20 / 35
2:憂鬱の本当の始まり
オウサマとのデート
しおりを挟む
手を繋いで、歩く。オウサマはゆっくりと歩いていて、俺がそれに引っ張られる形になっていた。
ただそれだけだ。けれど、俺は見た事のないものを目にしているわけで。
正直に言おう。
オウサマに話しかけられてるけど、俺は遺跡見る方に必死!
ちょっと黙っててください!! くらい、言ってしまいたい!!
そして、俺の目はそれに釘付け。
ぼんやりと見えるそれは、歴史を感じるものだ。
「うわ、ちょっと待って。オウサマ、ストップ」
「どうかした?」
「ここみたい……」
いいよ、と王様は立ち止まってくれる。
俺は壁に掘られた細工を見たい。見たいのだが、オウサマはその手を放してくれない。
ちょっと揺らしてほどこうとしてもしっかりと握られている。
「あ、あの……放して欲しいんですけど」
「うん、名前を呼んでくれたらね?」
王様ってさっき言った、戻っているとオウサマは言う。
そういえば呼び捨てにとか、言ってたなぁと俺は思い出す。けど、年上の相手を呼び捨てに。
すごく仲が良いわけでもないし遠慮がある。
あるの、だけれど。
「ベスティアさん」
「おしいな、呼び捨てでお願いしたいんだけど」
「ベ……ベスティア」
「なに?」
「手を、放して欲しいんですけど」
「あとでまた繋いでくれる?」
それが条件、というように繋いでいる手を挙げる。
「…………はい」
「そんな間を置かれると傷つくんだけどな。ま、ここならいいか。この絵の前から動かないよね?」
「じっくり見たいだけです」
それならと輝くばかりの笑みをもって王様は手を放す。
なんだこの、居心地の悪さは!
俺はそそと壁に張り付いた。これはいつ、掘られたものか。
きっと何かの、ワンシーン。人っぽいものと動物たちの姿。
朽ちていてもおかしくはないのに、そのラインは繊細なまま残っているのだ。
地下だからこそ、保たれているのかもしれない。スケッチとかしたい。
けど、道具とかもちろん持ってきていないわけだ。筆記具はあるけど模写できる環境じゃない。
明かりもランプだけじゃぼんやりだしな……無理だな。
また、準備を整えて連れてきてもらうしかない。
「その絵が気に入った?」
「え?」
「それはね、カミサマが選んでいるところだと言われているんだけど」
「カミサマが選んでいる?」
そう、と王様は頷く。
カミサマが選んでいる。自分とともに長く歩んでくれる友人を。
話し相手、遊び相手、そして伴侶。それを決めるのはカミサマだという。
皆選ばれたい、けれどそうではない変わり者もいる。
王様はこっちの、と明かりを移動させる。
すると少し離れたところに、向き合った動物がいるのだ。
「これは、別に選ばれなくても幸せな、獣」
「へー……」
「この絵は持ち出し禁止、というか持ち出せないけど図書室に複製があるよ。そこには研究者の考察とかもあったと思う」
それを聞いて、俺は見に行こうと思う。
王様はふと笑い零した。なんだろうと思えば、どうやら俺の表情にそれが出ていたらしい。
かわいいね、と言われるのだが嬉しくない。
「でも選ぶとか、上からなんですね。あ、カミサマだからいいのか……」
「カミサマ、だからね」
カミサマは救うこともあればそうしないこともある。
残酷で高潔なものだと王様は言う。その言葉には熱も何もないように俺は感じて、ちらりと視線向けた。
何も思っていないような、と思ったが違う。
何か、思っていることを隠すような、そんなそぶりだ。
まぁ、王様にも何か思う所はあるんだろうと、俺は思う。
「ところで」
「ところで?」
「こうして二人だけの時間を過ごす……これはデートと言っても?」
「違うので」
「即答か……」
オウサマは、なんかこう、その挙動でちょっとずつ失敗を重ねてきてるってわからないのかな。
俺はじとっとした視線を向ける。それを受けているオウサマは楽しそうだ。
「デートだって言って貰えるようになるよう頑張るから」
「頑張らなくていいです……」
つれないと笑いながら、もういいかなとオウサマは手を差し出す。
繋げってことか。俺はしぶしぶ、その手を重ねる。
やっぱり、近いから手をつなぐ必要はないと、思うんだけどなぁ。
「するっと手を繋いじゃいましたけど」
「うん」
「手をつなぐ必要、ないですよね。ちゃんと姿見えてるし」
「いや、あるよ。言っただろ、ここは迷宮だって」
つまり、何が起こるかわからないってことなんだよと、オウサマは肩越しに俺を見て笑う。
何が起こるかわからない?
