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第一章 理想
第18話 黒い忌み子➀
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夜が明けた。自分でも緊張しているのが分かる。今日僕は初めて戦闘をするかもしれない。殺し合いだ。自分が死ぬかもしれな。そう考えるとジワリと冷たい汗が背中を流れた。コロがそばに寄ってくる。
「ソラ様、大丈夫ですか?顔色が優れないようですが…。」
『大丈夫だよ。今日初めて戦闘をするつもりだから少し緊張してるんだ。』
「大丈夫です!私がついておりますから!万が一の時でも私が盾となりソラ様をお守り切ります!」
と、誇らしげな顔をしている。
『コロ、昨日の約束。』
『ハッ!もちろん覚えています…私も細心の注意を払います!』
とちょっとシュンとしてしまった。
『頼りにしてるよ!』
「はい!お任せください!」
僕は朝食を昨日買っておいた黒パンとフルーツで簡単に済ませ、身支度を整える。まずはギルドに行って魔晶石を換金し武器を購入しなきゃな。
『コロ!行こうか!』
「はい!」
僕たちは家を出た。
そして昨日と同様コロには姿を隠しながらあたりを警戒してもらい、村の付近で別れた。
僕はギルドに向かう。
ギルドは笑い声であふれ昨日よりも活気があるようだった。
「ソラさん!おはようございます!今日はどうされましたか?」
昨日受付をしてもらったちっこい受付嬢が書類のようなものを運びながら話しかけてきた。
『えーっと…』
「そういえば自己紹介がまだでしたね!私はトルテと言います!」
『トルテさん、昨日はありがとうございました。』
「いえいえ!お仕事ですから!オットット。」
トルテさんが運ぶにはちょっと重たそうな荷物だった。
『良ければ運ぶの手伝いしましょうか?』
「いいんですか!?ありがとうございます!では受付のカウンターまでお願いしてもよろしいでしょうか?」
僕は荷物を受け取りカウンターまで運んであげた。
「助かりました!ありがとうございます!」
『これくらいなんともないですよ。』
「ソラさんは頼りになりますね!ところで本日はどんな御用ですか?」
『魔晶石の換金をお願いしたいんです。』
と7個の魔晶石をカウンターに置いた。トルテさんは慣れた様子で魔晶石を受け取り
「ゴブリンの魔晶石7個で銅貨140枚と交換です。」
『ありがとうございます。それと武器を購入したいんですがどこかいいお店知りませんか?』
と尋ねてみた。
「予算にもよりますがどれくらいをお考えですか?」
『今換金した金額で買える武器を探してるんですが…』
「でしたらジムさんの道具屋ですね。短剣くらいなら購入できると思いますよ!」
『わかりました!ありがとうございます!』
俺はジムの店に向かう事にした。持っている銅貨で足りればいいけど…
道具屋の扉を開ける。
「いらっしゃい!おお!ソラか!」
『ジムさんこんにちは!』
相変わらず豪快でひげだるま的な容姿が見事にマッチしている。
『今日は武器が欲しくて来たんです!』
「自分の相棒を探しに来たんだな!予算はどれくらいだ?」
『銅貨140枚くらいで考えてるんですが…ありますか?』
ジムは少し考えた様子で
「うちは一番安い短剣で銅貨200枚だからなー」
おっと、さっそく躓いてしまった。コロにお願いして魔晶石を取ってきてもらうか…そう考えていると
「しょうがねーな!とりあえず付けといてやるから好きなのを選びな!」
『さすがにそれは申し訳ないです!』
僕が断ろうとすると、
「何、他人行儀なこと言ってんだ!気にすんな!それとも何か?つけても返す当てもないのか?」
そういうとニヤリと笑うジム。
『わかりました。お言葉に甘えさせていただきます!』
僕はお言葉に甘える事にした。
ジムが奥から数本の短剣を持ってくる。
「どれでも好きなものを選びな!」
並べられた短剣は見た目も様々でどれも立派なものだった。
その中で目を引いたのが黑い柄にシルバーの装飾があしらわれたもの。刀身も黒で中二心がくすぐられる。
「決まったかい?」
『これをお願いします!』
「縁起わるいのを選んだな。それを選んだのはお前さんが始めてた!」
と豪快に笑いながら
「よし!それなら銅貨300枚だが長く売れ残ってるから250で売ってやる!とりあえず今払える分だけもらって残りは付けといてやる!」
『ありがとうございます!』
僕は銅貨140枚をジムにわたした。
少し気になった事を聞いてみる。
『この短剣なにかいわくつきなんですか?』
と聞くとジムは渋い顔をしながら
「光輝教会で黒は忌み子の色とされているからな。自然と黒は嫌われるのさ。その短剣だってうちの店で一番いい品なんだが誰も買おうとしない。みんな教会に目を付けられるのが怖いんだろうな。」
『黒が忌み後の色…』
「どうかしたかい?ソラ。」
『い、いえ!ジムさん短剣ありがとうございます!足りない分は近日中に必ずお支払いに来ます!』
「おうよ!気を付けていってこいよ!」
