結婚報告に来た淫魔系嫁(♂)が濃厚フェロモンの義父にNTRそうになり、怒りで悪魔な折檻される話

Nes(ネス)

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《2章》成川家、黒須家それぞれへの挨拶

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今日は、母さんと静が初対面…。

「説明するのには、紹介したい人がいる。」
俺はそう説明して、忙しい母の時間を割いてもらう。

「家の前に着いたよ。」
静からのメールが届く。
俺は静を迎えに、1度家を出る。
胸元には静がくれた指輪が光っている。
静が「卒業するまではこの方が身につけやすいだろ?」とネックレスにしてくれたのだ。

俺の家は、安いアパートの2階に住んでいる。
こじんまりとはしているが、2人で住むにはちょうどいい広さだ。

バタバタと外階段を降りて、門の前に立つスーツに身を包んだ人へ駆け寄る。

ダークネイビーの三つ揃えに濃いワインレッドのネクタイ、アイボリーのハンカチーフ。
手土産だろうか、某高級菓子店の袋を携えている。
ここだけ、なんか別世界かのようだ。

「静…?髪、切ったの?」
愛しの人の綺麗な長髪は、清潔感のある短髪になっていた。
それでも大人の色気は変わらないけど…。
「やっぱり、短い方が清潔感のあると思ってさ…。」
「俺、長い髪好きだったのに…。また伸ばしてね…?」
「もちろんだよ。」
優しく俺の頭を撫でるも、緊張しているのかぎこちない。

「母さん待ってるから、早く行こうか。」
なんか俺も緊張してきた。

母さんは、いきなりスーツの長身の男が訪ねてきて面食らっていて…。
「何をしたかは分かりませんが、この子を変なことに巻き込まないでください!」
と場違いな啖呵たんかを切っていた。
「あの…、いえ、その…。」
いつも飄々としている静が狼狽うろたえているのが面白くて、クスクスとしばらく笑いを堪えるのに必死だった。

余りにも母さんの語気が強くなったので、さすがに俺も口を挟む。
「母さん、誤解だよ。この人、俺の『恋人』。男でごめん。」
母さんはしばらく絶句していて、
何とも気まずい空気が流れる。

「あの、まだ今カミングアウトされてびっくりされていることとは思います。まだ未成年の獅子雄くんに対して大人がという、お考えもお持ちかも知れません。
でも、俺は諦めません。お義母様のご納得頂けるようなお話は出来ないかもしれませんが、何度でもこの本気を伝えることは出来ます。」

静…。いつもはこんなかしこまった言葉を使わなくて、めんどくさがり屋さんなのに…。
こんなに必死になって、伝えてくれて…。

「獅子雄…。少し考える時間をくれる?まだ上手く整理できないの…。」
「う、うん。勿論。」
「静さんと言ったかしら?まずは先程、勘違いしてつい強い口調で話してしまったこと、謝らせてね。
ごめんなさい。」
「あ、いえ、それは…。俺も上手く切り出せずにすみません。」

「あっ、俺お茶でも入れてくる!」
何となく和やかな雰囲気になりそうだったので、俺はガラス戸越しの台所へ向かう。

2人きりにして、少し仲良くなれたらいいなって魂胆もある。

「ええっ!!」
急に母さんの驚く声が響いて、びっくりしてガラス戸を開ける。
ガラッ!
「どうしたの?」
「どうしたも、こうしたも…。」
口をパクパクさせている母さん。

「まずこれ飲んで落ち着いてよ(笑)」
静と母さんに緑茶を出して、俺も自分のマグカップに注いだ緑茶を1口飲む。

「だって、これ?驚かないわけないじゃない…。」
母さんは名刺を俺に見せる。

「うん?静の名刺?」
そこには大きく『黒須 静』と書かれている。

「あんた、この肩書き知ってたのよね?なんで言ってくれなかったのよ…。」
母さんが頭を抱える。

肩書き?
『黒須グループ 黒須ケミカル株式会社 取締役兼黒須研究所 所長』

「取締役?研究所 所長?何、有名な会社なの?」
「はぁ…。本当にこの子は…。
黒須グループなんて大企業でしょうが…。それもその中の1番有名な製薬会社、黒須ケミカルの取締役なのよ!こんなアパートで、緑茶なんて…。」
「え?そうなの?そもそも俺、静が取締役?とか研究所に居ること知らなかった…。」
「はぁ…。もうなんか、すいません。」
何故か、母さんは静に謝ってる。

