やり直しの異世界転移

紅葉

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記憶を無くした青年

7話 出発

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「……ん、、」

ゆっくりと重い瞼を開ける。
なんだか体が重い、手を動かすのもだるいくらいだった。

「おっ、目が覚めたか?」

恐らく武具や防具の点検をしていたのだろう、グレイが手を止めてこちらに話しかけてきた。

「身体の調子はどうだ?、一応…、治療はしてみたが何か問題はありそうか?」

グレイは何かを思い出したかのように顔を赤く染め視線を逸らす。

「体が重い…。」

「計5日間寝てたからな、4日目には熱は下がってたんだが目が覚めなかったんだ。」

いくらグレンが急いでないと言っていても5日間も無駄足を食わせてしまった。

「そうか、……悪かった。看病してくれてありがとな。」

「あぁ、それくらいどうってことないさ。それより今日はまだ安静にしておくか?今は朝の8時過ぎぐらいだと思うが、まだ起きたばっかだしな。」

「いや、今は体は重いけどそれだけなんだ午後には動けると思う。」

既に5日も無駄足くらわせてるんだからこれ以上遅らせるわけにはいかない。
それに恐らく体調は今までにないくらい良い。身体の節々がだるいのは長く寝ていたからだろう。

「そうか、まぁ…とりあえず様子を見て行けそうなら午後からまた出発しよう。」

「わかった。」










あのあと身体の調子も随分と良くなり、午後からは宣言通り歩き出せた。
倒れてしまった日にグレンはもうすぐ森を出られると言っていたので恐らく今日中に森を抜けられるのだろう。ようやくこの歩きにくい生い茂った木々から解放されると思うと清々しい。

しばらく黙々と歩き続けているとグレイが声をかけてきた。

「レイ、今も名前以外は分からないか?」

「……あ、いや…倒れてる時にある情景が見えたんだ。」

俺は夢で見たことを全てグレイに話した。
グレイは静かに話を聞いてくれていたが、全ての話を聞き終わると難しい表情をした。

「レイ…今回お前が倒れた理由がわかるか?」

「…?、普通に体調を崩しただけじゃないのか?」

「できれば怒らず聞いてほしいんだが、恐らくお前が倒れたのは魔力暴走の所為だ。」

「魔力暴走?」

「魔力暴走ってのは魔力が多いやつに起きるもので、基本的にはSランクの魔力を持つやつに起きる。体内の魔力が急激に増えたことによって魔力循環が暴走して身体に熱がたまるんだ。普通の魔力暴走なら、単に手を取って魔力A以上の魔力が安定してる奴が体内の魔力循環を手伝ってやれば良いんだが…。お前、この世界の魔力の最高ランクはなんだと思う?」

「…??、S以上があるのか?」

グレイは首を振ってこちらを見つめてくる。

「普通はない一般的な魔力の最高ランクはSだ。…だが、この一般に当てはまらない存在がこの世界には2人いる。」

なんでこっちを見つめてくるんだろうか…
ゆっくりとグレイが口を開く。

「魔王と勇者、恐らくお前は後者だろう。」

(へぇ…、この世界は魔王と勇者がいるのか。)って、

「えぇっ!?……お、おお俺が勇者?!」

「恐らくだが…、お前気づいてないのか?魔力量が倒れる前と後で段違いだぞ。今の魔力量ならSS…いや、SSSくらいはいってるだろう。」

(そ、そんなにいってるのか…。確かに何か感じる気がする…。まてよ、それなら確かにあの夢で見た情景にも説明がつくかもしれない。あれは本当に俺で、魔王討伐にでも行ってたんじゃないだろうか??)

しばらく考え込んでいるとグレイが申し訳なさそうに口籠もりながら話し出した。

「それでなんだが…、勇者の魔力暴走には一般的な治療じゃ意味がなくてだな…。その…、」

グレイの口から俺に施した治療というやつについて聞いた。

「その…、お前に意識がないのに勝手にして悪かった。…意識はなかったけど、多分痛くはなかったと思うぞ。可愛く体を捻りながらあえ…」

「うわぁぁっ!!わかった!わかったから。気にしてないから大丈夫だ!治療のためなんだろ!?」

少し照れ臭そうに話出すグレイを見ていたら居た堪れなくなった。何処もかしこも熱くなってる気がする。

(恥ずかしすぎる…死にたい。)

「そっ…そうか!よかった!意識がない時にしてしまったから気になってたんだ。……次はちゃんと許可を得てからするから安心してくれ。」

「…ん?なんて?」

「よしっ!じゃあ気を取り直して出発しよう。今日中に森を抜けて近くの村に行くぞ!!」

最後がうまく聞き取れなかったが嫌な予感がするのは気のせいだろうか…。


***

すみません(..)

「よしっ!じゃあ気を取り直して出発しよう。今日中に森を抜けて近くの街に行くぞ!!」

作中で、街→村に変更しました。

どう考えたって街ではないです。
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