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2:憂鬱の本当の始まり
オウサマとのひと時
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それは突然の事だった。
「今日、時間あるかな?」
「へ?」
「午前中、ララトアの時間を僕にくれないかな」
朝食に誘われて、中庭のような場所にまた招待されて。
というより、ここしばらく。毎日お誘いがあるのでこれが当たり前になってしまっている感はある。
オウサマの言葉に俺の食事をする手は止まっていた。
「時間が取れそうだから、約束していた地下に少し案内できればと思って」
学校には昼から行けばいいよとオウサマは笑む。午前はこないと伝えておくから心配はないと。
地下、とは。
すなわち、地下の遺跡の事だろう。
地下の遺跡。立ち入り禁止の地下。
地下の!! 遺跡!!
「……い、行きます!」
その魅力は何にも代えがたい。俺が頷くと、オウサマは嬉しそうに笑った。
それじゃあ早く、朝食を食べてしまおうと言われていそいそと口に運ぶ。
朝食終えて、オウサマは少しだけ仕事。その間に、俺は部屋に戻って筆記具なんかを持ってくる。
けど、オウサマの方が少し時間がかかって俺はその間、茶を飲んで待っていた。
そして、今日の確認が終わったのだろう。オウサマは俺に向き直る。
「じゃあ行こうか」
こっちだと案内されながらオウサマは俺に話しかけてくる。
学校はどうだとか、何か不都合はないかだとか。
もちろん何も問題はない。
シェラという友人ができた話。この城はとても興味深いという事。他愛のない話ばかりだ。
そして、俺は気持ちはやってしまっている。
けれど進む先が、その方向が不思議だ。地下だから、下がるものだと思っていたら階段を上がっている。
「あの、地下なんですよね? なんで上に……」
「ああ、正当な入口は少し入り組んだ所にあって」
ここだよ、と到着。
古い石の感じ、鉄格子の扉は鎖で戒められている。
俺は周囲の壁を触ってその質感を確かめた。思っているよりもざらざらしているような。
中はいらなければこの辺り、調べてもいいよな。よし、今度こよう。
オウサマは鍵を取り出して鎖を解いていく。
そしてこっちだと、そばにあったランプに炎を灯し俺を手招いた。
地下迷宮へ足を踏み入れる。どきどきしている、楽しみでもある。
俺の口角が知らず、自然と上がってしまうのは仕方のないことだろう。
「迷い込めば、出ること適わぬ地下迷宮には主がいるって神話、ありますよね?」
「ああ。その神話の迷宮はここで間違いないよ」
その迷宮の主は、と王様は言って。
そこで言葉止めて、手を差し出した。
「それじゃあ、はい」
「うん?」
「はい、手を」
「手」
「つながないと、迷うよ?」
いやいやそんなそんな。そんな馬鹿な。
目の前にいる人を見失ったりしませんけど。
そんな視線を向けるが、にこにこと笑顔でかわされる。
「どうしても?」
「ああ、どうしても」
「絶対に?」
「そう、絶対に」
どうやらこの手は、つながないといけないようだ。
つながなきゃいけないのか? オウサマがその手を引っ込める様子は見られない。
俺は諦めて、その手に自分の手を重ねた。
オウサマの手は冷たい。俺の手より大きいというか、それは本当に男の人の手というような。
ごつごつした、骨ばった手だった。
俺の手はぷにっとしている、とは言わないけれど!
オウサマの手と比べたら全然違うものだ。
ガガ兄も、オウサマほどじゃないけどこういう手だ。
俺もリュリュスもユユトラも、似たような手をしていてガガ兄の手がうらやましいなーって話をしたっけ。
そんなことを思いだすと、笑いが零れていた。思い出し笑いだ。
「楽しい?」
「え?」
「いや、笑っているから……地下に来れて嬉しいのかなぁと」
「それはもちろん! けど、ちょっと思い出し笑いをしてただけで」
「思い出し笑い。どんな?」
「え、っと……ガガ兄、ガガトア兄上の手もオウサマみたいな感じで、小さい頃にうらやましいって、仲の良い兄弟と言ってたなぁって」
「そっか。つまり、僕の手を気にしてくれるくらいにはなったのか……」
斜め下で返された気がする。
「今日、時間あるかな?」
「へ?」
「午前中、ララトアの時間を僕にくれないかな」
朝食に誘われて、中庭のような場所にまた招待されて。
というより、ここしばらく。毎日お誘いがあるのでこれが当たり前になってしまっている感はある。
オウサマの言葉に俺の食事をする手は止まっていた。
「時間が取れそうだから、約束していた地下に少し案内できればと思って」
学校には昼から行けばいいよとオウサマは笑む。午前はこないと伝えておくから心配はないと。
地下、とは。
すなわち、地下の遺跡の事だろう。
地下の遺跡。立ち入り禁止の地下。
地下の!! 遺跡!!