「いえ、そう言う所も獅子雄くんのいい所ですから。」

呆れる母さんに、にこやかに笑う静。
なんかいいなぁって、俺はこの穏やかな時間を楽しんでいた。


静が家に来てから1週間後、母さんにまた静を連れてきて欲しいと言われた。

「色々考えて、まだ整理がつかない所もあります。静さんは獅子雄とのこと、今後どう考えてらっしゃいますか?」
「はい。もしお許しいただけるなら、高校卒業後は一緒に住みたいと考えております。
またいずれは『結婚』を、と思っております。」
「『結婚』?」
「はい。今の法制上では養子縁組という形にはなりますが、獅子雄くんと生涯一緒に居たいと思っております。」
「そこまでお考えなんですね。獅子雄、あなたにも聞きたいことがあるわ。」
「何?」
「今、幸せ?この先人生長いのよ。この人とずっと一緒にいれる?」
「うん、幸せだよ。いれる!離れられない…。」
まぁ、淫魔の件は言えないけど…。

「そう…。獅子雄が幸せなら、母さんはそれでいいわ。寂しくなるけど、高校卒業したらお世話になりなさい。」
「母さん…。ありがとう。」
「静さんの親御さんには、この事は話されたの?」
「ううん、これから…。」
「そう。頑張るのよ。」

俺と静は、母さんに許しを貰えて嬉しくて…。
静は何度も何度も「ありがとうごさいます」って、母さんに言ってて…。

帰り際、アパートの門まで送っていくと静がぎゅっと抱き締めてきた。
「ちょっ…。外だよっ…。」
「悪い…。嬉しくてさ…。」
「それはわかるけど…。でも、静の両親にも早く会いたい。」
「それはなぁ…。」
「母さんも言ってたでしょ?今のうちに話進めないと、母さんの気が変わったら大変だよ?」
「それは困る…。また連絡する。」
名残惜しいが、最後に強くぎゅっとして身体を離した。

それから1ヶ月…。
ようやく静のご両親との対面にこぎつけた。
「両親とも多忙で、2人とも合わせるのが大変でさ。遅くなって悪いな…。」
静は実家に向かうタクシーの中で俺に謝る。

「ううん、大丈夫だよ。ってか、スーツ変じゃない?」
俺は、大学の入学式用に買ったスーツに身を包んでいる。

「大丈夫。ただ…。」
「ただ?」
「ワイシャツとネクタイって、なんかエロい…♡」
運転手に聞こえないような小さな声で、俺の右耳で囁く。
「ちょっ…。今から挨拶に行くんだから…。ダメっ…。」
やんわりと静を押しのける。
「獅子雄に嫌われたくないから『今は』しないけど…。今度しようね♡」
子供みたいに笑う静。
ちょっと期待して、煩悩に塗れそうな頭を横に振って考えを追い出す。

「あ、着いた…。」
少し憂鬱そうな声で料金を払って降りる静。
俺は緊張しながら、静の家を見た。

「へ…?これ?静の家…?」
「あー、うん。俺の実家…。」

そこには映画とかでしか見たことの無い立派な御屋敷があった。
門から玄関が見えないくらい庭が広くて、玄関の門には監視カメラが数台ついていた。

「あーっと、『帰ってきたから門開けて』。」
静が話すと、どこかで聞いていたかのようにギギッと門が開く。

「ヤバっ!ってか、静ってお金持ちだったんだ!」
門から玄関までの道のりをキョロキョロとしながら歩く。
「こら、ちゃんと前見ずに歩くと転ぶぞ(笑)」
そう言って手を繋いでくれる。
「あっ、うん…。」
俺は屋敷の大きさとこれから静の両親に会うことを段々と実感して、緊張してくる。

静は玄関につくとグイッと扉を開く。
「あー!静ちゃんだぁ!お帰りぃー!」
巻角に特徴のある尻尾、そして大きな黒い羽根で浮遊しているその人は静をぎゅっと抱き締めた。

「なっ…!?」
「ちょっ、やめろよ…。ったく、相変わらずめんどくさい…。」
静は無理やりその人を離そうとしている。
髪は漆黒で目はくりくりと大きく、ピンクのふわふわの服を着たその人はそれでも静にまとわりつく。
「静…?えっと、その人?淫魔さん?誰…?」
混乱してテンパる俺に静は衝撃の一言を放つ。

「あー、これ?『俺の母さん』。獅子雄と一緒で淫魔だけど、性別的にはオス。」
「やだぁ…。静ちゃん、説明雑すぎ!」
「え?えええええ!?」
「静のママの黒須みことです!よろしくねぇ。」

待って、待って…。
えっと、えっと…?

