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しおりを挟むこのガス抜きタイムがあるから結婚生活を続けていけるのだと思う。
梨沙子も同じことを言っていた。
きっとどこの家庭も程度の差こそあれ、こんな風にガス抜きして、築き上げてきたものを壊さないようにしているのだろう。
支払いを済ませて店を出ると、駅前は家路へ急ぐ人たちでひしめき合っていた。
改札口まで梨沙子と一緒に行こうと歩き出したとき、梨沙子が急に立ち止まって私の袖を引っ張った。
「あれ…加奈の旦那さんじゃない…?」
梨沙子の見ている方向を見ると、確かに雅彦がいた。
声をかけようかと思ったその時、私は固まった。
「横にいる人って…加奈の知り合い?」
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