「ここは人が作ったものじゃなくて、カミサマが作った場所なんだよ。だから、色々と……入ったものが出れない、とか。一緒にいた人が目の前で消えた、とか。そういう口伝がある。人が踏み入らないように城を建て、封印して。そして守ってるんだよ」
「それはこの地下の迷宮を?」
「違うよ。ここに人が迷い込まぬように、迷宮から人を守ってる」
「……ここ、入って本当に大丈夫だったんですか?」
「僕はね、大丈夫なんだよ。だから絶対、一人で入っちゃだめだよ。鍵かけてるから入れないとは思うけど」
僕も、誰も知らない入り口があるかもしれないからとオウサマは言う。
代々の王が、カミサマに教えてもらって危ない場所は塞いできたらしい。けれどそれが完全に終わったのかどうかは、誰にもわからないらしい。
なにそれこわい。
色々聞いていると、オウサマが辿っているのは安全が約束された場所ということのようだ。
「今日はこのくらいにしようか。またこうしてデートしてくれる?」
「デートって言わないなら」
「デートだよ。地下迷宮デート」
「……オウサマがそう、勝手に思ってるだけで俺はそう思ってませんからね」
わかってるよと言うけれど、本当にそうなのか!
オウサマのペースに流されている。これは間違いない。
この流れに乗らないようにしなければ、と俺は強く思ったのだ。
ただそれだけだ。けれど、俺は見た事のないものを目にしているわけで。
正直に言おう。
オウサマに話しかけられてるけど、俺は遺跡見る方に必死!
ちょっと黙っててください!! くらい、言ってしまいたい!!
そして、俺の目はそれに釘付け。
ぼんやりと見えるそれは、歴史を感じるものだ。
「うわ、ちょっと待って。オウサマ、ストップ」
「どうかした?」
「ここみたい……」
いいよ、と王様は立ち止まってくれる。
俺は壁に掘られた細工を見たい。見たいのだが、オウサマはその手を放してくれない。
ちょっと揺らしてほどこうとしてもしっかりと握られている。
「あ、あの……放して欲しいんですけど」
「うん、名前を呼んでくれたらね?」
王様ってさっき言った、戻っているとオウサマは言う。
そういえば呼び捨てにとか、言ってたなぁと俺は思い出す。けど、年上の相手を呼び捨てに。
すごく仲が良いわけでもないし遠慮がある。
あるの、だけれど。
「ベスティアさん」
「おしいな、呼び捨てでお願いしたいんだけど」
「ベ……ベスティア」
「なに?」
「手を、放して欲しいんですけど」
「あとでまた繋いでくれる?」
それが条件、というように繋いでいる手を挙げる。
「…………はい」
「そんな間を置かれると傷つくんだけどな。ま、ここならいいか。この絵の前から動かないよね?」
「じっくり見たいだけです」
それならと輝くばかりの笑みをもって王様は手を放す。
なんだこの、居心地の悪さは!
