良心的ＡＩ搭載 人生ナビゲーションシステム

5 赤い月が昇る頃、オッドアイの瞳は見つめている。トンネルの向こうに開かれた世界で私を待っているのは誰？

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　水谷君は実家暮らしで、一室をまるで水族館のようにしていた。

彼の父親も魚を飼育するのが趣味らしく、彼が子供の頃からこんな状態だったと言っていた。

その部屋は遮光カーテンで真っ暗にしてあって、部屋いっぱいに沢山ある水槽がライトで照らされている。

何百匹という魚たちの中で、こちらの世界で私が飼っているという魚は一目でわかった。

その子は私が来るのを知っていたかのように、オッドアイの瞳でこちらをジッと見ていた。

「…あ…あ…あの…その…設楽さん…。」

水谷君は青ざめて震えていた。

「何？」

「…その…設楽さん…テレビで…」

「その事に関しては、今度説明する！　とりあえず急いでるから真子の魚、持ち運べるようにしてもらえないかな！　頼む！」

蒼は水谷君の質問を遮った。

水谷君は私を見て怯えながらも準備してくれた。

魚はビニール袋に入れられて、それを発泡スチロールの箱に納められた。

魚は箱の中から私を見上げた。

「大丈夫、心配しないで」

私は魚に呟いた。