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第十一章 運命を賭けた公聴会
しおりを挟むエゼキエル公爵が王太子とセリアを失脚させるための陰謀を画策する中、ついに運命の公聴会が開かれる日がやってきた。クラリッサは、自らの加護を失う覚悟を胸に、真実を明かし、未来を切り開こうと決意していた。
公聴会の幕開け
王室の重鎮たちが集まる広間は、緊張感に包まれていた。エゼキエル公爵は優雅な態度を崩さず、余裕の表情で中央の席に座っている。
「セリア嬢が他国と密通し、王室に害を及ぼしているという証拠を、私は提示する準備がある。」
彼の言葉に、周囲がざわついた。
「それが本当であれば、この婚約を破棄し、王太子殿下の信用問題にも直結する話となるでしょう。」
公爵の発言に、多くの貴族たちが賛同の声を上げる。
「では、公爵。ご提示いただけますか?」
議長が促すと、公爵は取り巻きの一人に指示を出し、偽造された証拠を壇上に持ち出させた。
クラリッサの反撃
その瞬間、クラリッサが立ち上がった。
「待ってください。その証拠が真実であるかどうか、確認させていただけますか?」
彼女の毅然とした態度に、会場は一瞬静まり返る。
「これはどういうことだ?貴族院の場で、私の言葉を疑うというのか?」
エゼキエル公爵は冷笑を浮かべながら言い放つ。
「もちろん、貴族の皆様には公平な判断を求めたいだけです。」
クラリッサは手にした文書を掲げ、声を張り上げた。
「こちらは、エゼキエル公爵が密かに保管していた別の記録です。この記録には、彼が証拠を偽造した経緯が詳細に記されています。」
「な……!」
公爵の表情が一変する。
「さらに、あなたが他国のスパイと通じて、この偽造証拠を作成させた取引記録も発見しました。」
クラリッサは次々と証拠を提示し、会場を動揺させる。
真実の暴露
偽造の手口を説明するクラリッサに、貴族たちは徐々に公爵への不信感を募らせていった。アレクシスもまた一歩前に進み、王室の立場を代弁する形で発言する。
「公爵、これが事実であれば、あなたは国家への反逆行為に等しいことをしていることになる。弁明の余地はありますか?」
「……これは捏造だ!この女の言うことなど信じられるものか!」
エゼキエル公爵は激昂し、声を荒げた。
だが、その時、クラリッサの屋敷で見つけた密談の記録を証言する証人が登場した。証人は、公爵の取り巻きであった人物で、計画の一部始終を暴露したのだ。
「それでもなお、これが嘘だと言い張るのですか?」
クラリッサが冷静に問いかけると、公爵は返答できずに沈黙するしかなかった。
天界の審判
公聴会が混乱の中で進む中、突然、天井から眩い光が降り注ぎ、天界の使者アルビオンが姿を現した。
「リリス、最後の時が来た。」
公爵や貴族たちは突然の現象に驚き、動揺を隠せない。アルビオンはクラリッサを見つめ、その声を響かせた。
「お前は天界の加護を捨て、この地上の者として生きる覚悟を決めたのか?」
クラリッサは深呼吸し、毅然とした態度で答えた。
「はい。私はこの世界で、私が守るべき人々のために生きます。」
その瞬間、クラリッサの身体から淡い光が放たれ、天界の加護がゆっくりと消え去っていくのを感じた。
「では、地上の運命はお前自身の力で切り開け。」
アルビオンはそう言い残し、再び光の中へと消えた。
新たな始まり
天界の加護を失い、普通の人間となったクラリッサだったが、その姿には一切の後悔がなかった。彼女の決断と行動により、公爵の陰謀は完全に崩れ去り、セリアと王太子の婚約も無事守られた。
「クラリッサ、君の勇気と決断に感謝する。これからも、僕たちと共に歩んでほしい。」
アレクシスの言葉に、クラリッサは静かに微笑んだ。
「もちろんです。これからも、私たちの未来を共に守りましょう。」
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