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第十章 運命の選択と決戦の夜
しおりを挟むクラリッサたちは、エゼキエル公爵が王室を揺るがす最後の行動に出るとの情報を掴み、その計画を阻止すべく動き出す。だが、天界からの審判の時もまた迫りつつあり、クラリッサは二つの大きな運命に挟まれることになる。
エゼキエル公爵の最終計画
エゼキエル公爵が王太子とセリアの婚約破棄を画策しているとの情報を得たクラリッサたちは、ついにその計画の全貌を掴んだ。公爵は「セリアが他国と内通している」という捏造された証拠を用意し、それを貴族院の公聴会で公開することで、王太子を失脚させる算段だったのだ。
「もしその証拠が公聴会で提出されれば、セリア様だけでなく王室全体の信用が揺らぎます。」
エレナが緊迫した表情で言う。
「その前に証拠を奪うか、捏造を暴く必要があるわね。」
クラリッサはそう答え、具体的な行動計画を考え始めた。
危険な潜入
クラリッサとカインは、エゼキエル公爵が証拠を隠していると言われる屋敷に潜入する計画を立てた。夜闇に紛れて進む二人は、厳重な警備を掻い潜りながら屋敷の奥へと進む。
「静かに。この先に保管室があるはずだ。」
カインが低い声でささやく。
保管室にたどり着いた二人は、慎重に鍵を開け、中を確認した。そこには、公爵が用意した偽造文書や取引記録が隠されていた。
「これが公爵の計画の証拠……!」
だが、その瞬間、背後から兵士たちが現れる。
「捕えろ!侵入者だ!」
「まずい、急いで逃げるぞ!」
カインが叫び、二人は追っ手を振り切りながら屋敷を脱出する。文書を手に入れたものの、追手の激しい追撃でカインが軽傷を負うなど、二人は満身創痍の状態でクラリッサの屋敷に戻った。
公聴会の前夜
翌日、エゼキエル公爵の計画が公聴会で実行されるという日が迫る中、クラリッサたちは手に入れた証拠を精査し、対抗策を練っていた。
「この文書には、公爵が証拠を捏造した具体的な手順が記されている。これを公聴会で公開すれば、彼の計画を潰すことができるわ。」
「だが、公爵もそれを察知すれば妨害してくるだろう。慎重に動く必要がある。」
アレクシスはそう言って警戒を呼びかけた。
セリアもまた、自分が標的にされていることを自覚し、クラリッサに感謝の言葉を伝えた。
「クラリッサ、あなたがいなければ私はここまで戦えなかった。本当にありがとう。」
「セリア、私はあなたが本当に大切な人を守り抜ける女性だと信じているわ。一緒に戦いましょう。」
天界からの最後の審判
その夜、クラリッサは再び天界の使者と対峙することになった。現れたのはゼファーではなく、天界の高位の存在であるアルビオンだった。
「リリス、運命を歪め続けたお前に、天界は最後の決断を下す。」
アルビオンの声は静かだが、圧倒的な威圧感があった。
「この世界に留まりたいのならば、天界の加護を捨て、この地上の住人として生きる覚悟を示せ。」
「加護を捨てる……?」
クラリッサは動揺する。天界の加護を失えば、彼女は普通の人間として生きることになり、その力を失う可能性が高かった。しかし、それがこの世界で自分の居場所を守るためならば……。
「それが私の選択肢なのね。」
「そうだ。お前に与えられた猶予は、明日の夜明けまでだ。それまでに答えを出せ。」
アルビオンはそう言い残し、光の中に消えた。
決意の時
天界の審判が迫る中、クラリッサは心の中で葛藤していた。
(加護を失えば、私は普通の人間になる。それでも、この世界で守りたいものがある。セリアやアレクシス、カイン、エレナ――彼らのために私ができることを全力でやり遂げる。それが私の答えよ。)
夜明けが近づく頃、クラリッサは静かに立ち上がり、天界の加護を捨てる覚悟を決めた。そして、明日の公聴会でエゼキエル公爵の陰謀を暴くための最後の準備を進めるのだった。
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