金髪碧眼のイケメン義父が平凡黒髪婿に甘えて救われて共依存濃厚初夜を迎える話

Nes(ネス)

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最後の壁と思わぬ真実

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次の日、案の定午前中は起きれずに居ると…。
「元々15時約束だから、大丈夫。」
そう涼二さんが話してくれた。

遅めのブランチを取り、スリーピースのスーツに身を包む。

気難しい人としか聞いてなかったけど…、大丈夫かな…。
道中の車の中で車窓を眺めながら考える。

涼二さんはその人を納得させるための資料に不備が無いか、何度も何度も確認していた。

段々と車窓から人家が少なくなって、木々が増えてくる。

そして突如として大きな屋敷が出てきた。
門は古びて、蔦が絡まりいかにも何か出てきそうだ。

車を降りるとおもむろに涼二さんが語り出す。
「ここにいる男は、自分の出世のために俺の両親の駆け落ちを手助けした。ただ、俺が無理やり連れてこられて自分の立場が危うくなると俺を散々にいじめた。当主の目のないところでな…。だが、ある時にバレてこんな辺境の地に島流しされたんだよ。それでも影響力は強くてな…。」
僅かに震えてる…。

ぎゅっ…。
「僕が居ますから。」
涼二さんの大きな手を両手で包み込む。

ふにゃっと笑う涼二さん。
「ああ、ありがとう」

門番に促されて、中に入るとうちの執事長にそっくりな人が出てきて、心底驚いた。

「うちの執事長と双子なんだよ…。」
クスクスと笑いながら、耳元で教えてくれる。

「よく笑うようになられたようで…。ご主人様がおまちです。」
淡々と紡がれる声に皮肉さが感じられる。

客室に通されると、鶏ガラのように細く真っ白な髪、威圧感たっぷりの目つきの男性が座っていた。

「お久しぶりです。」
「ああ。お前一人かと思っていたが…。まぁ、座れ…。」

涼二さんの緊張が僕にも伝わり、何も話していないのに喉がカラカラで…。

「おい、ハーブティーでも出してやれ…。」
「かしこまりました。」

執事が出ていくと、おもむろにその男性が前かがみになり…。
「笹田重三郎だ。結婚式の時も挨拶はしたが、最近痩せたからな。」

えっ…。
確かに結婚式の時に挨拶されたが、その時はもっとふっくらして貫禄のある方だったはず…。

「お前の一連の騒動で、食事も喉を通らんくなった。ちゃんと納得できる資料を持ってきているんだろうな…。」
「は、はい。」
涼二さんが言葉に詰まるなんて珍しい。

それから涼二さんは重三郎さんへ、自分の思いをぶつけるように説明をした。

なんだろう、この違和感…。
涼二さんが言ってた人物像となんか違う…。
確かに怖そうなんだけど…。

一通り説明が終わり、重三郎さんの次の一言を待っていると…。
「君は何か言いたげだね…。」
うっ…。
やっぱり目が怖い…。
でも…。

「あの、恐縮ながら…。違ってるかもなんですけど…。」
「なんだ?言ってみなさい…。」

ゴクッ…
「重三郎さん、本当は凄く優しいんじゃ…。涼二さんの両親の件もそうだし、涼二さんをいじめるのはダメだけど。辛い家から家出させるために、バレたら自分が追い出されるの覚悟でやってた、とか…。」
「はっ?まさか、そんなことあるわけ…?」

重三郎さんを見つめると、目をつぶり逡巡しているようだ。

「ご主人様、もうそろそろ嫌われる演技はお辞めになられてはいかがですか?」
そばに使える執事が、嬉しいような悲しいような顔で重三郎さんを見つめる。

「いや、わしはいつでも嫌われ者でいい。」
「いえ、わたくしはもう黙っては居られません。ご兄弟を、涼二様を毒親とも言える先代の当主様から何度も救おうとされていらっしゃいました。涼二さんの思惑も前々から知っておられてできるだけスムーズにいるように水面下で根回しもされていらっしゃいました。いつもいつも涼二様や玲美様達を心配されておりました!
この涼二様のなされたことも、涼二様がご苦労されてないか心配で心配で食事も喉を通らずにっ…!」
ボロボロと涙を流しながら、訴えられる執事にゆっくりとハンカチが差し出される。

「もう良い。客人の前だぞ。」
「し、失礼いたしました…。」

なんとも言えない顔の涼二さん。

「信じられないのも無理は無いわな。まぁ、今更態度を変えろとは言わん。ただな…、わしの不手際でかなめくんを危ない目に合わせてしまったことについては本当にすまなかった。」
深々と頭を下げる重三郎さん。
信じられないという顔で涼二さんが困惑している。

「頭、下げられるんですね…。」
涼二さんがポロッとこぼす。
「ご主人様、涼二様関連ではすでに何度も頭下げられてますよ。」
「え?」
「もうやめておけ…。」
「いえ、言わせて頂きます!
涼二様のご両親の駆け落ちを先代の当主様に許しを貰う時、
涼二様をご両親の元へ返すよう何度も何度も直談判した時、
涼二様の愛のない結婚を止める時…。いつも涙を流しながら枕を濡らして眠る涼二様に、何度も何度も頭を撫でながら謝られ…。」
「重三郎さん、本当に涼二さんのこと大切だったんですね。」
「そりゃ、大好きな姉…。『ねぇ様』の子供だしな…。」
何かを思い出すようにふわりと笑う重三郎さん。

「昔、母に『ねぇ様と私を呼ぶ人は、愛情表現がとっても下手なの。でもね、涼二の事はとても大好きだから分かってちょうだいね』って…。」
「ねぇ様らしい…。」


「まだまだわだかまりは解けないかもだけど、少しづつ和解していけばいいと思うよ。」
帰り道、困惑した顔で何か考える涼二さんの肩を撫でる。
 「俺って、本当に周り見れてなかったんだな…。自分が一番不幸って、思って…。」
しゅんと肩を落とす涼二さん。

「でも、まぁ、涼二さんも愛情表現に元々鈍感ってとこは重三郎さんに少しは似たのかもね…。」
「ふふっ、そうかもな。やっぱりかなめと来てよかった。」
「これで一段落だね。お疲れ様。」

ぎゅっ…♡
「疲れた…♡癒して…♡」
抱きつきながら首元をくんくんとかがれて…♡
「んっ…♡ちょっ、まだ車っ…♡運転手さんも、いるからっ…♡」

「ちょっとだけ…♡すー、はー…♡かなめの匂い、癒される…♡」
よしよしと頭を撫でながら、この幸せを噛み締める。
キラキラと夕日に照らされる涼二さんの金髪は宝石みたいで…。
僕には少しもったいない気もしてきて…。
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