世界に蔑まれた黒の転移者 -拝啓-母さん、僕はこの異世界を滅ぼすことにしました。-

天風緋色

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第一章 理想

第21話 新しい従属魔②

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鳥達の鳴き声が聞こえてくる。窓からは朝特有の澄んだ風が入り込み僕の顔をくすぐっている。どうやら朝を迎えたようだった。

僕は自分のベットで目が覚めた。昨日は確か新しい従属魔を創造していたはずだ。従属魔創造を発動したところまでは覚えているがその後の記憶が曖昧だった。コロが僕をベットまで運んでくれたのか?

ゆっくりと目をあけ窓の外を眺める。
青々とした空に木々がユラユラ揺れている。少しづつ意識が鮮明になってきた。そこへ

「ソラ様!お目覚めになりましたか!」

コロがベットに駆け寄ってきた!相変わらず尻尾はちぎれ飛びそうな勢いで振られている。

『心配かけたねコロ。コロがベッドまで運んでくれたのかい?』

僕はコロの頭を優しくなでながら問いかける。コロは嬉しそうに顔を僕に擦り付けながら、

「いえ、このものが手伝ってくれました!」

コロが顔を向けたほうに一人の女性が立っていた。僕はハッとする。従魔属創造はちゃんと成功していたんだ!新しい人型の従魔が僕の方へと近づき頭を下げる。

「ソラ様、初めまして。この度は私を創造してくださり感謝しております。」

その言うと人型の従魔は頭を下げた。

僕は自身の成功に歓喜し心の中でガッツポーズをしていた。2回目の従属魔創造でここまでうまくいくとは思っていなかったからだ。

『こちらこそ初めまして。君を想像できたことが本当に嬉しい!』

言語も問題ないようだし、これで買い物や魔晶石交換の時にリスクを負わなくてもよくなる!僕が一人でそう考えていると

「ソラ様、よろしければ私にも名前をいただけないでしょうか?」

人型の従属魔がそう俺に話しかけてきた。俺は改めてその従属魔を見る。可愛らしい女性の風貌をしたその従属魔は人間の年齢ににすると俺と同じ年位に見える。すらりとしながらもその身体は、女性であることをしっかりと強調していた。顔は少女と女性の中間と言えばいいのだろうか。整っており可愛くもあり綺麗でもある。

中でも特徴的なのが髪の色。嫌いな薄いピンク色をしていた。

(ピンク色の髪…)

俺は小さい頃の母と過ごした時間を思い出していた。近所にある公園によく母から連れ出されて遊んでいた。そこに立っていた一本の桜の木。この従属魔の髪の色はその桜の木の花を僕に思い出させていた。

『今日から君の名前はサクラだ。よろしくなサクラ!』

サクラと名付けられた従属魔は目を輝かせて

「サクラ…とてもきれいな名前…。ありがとうございますソラ様!」
と頭を下げた。

どうやら気に入ってくれたらしい。
新しい家族の名前も決まり僕は昨日の顛末を二人に聞いた。

どうやら僕はサクラを創造した後に気絶してしまったらしい。慌てて二人は僕をベットまで運び介抱したそうだ。コロを創造した時にはここまではなかったが従属魔創造のレベルが上がった事でより多くの魔力を使うようになったのだろうか。

とりあえずは当初の目的も達成され新しい家族が増えたことに対する喜びをかみしめる事にした。


【黒木 天】
ステータス
Lv3
HP40
力12
魔力27
速さ13
運5
ギフト【従属魔創造Lv2】
スキル:従属魔意思疎通


【コロ】(種族:一角狼)
ステータス
Lv3⇒4
HP83+6
力29+5
魔力12+2
速さ36+5
運13+3
スキル:疾風,チャージ


【サクラ】
HP50
力10
魔力30
速さ12
運15
スキル:???

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