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6 全く性格の違う菜々子と夏子が入れ替わった! 会社は? 夫婦生活は? どうすればいいのよ~!
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しおりを挟む「あいたたた…。」
朝起きると全身に痛みが走った。これは事故の後遺症? 違う! この粗末なぺったんこの布団のせいだ! 菜々子、よくこんなので寝られるな…。低反発のマットレス、さっそくポチっとこ…。顔を洗って台所へ行くと、大輝が朝食を用意してくれていた。
「あんた! 朝ごはん作ってくれたの?」
「うん。姉ちゃん、病院から帰ったばかりだし…。いつも姉ちゃんが作ってくれるみたいに上手には出来なかった。ごめんね。」
テーブルの上を見ると、ご飯にみそ汁、卵焼き、タコさんウインナーが並べられてあった。見た目は悪く無い…どころか、コイツ、私より料理上手いんじゃない?
「いただきます。」
うん! 卵焼きはほんのり甘くて美味しい。みそ汁もいい味だ。
「大輝! あんた料理上手いじゃん!」
「ほんと? ありがとう!」
「あんた、ほんといい子だね!」
「どしたの、姉ちゃん…。突然…。」
「今時の高校生にしてはちゃんとしてるじゃん。」
「姉ちゃんが俺にしてくれている事に比べたら、こんなの何てこと無いよ…。」
「…ふ~ん。」
菜々子、感謝されてんな~。確か両親早くに亡くなったんだっけ? 菜々子はこの子の親代わりなんだ。そうか、そうか…。
私は大輝の作ってくれた食事を完食した。ご飯を食べ終わるとコーヒーが飲みたくなった。いつもは朝食を食べずにコーヒーを飲むだけなのだ。
「大輝! コーヒーある?」
「え? 姉ちゃんが飲むの?」
「うん。」
「珍しいね。普段コーヒーなんて飲まないのに…。えっと…確か棚の奥に姉ちゃんの会社で余ったやつもらってきたコーヒーがあったはず…。あ、あったよ! 俺、入れてやるよ!」
大輝はインスタントコーヒーの瓶を取り出した。
「ちょ、ちょっと! インスタント?」
「あぁ、コレしか無いんだけど…。」
マジか…。しょうがない。そんな気はしていた。コーヒーマシンすら見当たらないからな…。インスタントでも飲めるだけマシか…。
「あっ! そういや、前に姉ちゃんが社長さんからもらったのがあったよ! これだったら姉ちゃんの飲みたがってるコーヒーと、さほど変わらないと思うよ。」
大輝は箱の中からドリップバッグのコーヒーを取り出して入れてくれた。すごくいい香りが漂ってくる。このコーヒー…かなりいいやつなんじゃない? 香りですでに分かるよ。大輝はお客さん用のカップ&ソーサーで私に出してくれた。
「…美味しい! 何これ!」
「そんなに美味しい?」
「専門店の味と変わらない…ってか、それ以上かも…。何でこんなもんがこのうちにあるの?」
「確かこれ、社長さんが見つけて売り出したいって言ってたらしいけど、会長さんからボツにされた商品だって言ってたよ…」
「…あの社長…単なる小太りでは無さそうね…」
「他にもいろんな商品あったと思うよ。社長さんが見つけてきてボツにされたやつ。姉ちゃん、その度に使えなかった物もらって帰ってきてたじゃん。」
「他にもまだあんの? お出しなさい!」
大輝は食料棚から大きな箱を持ってきた。その中にはオーガニックのハーブティーや調味料、ドライフルーツ、食料品だけでなく自然派のコスメもあった。国産の物もあるが、輸入物もあった。私はそれらを次々に試してみた。パッケージが悲劇的にダサくて残念だけど、質はとびきりいい物ばかりだった。
「…何…この…宝は…。どれもかなり質のいいものだよ…。私の使ってる最高級品と比べても見劣りしない…。」
「…私の使ってる…? なんだかよく分かんないけど、あの社長さん、見かけによらずセンスいいよね。だけどなぁ…」
「大輝、私、会社行くわ。」
「姉ちゃん、大丈夫なの?」
病み上がりで無理はしない方がいいと大輝は止めたが、私は菜々子の会社の小太り社長に少し興味を持ったのだ。きっとアイツはいろいろ宝を隠しているに違いない! どうせボツになるんだったら根こそぎもらってこよう! フッフッフッ…。
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