「……い、行きます!」
その魅力は何にも代えがたい。俺が頷くと、オウサマは嬉しそうに笑った。
それじゃあ早く、朝食を食べてしまおうと言われていそいそと口に運ぶ。
朝食終えて、オウサマは少しだけ仕事。その間に、俺は部屋に戻って筆記具なんかを持ってくる。
けど、オウサマの方が少し時間がかかって俺はその間、茶を飲んで待っていた。
そして、今日の確認が終わったのだろう。オウサマは俺に向き直る。
「じゃあ行こうか」
こっちだと案内されながらオウサマは俺に話しかけてくる。
学校はどうだとか、何か不都合はないかだとか。
もちろん何も問題はない。
シェラという友人ができた話。この城はとても興味深いという事。他愛のない話ばかりだ。
そして、俺は気持ちはやってしまっている。
けれど進む先が、その方向が不思議だ。地下だから、下がるものだと思っていたら階段を上がっている。
「あの、地下なんですよね? なんで上に……」
「ああ、正当な入口は少し入り組んだ所にあって」
ここだよ、と到着。
古い石の感じ、鉄格子の扉は鎖で戒められている。
俺は周囲の壁を触ってその質感を確かめた。思っているよりもざらざらしているような。
中はいらなければこの辺り、調べてもいいよな。よし、今度こよう。
オウサマは鍵を取り出して鎖を解いていく。
そしてこっちだと、そばにあったランプに炎を灯し俺を手招いた。
地下迷宮へ足を踏み入れる。どきどきしている、楽しみでもある。
俺の口角が知らず、自然と上がってしまうのは仕方のないことだろう。
「迷い込めば、出ること適わぬ地下迷宮には主がいるって神話、ありますよね?」
「ああ。その神話の迷宮はここで間違いないよ」
その迷宮の主は、と王様は言って。
そこで言葉止めて、手を差し出した。
「それじゃあ、はい」
「うん?」
「はい、手を」
「手」
「つながないと、迷うよ?」
いやいやそんなそんな。そんな馬鹿な。
目の前にいる人を見失ったりしませんけど。
そんな視線を向けるが、にこにこと笑顔でかわされる。
「どうしても?」
「ああ、どうしても」
「絶対に?」
「そう、絶対に」
どうやらこの手は、つながないといけないようだ。
つながなきゃいけないのか? オウサマがその手を引っ込める様子は見られない。
俺は諦めて、その手に自分の手を重ねた。
オウサマの手は冷たい。俺の手より大きいというか、それは本当に男の人の手というような。
ごつごつした、骨ばった手だった。
俺の手はぷにっとしている、とは言わないけれど!
オウサマの手と比べたら全然違うものだ。
ガガ兄も、オウサマほどじゃないけどこういう手だ。
俺もリュリュスもユユトラも、似たような手をしていてガガ兄の手がうらやましいなーって話をしたっけ。
そんなことを思いだすと、笑いが零れていた。思い出し笑いだ。
「楽しい?」
「え?」
「いや、笑っているから……地下に来れて嬉しいのかなぁと」
「それはもちろん! けど、ちょっと思い出し笑いをしてただけで」
「思い出し笑い。どんな?」
「え、っと……ガガ兄、ガガトア兄上の手もオウサマみたいな感じで、小さい頃にうらやましいって、仲の良い兄弟と言ってたなぁって」
「そっか。つまり、僕の手を気にしてくれるくらいにはなったのか……」
斜め下で返された気がする。
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私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、
一部に翻訳ソフトを使用しています。
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本当にありがたく思います。
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