「こら、尊も静も獅子雄くんを困らせたらダメだよ。」
優しそうな顔で、たしなめてくる中年の男性。
中年と言っても、大人の色気が醸し出ていて…。

場の雰囲気がガラリと変わる。
「あっと、えっと…?」
「はじめまして。僕は静の父親の黒須誠治せいじと言います。立ち話もなんですのでどうぞ」
「あっ!はい。」
奥の客間へ通される。

「先程は大変失礼しました。成川獅子雄と申します。」
「いえいえ。静から話は聞いてます。同居も結婚も、静が幸せであれば僕達は反対しませんので。
体質の件に関しても、理解はありますのでご安心を。
また私たちのことは名前で呼んで頂きたいです。」
ニコッと静の父親・誠治さんは笑う。
「あ、ありがとうごさいます。」
「まぁ、前に言ったけど獅子雄が高校卒業したら同居する。」
「うんうん!静ちゃん、大人になったねぇ…。結婚はいつ?」
「あー、一応獅子雄が大学卒業したらっては思ってるけど…。」
「早く孫見たいなぁ…。」

孫?
「静。ちゃんとそれまでは自重するんだぞ…。」
「えっと…?静、どういう事?」
「ん?結婚してから、子供作ろうねって話。」
そんなあけすけなのかとか、両親の前でタメ口使ってしまったとか色々ぐるぐるしてた…。
だけどまだ混乱して頭を抱える。

「まさか静、『妊娠できること』伝えてなかったのか?」
「え…?あれー…?言ってなかったっけ?」
「お前と言うやつは…。説明下手以前に問題ありだな…。」


妊娠できること?え?は?
緊張と混乱でクラクラして、立ち上がるとフラッと立ちくらみがして…。




「…ん?」
ふわふわとしたベットで目を覚ます。
「大丈夫かな?」
静よりも少しハスキーな声が聞こえる。
「ん…?静?」
「ふふっ…。可愛らしいねぇ…。」
甘ったるい匂いがふんわりと香ってくる。
「甘い匂い…?」
寝ぼけてゆっくり起き上がると、そこには誠治さんが居て…。
うっとりと俺をうっとりと見つめている。

「混乱させて、悪いね…。静は尊に捕まってるから、僕が説明するよ…。」
ぼんやりする頭が段々とはっきりしてきた。
「こちらこそ、すみません。」
「静も事前に母親が淫魔であることや、妊娠の件伝えておかないなんで…。不出来な息子ですまないね…。」
そう言って優しく俺の左手を握る。

「あ、いえ…。」
静の父親ということもあり、無碍むげに振り払えない。
「ちょっとお腹を触ってもいいかな…?」
「えっと…?」
「人間の男性の淫魔が妊娠するには、仮子宮を作らないと出来ないんだ。まだ出来ていないとは思うけど念のために…ね?」
少し甘い匂いが濃くなると、掛け布団の隙間から誠治さんの左手が入り込む。そして服の下に手を入れるとじかにお腹をさすってくる。

「あの、ちょっと…」
俺は逃げようとするも、誠治さんの右手が俺の左手を離してくれない。

「柔らかい気持ちよさそうなお腹…。」
「ん、ぁ…♡」
淫魔のさががゾクゾクとしてしまう。

「うん、まだ出来てないみたいだね…。」
「は、い…♡」


ガチャッ
「獅子雄、大丈夫か?」
静が扉を開ける。

誠治さんの両手はもう離されていて、なんとも言えない罪悪感が残された。
「うん…。大丈夫。」
「まぁ、まだまだ説明が足りなかったり分からないことがあれば、尊や僕に聞くといい。静よりはマシな説明出来ると思うからね。」
ヒラヒラと手を振りながらふんわりとした笑顔を向けて、誠治さんは部屋を出ていった。
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