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九条真の事件簿 第二章 「書斎に隠された秘密」
しおりを挟む天才的な観察力と洞察力を持つ名探偵・九条真。どんな難事件も解決に導くその能力は天賦の才だが、彼には致命的な欠点があった。それは「説明が壊滅的に下手」なこと。結論に辿り着くまでに、余計な話や比喩が多すぎて、依頼人たちは毎回振り回される。
そんな九条のもとに舞い込んだのは、名家・浅倉家の遺産相続を巡る不可解な遺言の謎。一見平穏そうに見える一族だったが、その裏には長年隠されてきた嘘と秘密が渦巻いていた。九条は真実を見抜く鋭い目と、独特の推理方法で謎を解き明かしていくが、彼の説明を理解するには依頼人たちも一苦労!?
笑いと感動、そして驚きが交錯する長編ミステリー!遺産争いに隠された真実を巡り、九条のマイペースな推理劇が今、幕を開ける――。
九条真の事件簿:第二章「書斎に隠された秘密」
浅倉家の屋敷に着くと、美咲は九条を父の書斎へと案内した。重厚な木製の扉を開けると、中は広々としており、壁一面に本が並んでいる。机の上には問題の遺言状が置かれていた。
「こちらが遺言状です。兄が触らないように注意してましたけど……」
美咲がそう言うと、九条は遺言状を手に取り、目を細めてじっくりと眺めた。
「ふむ、この紙、普通の紙に見えますが……」
「え? 紙に何か問題でも?」
「ええ。この紙、実は質感が少し違います。手触りと光の反射を見ればわかりますね。これは特注の便箋です。つまり、浅倉家で使われている他の書類とは別物」
美咲は戸惑いながらも九条の言葉を聞く。
「それが何を意味するんですか?」
「うーん、それはですね……あ、ちょっと待ってください」
九条は急に部屋をうろうろし始め、本棚の一角を指差した。
「ここ、本が少しズレていますね。このズレが重要です」
「え? 本のズレ? それ、ただ置き方が雑なだけでは……」
九条は美咲の言葉を無視して本を引き抜き、中から封筒を取り出した。それには「家族へ」とだけ書かれている。
「これは……父が残した別の手紙?」
「ええ、恐らくそうでしょう。しかし、この封筒に触れる前にコーヒーを飲みましょう」
「ええっ!? 今ですか?」
九条の言動に振り回されながらも、美咲は彼が封筒の中身を確認する様子を見守った。手紙にはこう記されていた。
「大切なものは目には見えない――それを見つけた者が、すべてを受け継ぐ」
美咲は目を見開いた。
「また、曖昧なことを……これ、どう解釈すればいいんですか?」
九条は満足そうに頷いた。
「簡単ですよ。これはお父様が意図的に残した『ゲーム』のようなもの。家族が協力して謎を解くことを望んでいたのかもしれませんね。ただ、協力するどころか争っているのが問題ですが」
「じゃあ、遺産の行方はまだわからないってことですか!?」
「まあ、そう焦らないでください。この部屋にはまだまだヒントが隠されていますから」
九条の探偵劇はまだ始まったばかり。彼の言葉が導く真実は、浅倉家を混乱から救うのか、それともさらなる波乱を巻き起こすのか――。
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