俺はそそと壁に張り付いた。これはいつ、掘られたものか。
きっと何かの、ワンシーン。人っぽいものと動物たちの姿。
朽ちていてもおかしくはないのに、そのラインは繊細なまま残っているのだ。
地下だからこそ、保たれているのかもしれない。スケッチとかしたい。
けど、道具とかもちろん持ってきていないわけだ。筆記具はあるけど模写できる環境じゃない。
明かりもランプだけじゃぼんやりだしな……無理だな。
また、準備を整えて連れてきてもらうしかない。
「その絵が気に入った?」
「え?」
「それはね、カミサマが選んでいるところだと言われているんだけど」
「カミサマが選んでいる?」
そう、と王様は頷く。
カミサマが選んでいる。自分とともに長く歩んでくれる友人を。
話し相手、遊び相手、そして伴侶。それを決めるのはカミサマだという。
皆選ばれたい、けれどそうではない変わり者もいる。
王様はこっちの、と明かりを移動させる。
すると少し離れたところに、向き合った動物がいるのだ。
「これは、別に選ばれなくても幸せな、獣」
「へー……」
「この絵は持ち出し禁止、というか持ち出せないけど図書室に複製があるよ。そこには研究者の考察とかもあったと思う」
それを聞いて、俺は見に行こうと思う。
王様はふと笑い零した。なんだろうと思えば、どうやら俺の表情にそれが出ていたらしい。
かわいいね、と言われるのだが嬉しくない。
「でも選ぶとか、上からなんですね。あ、カミサマだからいいのか……」
「カミサマ、だからね」
カミサマは救うこともあればそうしないこともある。
残酷で高潔なものだと王様は言う。その言葉には熱も何もないように俺は感じて、ちらりと視線向けた。
何も思っていないような、と思ったが違う。
何か、思っていることを隠すような、そんなそぶりだ。
まぁ、王様にも何か思う所はあるんだろうと、俺は思う。
「ところで」
「ところで?」
「こうして二人だけの時間を過ごす……これはデートと言っても?」
「違うので」
「即答か……」
オウサマは、なんかこう、その挙動でちょっとずつ失敗を重ねてきてるってわからないのかな。
俺はじとっとした視線を向ける。それを受けているオウサマは楽しそうだ。
「デートだって言って貰えるようになるよう頑張るから」
「頑張らなくていいです……」
つれないと笑いながら、もういいかなとオウサマは手を差し出す。
繋げってことか。俺はしぶしぶ、その手を重ねる。
やっぱり、近いから手をつなぐ必要はないと、思うんだけどなぁ。
「するっと手を繋いじゃいましたけど」
「うん」
「手をつなぐ必要、ないですよね。ちゃんと姿見えてるし」
「いや、あるよ。言っただろ、ここは迷宮だって」
つまり、何が起こるかわからないってことなんだよと、オウサマは肩越しに俺を見て笑う。
何が起こるかわからない?
「ここは人が作ったものじゃなくて、カミサマが作った場所なんだよ。だから、色々と……入ったものが出れない、とか。一緒にいた人が目の前で消えた、とか。そういう口伝がある。人が踏み入らないように城を建て、封印して。そして守ってるんだよ」
「それはこの地下の迷宮を?」
「違うよ。ここに人が迷い込まぬように、迷宮から人を守ってる」
「……ここ、入って本当に大丈夫だったんですか?」
「僕はね、大丈夫なんだよ。だから絶対、一人で入っちゃだめだよ。鍵かけてるから入れないとは思うけど」
僕も、誰も知らない入り口があるかもしれないからとオウサマは言う。
代々の王が、カミサマに教えてもらって危ない場所は塞いできたらしい。けれどそれが完全に終わったのかどうかは、誰にもわからないらしい。
なにそれこわい。
色々聞いていると、オウサマが辿っているのは安全が約束された場所ということのようだ。
「今日はこのくらいにしようか。またこうしてデートしてくれる?」
「デートって言わないなら」
「デートだよ。地下迷宮デート」
「……オウサマがそう、勝手に思ってるだけで俺はそう思ってませんからね」
わかってるよと言うけれど、本当にそうなのか!
オウサマのペースに流されている。これは間違いない。
この流れに乗らないようにしなければ、と俺は強く思ったのだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
【完結済】「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか
風
BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。
……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、
気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。
「僕は、あなたを守ると決めたのです」
いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。
けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――?
身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。
“王子”である俺は、彼に恋をした。
だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。
これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、
彼だけを見つめ続けた騎士の、
世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。
【bl】砕かれた誇り
perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。
「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」
「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」
「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」
彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。
「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」
「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」
---
いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。
私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、
一部に翻訳ソフトを使用しています。
もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、
本当にありがたく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる