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朝の支度
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コンコン...。
日が昇る数刻前、玄関の戸が鳴る。
「リアム様おはようございます。
国王陛下の従者でございます。」
「あ、はい...。」
戸を開けると、立派な馬車に高級そうな衣服を纏った人が立っていた。
「お荷物はこちらでよろしいでしょうか?」
「あ、はい。こんな小さなトランクなので自分で持っていけますよ?」
「重要なものなのですね。では、馬車にお乗り下さい。」
「へ...?」
微妙に噛み合わない会話を繰り広げ、急かされるままに馬車に乗る。
ガラガラ...
「凄い...。」
初めて乗る馬車にキョロキョロしてしまう。
「リアム様、今後移動は馬車のみとなります。国王陛下の指示がない限り勝手に歩かれませんように。」
「は、はい...。」
凄い高待遇...。後継者ってすごい待遇なんだな...。
ギギギ...
馬車用だろうか木製の門が開く。
馬車が止まり、ゆっくりと降りるとそこには...。
「こ、国王陛下っ...!」
僕はその場で座ろうとすると...。
「もう君は座らなくていいんだよ...。」
国王陛下もしゃがまれて、僕の手を引き立ち上がらせてくれる。
「お、お召し物がっ...。」
膝をついた時に白いローブが砂で汚れる。
少しでも落ちるようにと手で払う。
「リアムは優しいね。俺のことはマサミールって呼んでね。」
いつもよりもフランクな口調の国王陛下。
「マサミール、様...。」
綺麗なご尊顔が近くにあり、息を飲む。
「ふふっ。まぁ、今はそれでいいよ...。おいで...。」
マサミール様は僕の右手を取り、王宮を案内してくれた。
最後に訪れたのは一際大きな扉の部屋…。
華麗な装飾と重厚感がある。
「ここは私の自室だ。リアムには申し訳ないけど、後継者の教育のためにここで寝食を共にしてもらう。」
「え…。寝食…?」
マサミール様は僕の意を介さず、扉を開ける。
ギギギッ…
まず飛び込んできたのは、大きな窓。王宮の庭園が一望できる1枚ガラスに、繊細なレースのカーテンが付属されている。
そのほか天蓋付きのベッドや柔らかそうなソファー、繊細な彫刻の施された机など素人の僕から見ても高価な調度品が並んでいる。
(あぁ、このソファーで寝せてもらえるなんて最高…。)
「来てそうそう悪いんだけど、朝の礼拝で君をお披露目したいんだ。ローブに着替える前に一度身を清めて欲しくてね。」
今、僕が来ているものは一般人の着る麻や絹の混合繊維の衣類で…。
「分かりました」
僕は荷物を置くと、ローブを受け取る。
「あの、浴室はどちらでしょうか?」
「…。ああ、こっちだよ。」
一瞬間があったように感じるのだが、気のせいだろうか…?
「じゃあ、部屋で待ってるね。」
ローブを翻し、浴室のドアに手をかけるマサミール様。
僕はドアに背を向け、ボタンをはずそうとする。
「あっ、そのまま動かないでね…。」
後ろからふわっと抱きしめられ、左耳に囁かれる。
「マ、マサミール様っ…?」
「リアム、口を開けてご覧…。」
なんとも妖艶な声で吐息混じりに囁かれ、ビクッとしてしまう。
「っ…!は、はい…。」
僕が口を開けると、何かをつまんだ右手の指が口内に入ってくる。
「これ、ハーブから作った緊張しないための丸薬…。口の中に刷り込むタイプだから、ちょっと我慢してね…。」
グリッグリッ
丸薬が歯列の裏や、舌裏、上顎の奥に刷り込まれる。
ミント系のスーッとした感じが広がる。
「あっ、ひゃっ…。」
ぐちゅっ、ぐちゅっ
丸薬が溶けると、マサミール様の太い指で口内に塗りたくられる。
(僕が緊張しないようにって親切でやって頂いてるのに、背筋がゾワゾワして気持ちいい…♡)
「指、好き…?奥ちゅーって吸い付いてきて…。俺の指、リアムの唾液でどろどろっ…。」
「…っ!マ、マサミール様、す、すみませんっ!神聖なマサミール様のお手を、汚してしまい…。今、拭くものを…!」
「ふふっ、大丈夫だよ。じゃ、待ってるね。」
今度こそマサミール様はドアから出ていかれた。
(初日からやってしまった…。)
僕は次の失敗をしないためにも、素早く身を清めローブに袖を通す。
滑らかで肌触りがよく、揺らめく度にパールホワイトが光って綺麗。
ガチャ…
恐る恐るドアを開けると、その音で立ち上がっていたマサミール様と目が合う。
「さあ、見せてご覧…。」
おずおずと外に出る。
こんな高価な服に袖を通したのが初めてで、どうしても緊張してしまう。
「うんうん、似合うね。そろそろ朝の礼拝の時間だ。礼拝堂に向かうとしようか…。」
王宮と礼拝堂は繋がっていて、直通回廊がある。
「実はここから礼拝堂の全部が見渡せるんだよ。」
回廊の終わりは礼拝堂の天井近くにある踊り場で、続々と国民が入ってくるのが見える。
「凄いですね…。」
「そろそろ全員集まるかな…?この階段降りたら、皆の前だよ。大丈夫かな?」
深呼吸をすると、口内を爽快感が通り過ぎる。
「はい。」
日が昇る数刻前、玄関の戸が鳴る。
「リアム様おはようございます。
国王陛下の従者でございます。」
「あ、はい...。」
戸を開けると、立派な馬車に高級そうな衣服を纏った人が立っていた。
「お荷物はこちらでよろしいでしょうか?」
「あ、はい。こんな小さなトランクなので自分で持っていけますよ?」
「重要なものなのですね。では、馬車にお乗り下さい。」
「へ...?」
微妙に噛み合わない会話を繰り広げ、急かされるままに馬車に乗る。
ガラガラ...
