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まんまるムーン

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5 赤い月が昇る頃、オッドアイの瞳は見つめている。トンネルの向こうに開かれた世界で私を待っているのは誰?

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神崎君が耳元で囁いた瞬間、そんな映像がはっきりと目の前に現れたのだ。

肌や唇の感覚までハッキリとリアルに、まるで今本当に体験したかのように…。

私は恥ずかしくなって、ますます顔が真っ赤になってきた。

彼に悟られないように手で顔を隠した。

「設楽さん、どうした?」

「何でもない。ちょっと頭痛がしただけ…。」

「大丈夫? 俺、医務室連れて行こうか?」

「ううん、本当に大丈夫。気にしないで。よくあることだから…。」

「熱あるんじゃないかな…。顔が赤いけど…。」

神崎君は心配そうに私を見た。

そう、これは本当によくあることなのだ。

この大学に入って、神崎君を時々見かけるようになった頃から、私はこの妄想的な映像を見るようになった。

自分で考えているわけでは決して無い。

勝手に頭の中に飛び込んでくるのだ。

どうしてなんだろう…。



 講義が終わって、私からプリントを借りた子たちが返しに来た。

彼女たちは今晩飲み会に行くようだ。

神崎君も行くみたいだった。

「設楽さんも行かない?」

彼が誘って来た。

「そうだよ! 今日プリント写させてもらったし、私たちのおごりで! 一緒に行こう!」

彼女たちも私を誘ってくれた。

みんないい子そうだし、楽しいだろうなと思った。

行きたいな…そう思い始めた時、倉田君がやって来た。

「真子ちゃん、そろそろ行こうか?」

そうだった。

今日私は彼と約束をしていた。

神崎君は倉田君をじっと見た。

「先約、あったんだ。しょうがないか。設楽さんとゆっくり話してみたかったんだけどな。残念!」

神崎君は笑ってそう言った。

他の女の子たちも、今度一緒にご飯を食べに行こうと言ってくれた。

彼らが教室から出る時、神崎君は振り返って私を見た。

その時また頭の中に映像が飛び込んできた。





“海岸で神崎君と二人、夕日を見ている。

向かい風が冷たくて、私は彼の後ろに隠れた。

彼は私の両手をギュっと引っ張って自分のお腹に回した。

私は彼の背中に抱き着いたまま、暖かさを感じていた。

その時、神崎君は私の左手の薬指に指輪にはめた。

「就職したらもっといいの買うから。」

私好みのシンプルな可愛い指輪だった。

「嬉しい…。ありがとう! ずっと…ずっと大事にするね!」

「俺は…真子だけだから…。」

彼は呟いた。

「ずっと、ずっと、真子だけ見てるから…。」

そう言って彼は恥ずかしそうに顔を真っ赤にした。

私も恥ずかしくなって彼の背中に顔を埋めた。“


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