短編詰め合わせ

やつあたりをしてはいけません

　やつあたりをしてはいけません、と。
　みじめに打ち捨てられた彼女が言う。
　貴女は何もしていないのに。
　貴女は逆に彼を守ろうとしていたのに。
　それなのに、だ。
　彼は、貴方を手ひどく扱って、そして捨てたというのに。
　貴女は笑って死んでいったのだ。
　残された私はひどい感情を抱くまま、彼を殺しに行こうとしたのに。
　それを、死ぬ間際に止めていったのだ。
　それはやつあたりなのだと。
　私が死ぬことに対するやつあたりなのだと。
　だから、やつあたりをしてはいけませんと彼女は遺言を残した。
　違います。違いますと私は首を振る。
　これは八つ当たりではなく、正当なる復讐。
　私は、彼の王位を簒奪する。そして一族郎党、その首すべてを刈り取って彼女の墓前に並べよう。
　それがあなたを捨てた事に対する、復讐。



みたいな話を書きたいと思いつつ。
上手にまとまる落としどころが見えなかったのでした。

王→実は両片思いの擦れ違い←死んだ彼女←←私
↑
なんか悪女の悪知恵

と言う感じでした。
やるならミスリードで、実は女だった、みたいなとこかなぁと思うけれどここで書いてしまったら。
もうそれはネタ晴らしなので形にはならない。