僕はそそくさと店を出た。フードをさらに目深にかぶり足早に帰路につく。イザールが言っていた言葉を思い出す。フードをかぶっておいた方がいい。こういう事だったのか。僕は純日本人で黒髪だ。この世界の宗教で黒髪は忌み子とされている可能性がある。
僕は踵を返しギルドに足を運んだ。
「ソラ様、大丈夫ですか?顔色が優れないようですが…。」
『大丈夫だよ。今日初めて戦闘をするつもりだから少し緊張してるんだ。』
「大丈夫です!私がついておりますから!万が一の時でも私が盾となりソラ様をお守り切ります!」
と、誇らしげな顔をしている。
『コロ、昨日の約束。』
『ハッ!もちろん覚えています…私も細心の注意を払います!』
とちょっとシュンとしてしまった。
『頼りにしてるよ!』
「はい!お任せください!」
僕は朝食を昨日買っておいた黒パンとフルーツで簡単に済ませ、身支度を整える。まずはギルドに行って魔晶石を換金し武器を購入しなきゃな。
『コロ!行こうか!』
「はい!」
僕たちは家を出た。
そして昨日と同様コロには姿を隠しながらあたりを警戒してもらい、村の付近で別れた。
僕はギルドに向かう。
ギルドは笑い声であふれ昨日よりも活気があるようだった。
「ソラさん!おはようございます!今日はどうされましたか?」
昨日受付をしてもらったちっこい受付嬢が書類のようなものを運びながら話しかけてきた。
『えーっと…』
「そういえば自己紹介がまだでしたね!私はトルテと言います!」
『トルテさん、昨日はありがとうございました。』
「いえいえ!お仕事ですから!オットット。」
トルテさんが運ぶにはちょっと重たそうな荷物だった。
『良ければ運ぶの手伝いしましょうか?』
「いいんですか!?ありがとうございます!では受付のカウンターまでお願いしてもよろしいでしょうか?」
僕は荷物を受け取りカウンターまで運んであげた。
「助かりました!ありがとうございます!」
『これくらいなんともないですよ。』
「ソラさんは頼りになりますね!ところで本日はどんな御用ですか?」
『魔晶石の換金をお願いしたいんです。』
と7個の魔晶石をカウンターに置いた。トルテさんは慣れた様子で魔晶石を受け取り
「ゴブリンの魔晶石7個で銅貨140枚と交換です。」
『ありがとうございます。それと武器を購入したいんですがどこかいいお店知りませんか?』
と尋ねてみた。
「予算にもよりますがどれくらいをお考えですか?」
『今換金した金額で買える武器を探してるんですが…』
「でしたらジムさんの道具屋ですね。短剣くらいなら購入できると思いますよ!」
『わかりました!ありがとうございます!』
俺はジムの店に向かう事にした。持っている銅貨で足りればいいけど…
道具屋の扉を開ける。
「いらっしゃい!おお!ソラか!」
『ジムさんこんにちは!』
相変わらず豪快でひげだるま的な容姿が見事にマッチしている。
『今日は武器が欲しくて来たんです!』
「自分の相棒を探しに来たんだな!予算はどれくらいだ?」
『銅貨140枚くらいで考えてるんですが…ありますか?』
ジムは少し考えた様子で
「うちは一番安い短剣で銅貨200枚だからなー」
おっと、さっそく躓いてしまった。コロにお願いして魔晶石を取ってきてもらうか…そう考えていると
「しょうがねーな!とりあえず付けといてやるから好きなのを選びな!」
『さすがにそれは申し訳ないです!』
僕が断ろうとすると、
「何、他人行儀なこと言ってんだ!気にすんな!それとも何か?つけても返す当てもないのか?」
そういうとニヤリと笑うジム。
『わかりました。お言葉に甘えさせていただきます!』
僕はお言葉に甘える事にした。
ジムが奥から数本の短剣を持ってくる。
「どれでも好きなものを選びな!」
並べられた短剣は見た目も様々でどれも立派なものだった。
その中で目を引いたのが黑い柄にシルバーの装飾があしらわれたもの。刀身も黒で中二心がくすぐられる。
「決まったかい?」
『これをお願いします!』
「縁起わるいのを選んだな。それを選んだのはお前さんが始めてた!」
と豪快に笑いながら
「よし!それなら銅貨300枚だが長く売れ残ってるから250で売ってやる!とりあえず今払える分だけもらって残りは付けといてやる!」
『ありがとうございます!』
僕は銅貨140枚をジムにわたした。
少し気になった事を聞いてみる。
『この短剣なにかいわくつきなんですか?』
と聞くとジムは渋い顔をしながら
「光輝教会で黒は忌み子の色とされているからな。自然と黒は嫌われるのさ。その短剣だってうちの店で一番いい品なんだが誰も買おうとしない。みんな教会に目を付けられるのが怖いんだろうな。」
『黒が忌み後の色…』
「どうかしたかい?ソラ。」
『い、いえ!ジムさん短剣ありがとうございます!足りない分は近日中に必ずお支払いに来ます!』
「おうよ!気を付けていってこいよ!」
僕はそそくさと店を出た。フードをさらに目深にかぶり足早に帰路につく。イザールが言っていた言葉を思い出す。フードをかぶっておいた方がいい。こういう事だったのか。僕は純日本人で黒髪だ。この世界の宗教で黒髪は忌み子とされている可能性がある。
僕は踵を返しギルドに足を運んだ。
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