあげることもできるよ」
(え?)
頭の中をよぎったのは、あいつらの下卑た笑い。
はっきり言うと、国のこととか王族の務めとか、どうでもよかった。
「母上を返せ」
半ば睨むようにして言った俺に、
「それが君の望みかい?」
できっこない、って俺だって分かってる。
だけどその時、そいつの小綺麗な顔には、そうすることもできるけどそれでいいのかい、って書いてあるように見えたんだ。
もし、本当に母ちゃんが帰ってきたら嬉しい。
だけど何かが違う気がした。
俺は――。
「もう一度聞くよ。君は、どうしたい?」
噂の大賢者は俺に人生最大の難問をぶつけてきた。
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