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7 それは残酷過ぎる現実と無償の愛だった…。ナビ最終章。今、全ての謎が解き明かされる。
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しおりを挟む「全てがわかった!」
奈美がそう言ったのは、いつだっただろう…。確か…そう、あの日だ!
僕たち家族がスイスに引っ越す1か月前。その日の夕方、僕と兄はいつものように二人で水泳教室へ行き、二時間近く泳いで家に帰っている途中、部活帰りの奈美に会った。
久しぶりだったので、遠回りして帰ろうと誰ともなく提案した。そして僕たちは近くを流れる川の河川敷へ行った。日が長くなったせいか辺りはまだ明るく、キャッチボールをしている人たちや、犬の散歩をしている人など、たくさんの人が集まっていた。
空は次第に赤く染まっていった。僕たちはベンチに座って、その美しい夕焼けを眺めた。その時、東の空から一筋の流れ星が見えた。流れ星はどんどん巨大になっていく。僕たちは怖くなった。
でも周りにいる人たちは、そんなこと全く気にしていない。もしかして、その流れ星が見えているのは僕たちだけなのだろうか! 迫ってくる流れ星は、進行方向を変えたのか、どんどん小さくなって最後には消えていった。僕らは胸を撫でおろした。
その時、大地が激しく揺れた。立っていられなくなって、倒れるように地面にしゃがみこんだ。その揺れは、長かったようにも感じたけど、実際は一瞬だったのかもしれない。
気が付くと周りは、まるで何も無かったかように、叫び声をあげるどころか人々は全く平然としていて、もちろん建物の崩壊やそれに伴う火災など、全く見当たらなかった。
いったい…何だったんだ…
「痛たたた…。」
理人が肩を押えながら立ち上がった。さっきの揺れで倒れて肩を打ったみたいだ。
「大丈夫?」
「うん。頼人は大丈夫?」
「俺はなんともない。奈美は?」
振り向くと奈美は倒れたままだった。
呼びかけても反応が無い。
どうしよう!
理人が大人を呼んでくると言って走っていった。僕は奈美に付いていた。しばらくすると、理人と奈美の母親が走ってやってきた。奈美の母はすでに救急に電話していたので、ほどなく救急車がやって来た。奈美はタンカに乗せられて母親と共に救急車で運ばれていった。
僕たちは家に帰ると事情を母親に話し、奈美の連れて行かれた先の病院へ連れて行ってもらった。病院に着くと奈美の母親は医師と話をしていた。僕たちは少し離れたところで話し終わるのを待っていた。医師との話が終わると、奈美の母は僕たちの所へ来てくれた。
「…これといった異常は見当たらないという事なの…。とりあえず、今晩はここに泊まることになったわ。明日、もう一度検査して異常が無ければ家に帰れるって。」
「良かった~。」
異常が無いと聞いて、僕たちは胸を撫でおろした。
「でも…何も異常が無いのに…どうしていきなり意識を失ったりしたのかしら…。」
奈美の母親は頭を傾げていた。やっぱりあの地震は、僕らだけが体験してものだったようだ…。
救急の扉が開いて、タンカに横たわった奈美が出てきた。いまだに意識は無いようだった。奈美は一般病棟に運ばれた。本来2人部屋だったけど、ちょうどそこに入院していた人が退院した後だったので、その部屋には奈美と僕たちだけが残された。
奈美の母親と僕らの母親は病院内のレストランに食事に行った。一緒に行こうと誘われたけど、僕たちは奈美のいる部屋で待つことにした。病室の隅に重ねて置いてあった丸椅子を奈美のベッドの横に置いて僕らは並んで座った。
「理人、いったいあの地震は何だったんだろう? 僕たちだけだよね? あの地震を感じたの…。」
「うん。他の人は全く感じてないみたいだ。それにあれだけ揺れたら崩壊する建物があってもおかしくないけど…。母さんたちもその事を何も話してなかったし…。」
その時だった。寝ていた奈美が、突然起き上がった。
「奈美! 大丈夫?」
僕らはとっさに声をかけた。
「…全て…わかった。」
奈美は小さく呟いた。
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