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4 愛する妻、可愛い子供たち、パパは頑張るよ～！ あれ？ 僕は何がしたかったんだっけ？ 自分を見失いそうになっていた僕の前に現れたのは…

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「やめてください、土下座なんて！　助けてくださいって言っても、僕はこの通り普通極まりない人間ですし…」

女は床にうつ伏したまま肩を震わせて泣いている。

それを見ている女官風の女もさめざめと泣きだした。

ったく何なの、この寸劇？　

何かのドッキリにでも引っ掛かっているんだと思った。

きっとそのうち看板を持ったテレビスタッフがやって来るに違いない！　

最近は素人相手にドッキリをしかけてくる番組もあるらしいから…。

そんな事を思いつつ時間は過ぎた。

しかし、ドッキリの看板を持ったテレビスタッフは一向に来ない…。

何故だ…。

そして女たちは泣き続けている。

僕はウンザリしながらも二人が可哀そうになってきた。

「あの…僕に何か出来るとも思えないんだけど…話を聞くくらいなら…。」

「聞いて下さるのですかっ？」

女は顔に扇子を当てたままガバっと起き上がった。

「もともとわらわは名家の出で、父母と共に都の中心にある大きな屋敷に住んでいたのでございます。しかしわらわが幼き時、父と母を相次いで亡くし、その後わらわの後見となった叔父夫婦に屋敷を乗っ取られ、この女房と二人、かような僻地へと追いやられてしまったのです。」

「おいたわしや…。」

女房という女は自称・姫君を憐れんでさめざめと泣いた。

姫君は相変わらず扇子で顔を隠し、肩を震わせて泣いている。

「あの…さっきから都って言ってるけど…ここ、どこ？」

「都は都じゃ。京の都じゃ！」

…え？　

もしかして…ここ、本当に平安京なの？　

俺…タイムスリップしちゃったの？？？　

マジでぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーー！

いや、そんなはずはあるまい！　

落ち着け、和英！　

まずは状況把握だ！

「あの…その着物…もしかして普段着ですか？」

「何とおかしな事を言うお方じゃ。」

女房さんが答えた。

「あの…今、何年ですか？」

「承和２年にございます。」

「え？　令和２年の間違いじゃないよね？」

「れいわ？　承和にございます！」

女房さんは怪訝な目で僕を見ている。

とても演技をしているようには見えなかった。

とすると…やばい…マジで平安京だ…。