世界に蔑まれた黒の転移者 -拝啓-母さん、僕はこの異世界を滅ぼすことにしました。-

天風緋色

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第一章 理想

第24話 新たなる日常

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それから僕達は、時間を見つけては森へ入りモンスターを討伐し生計を立てていた。
初めは、恐怖もあったが徐々にその恐怖も薄れコロとサクラのサポートのおかげでゴブリン程度なら楽に倒せるようになっていた。
 
倒した魔物の素材はサクラが街で換金し食料や必要な生活用品に変えてきてくれる。
決して豪華とは言えない質素な暮らしだが僕はその暮らしに満足していた。
 
小さな丘の上で横になり何気なく空を眺め雲を目で追っていく。心地よい風が流れ新緑の香りが鼻をくすぐる。
僕は転生して得たこの新しい日常に満足していた。

現世では大学とバイト先を行ったり来たりの繰り返し。母も亡くし、たった一人で同じことを繰り返し何の目標もなかった自分。
 
だが今は違う。

何かに縛られることもなく、自由気ままな生活。そして何よりコロやサクラ達がいてくれる。今の僕は一人じゃない。僕にとって二人の存在はとても大きかった。家に帰れば明かりがともり温かい食事と楽し気な会話が聞こえてくる。

それが僕にとって何よりもかけがえのない物になっていた。僕は今この幸せな時間を過ごしている事を神に感謝している。そしてこの時間を守りたい、それが僕の目標になっていた。

初めは不安しかなかったこの異世界での生活に徐々に馴染んできている自分がいる。それは間違いなくコロやサクラが居てくれるからだ。僕は目をつむり二人に念話でありがとうと伝えた。

「どうされましたかソラ様?」

とサクラとコロが話しかけてくる。

『いやなんでもない。ただ伝えたかったんだ。僕のそばに居てくれてありがとう』

「そんな!私達もソラ様にお仕え出来てしあわせです!」

「その通りです!これからもお側でお守りいたします!」

と二人の嬉しそうな声が返ってきた。僕はそっと目を閉じその幸せな時間をかみしめていた。この時、僕はこの幸せな時間がこれからも続くものだと思っていた。

だが、ある事をきっかけにこの幸せな時が簡単に崩れ去ってしまうとはこの時は知るよしもなかった。


【黒木 天】
ステータス
Lv5
HP50
力19
魔力38
速さ18
運7
ギフト【従属魔創造Lv2】
スキル:従属魔意思疎通


【コロ】(種族:一角狼)
ステータス
Lv5
HP92
力39
魔力17
速さ51
運19
スキル:疾風,チャージ


【サクラ】(種族:???)
ステータス
Lv3
HP54
力12
魔力40
速さ14
運18
【ギフト】治癒
スキル:治癒魔法
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