「凄い...。」
初めて乗る馬車にキョロキョロしてしまう。
「リアム様、今後移動は馬車のみとなります。国王陛下の指示がない限り勝手に歩かれませんように。」
「は、はい...。」
凄い高待遇...。後継者ってすごい待遇なんだな...。
ギギギ...
馬車用だろうか木製の門が開く。
馬車が止まり、ゆっくりと降りるとそこには...。
「こ、国王陛下っ...!」
僕はその場で座ろうとすると...。
「もう君は座らなくていいんだよ...。」
国王陛下もしゃがまれて、僕の手を引き立ち上がらせてくれる。
「お、お召し物がっ...。」
膝をついた時に白いローブが砂で汚れる。
少しでも落ちるようにと手で払う。
「リアムは優しいね。俺のことはマサミールって呼んでね。」
いつもよりもフランクな口調の国王陛下。
「マサミール、様...。」
綺麗なご尊顔が近くにあり、息を飲む。
「ふふっ。まぁ、今はそれでいいよ...。おいで...。」
マサミール様は僕の右手を取り、王宮を案内してくれた。
最後に訪れたのは一際大きな扉の部屋…。
華麗な装飾と重厚感がある。
「ここは私の自室だ。リアムには申し訳ないけど、後継者の教育のためにここで寝食を共にしてもらう。」
「え…。寝食…?」
マサミール様は僕の意を介さず、扉を開ける。
ギギギッ…
まず飛び込んできたのは、大きな窓。王宮の庭園が一望できる1枚ガラスに、繊細なレースのカーテンが付属されている。
そのほか天蓋付きのベッドや柔らかそうなソファー、繊細な彫刻の施された机など素人の僕から見ても高価な調度品が並んでいる。
(あぁ、このソファーで寝せてもらえるなんて最高…。)
「来てそうそう悪いんだけど、朝の礼拝で君をお披露目したいんだ。ローブに着替える前に一度身を清めて欲しくてね。」
今、僕が来ているものは一般人の着る麻や絹の混合繊維の衣類で…。
「分かりました」
僕は荷物を置くと、ローブを受け取る。
「あの、浴室はどちらでしょうか?」
「…。ああ、こっちだよ。」
一瞬間があったように感じるのだが、気のせいだろうか…?
「じゃあ、部屋で待ってるね。」
ローブを翻し、浴室のドアに手をかけるマサミール様。
僕はドアに背を向け、ボタンをはずそうとする。
「あっ、そのまま動かないでね…。」
後ろからふわっと抱きしめられ、左耳に囁かれる。
「マ、マサミール様っ…?」
「リアム、口を開けてご覧…。」
なんとも妖艶な声で吐息混じりに囁かれ、ビクッとしてしまう。
「っ…!は、はい…。」
僕が口を開けると、何かをつまんだ右手の指が口内に入ってくる。
「これ、ハーブから作った緊張しないための丸薬…。口の中に刷り込むタイプだから、ちょっと我慢してね…。」
グリッグリッ
丸薬が歯列の裏や、舌裏、上顎の奥に刷り込まれる。
ミント系のスーッとした感じが広がる。
「あっ、ひゃっ…。」
ぐちゅっ、ぐちゅっ
丸薬が溶けると、マサミール様の太い指で口内に塗りたくられる。
(僕が緊張しないようにって親切でやって頂いてるのに、背筋がゾワゾワして気持ちいい…♡)
「指、好き…?奥ちゅーって吸い付いてきて…。俺の指、リアムの唾液でどろどろっ…。」
「…っ!マ、マサミール様、す、すみませんっ!神聖なマサミール様のお手を、汚してしまい…。今、拭くものを…!」
「ふふっ、大丈夫だよ。じゃ、待ってるね。」
今度こそマサミール様はドアから出ていかれた。
(初日からやってしまった…。)
僕は次の失敗をしないためにも、素早く身を清めローブに袖を通す。
滑らかで肌触りがよく、揺らめく度にパールホワイトが光って綺麗。
ガチャ…
恐る恐るドアを開けると、その音で立ち上がっていたマサミール様と目が合う。
「さあ、見せてご覧…。」
おずおずと外に出る。
こんな高価な服に袖を通したのが初めてで、どうしても緊張してしまう。
「うんうん、似合うね。そろそろ朝の礼拝の時間だ。礼拝堂に向かうとしようか…。」
王宮と礼拝堂は繋がっていて、直通回廊がある。
「実はここから礼拝堂の全部が見渡せるんだよ。」
回廊の終わりは礼拝堂の天井近くにある踊り場で、続々と国民が入ってくるのが見える。
「凄いですね…。」
「そろそろ全員集まるかな…?この階段降りたら、皆の前だよ。大丈夫かな?」
深呼吸をすると、口内を爽快感が通り過ぎる。
「はい。」
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