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まんまるムーン

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6 全く性格の違う菜々子と夏子が入れ替わった! 会社は? 夫婦生活は? どうすればいいのよ~!

6

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「あの…」
「な、何?」
あまりに食い入るように自分の体を見つめていたので、大輝は不審がっているようだ。
「姉ちゃん、意識が戻ったら連絡しましょうか? 話も出来ないのにずっとここにいてもらうのも申し訳ないですし…面会時間ももうすぐ終わるし…。」


 大輝ったら…。唯一の肉親がこんな状態で自分が一番不安だろうに、こんな時でも他人に対する気遣いが出来るなんて! いい子に育ってくれた弟が誇らしくて堪らない。鼻の先がツンとしてきた。


「大輝君、ちゃんと食べてる?」
「大丈夫です。昔から姉ちゃんがいない時は自炊してたから…。」
「そう…。あ! お金! あのねっ! こんなこともあろうかと、いざという時用の口座を作ってるの! お姉ちゃんのタンスの二段目に入っている通帳を入れてるポーチの中に〇〇銀行の通帳とカードあるから! とりあえず、それを使って! 暗証番号は…」
「…姉ちゃん…夏子さんに…そこまで話してたんですか…?」
ハッ! しまった! 大輝に怪しまれてしまう!

「あ、あの…その…、あのねっ! 菜々子とは親友だったから、お互いもしもの時に家族が困らないように重要事項を共有しておこうねって決めていたの!」
「…そうだったんですか…。」


 大輝は涙ぐんだ。恥ずかしいのか私に背を向けて涙を拭っていた。無理もない。まだ高校生だもん。一家を支えていた姉がこんなことになったら不安で堪らないよ…。ごめんね、大輝。私も涙ぐんでしまった。その時、横たわっている私の体の夏子が薄っすら目を開けた。

「気が付いたの?」
「姉ちゃん!」
私の体に入れ替わった夏子は何も言わずキョロキョロと目だけ動かして辺りを見回した。そして夏子の体の私を見てギョッとした。
「僕、先生呼んできます!」
大輝は走って出て行った。驚きのあまり硬直している夏子に、私は恐る恐る語りかけた。


「夏子…わかる?」
「…何で私が二人いるの?」
「私たち、入れ替わっちゃたみたいなの…。」
「え? てか、あんた誰?」
「菜々子よ。」
「菜々子? 何で私と夏子が入れ替わってるの? 冗談はやめてよ!」
「冗談かどうか、鏡を見てみて…。」
私は化粧ポーチから鏡を取り出して夏子に見せた。
「えーーーーーーーーーー!」
夏子はショックでまた気絶した。その時、ドアが開いて大輝とお医者さんと看護師さんが入ってきた。
「あれ? 姉ちゃん、確かに目を覚ましたはずなのに!」
「…う、うん。どうしちゃったんだろうねぇ…。」
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