4 / 4
一章
3話 久しぶりの街
しおりを挟む
屋敷の外に出た3人はアルの魔法によって街に転移する。いつも転移場所は町の誰も通らない裏路地だった。
ノアは主人のお手を煩わせるのが嫌で馬車を出しますと毎度のように言うが、アルフレッドは時間がかかるし車酔いするからと自分の意見をいつも通している。
ノアとギルの2人はお互い1属性だけ魔法を使うことが出来る。ノアが水系で、ギルが炎系の属性を持っていた。2人に魔法の使い方を教えたのはアルフレッド自身で、2人が自分の系統の上級魔法まで使えるようになった時には、吸血鬼なので体温は変わらないが、屋敷の中の温度を半年区分で一定に保っていた。
ーー魔法が衰退し、忘れ去られたこの世界では魔法が使えないのではなく、皆魔法の素質を持っているが、使い方を知らないのだ。アルフレッドのように全属性を持ち、その全ての属性魔法と、混合魔法をマスターしている吸血鬼は、人間はもちろん、魔人の中にもいない。アルフレッドと同じく、今では伝説上の魔物が生きていた時代から存在し続けているアルフレッド他3人の吸血鬼も全属性の適性はなく、2系統が最高だった。そのため、アルフレッドは同程度の他3人の吸血鬼を近接戦闘を除き、1人で牽制できるほどの力があった。
因みに生きた年数がそのまま能力に反映される魔人は、現在魔人の誕生の時から存在している4大魔人と呼ばれるアルフレッドを含めた計4人が最古の魔人である。しかし、この4人全員魔人の始祖ではなく、他の魔人に噛まれたことでヴァンパイア化し、のちに吸血鬼となった。始祖の存在は有耶無耶となり、今となっては生死も分からなくなっている。
ーー人通りのない裏路地を抜け、3人は大通りに出る。あちらこちらで野菜や果物、肉や、雑貨などが売られており、人々の交わす話し声で賑わっていた。
「おぉ~、昼前から賑わっているね。」
「本日はいつもより人が多いですね。昼食はお屋敷で食事をお取りになられますか?」
「いや、ギルのオススメのお店に行くと約束したんだ。ノアも行くよね?」
アルフレッドの後ろでギルがノアに満面の笑みを見せびらかす。
「本来であればものすごく…、グッ……行きたい…所なのですが…昼ごろには所用がありまして、ギルとお食べになってください。」
(クソッ…なんだあのアホ面は…ギルだけ残すなんて不安すぎる…。こんな時に限ってなんで俺はアルフレッド様の衣服の受け取りを昼にするんだ…クソッ…、)
「そっか、、いつもありがとうね。持ち帰りができるようならノアの分も買っておくから。」
「ありがとうございます、アルフレッド様。」
それから昼までは3人で行動し、本屋と雑貨屋を見て回る。その間ギルはちょくちょく離れては串肉などの屋台の食べ物を大量に買い漁り、パクパクと食べていた。
昔のギルは、その食事前の間食のせいでご飯が食べられないことが多々あったが、今ではいくら食べてもちゃんとご飯も食べることができるようになっていた。まぁ、栄養になるわけではないから太る心配もないし、そもそも太ることなんてないが、、まぁ、本人が構わないならそれで良いと今では好きにさせている。
昼時になり、ノアは所用に赴いた。
「アル様~、すぐそこなんで行きましょう。その店テラス席もあるんで気にいると思うっすよ。」
「へぇ~!それは嬉しいな、楽しみだね。」
ギルの言う通り、数分でついたお店は一目で人気なのだと分かるくらい賑わっていた。サラダやパンのお持ち帰りはできるようなので気に入ったものをノアにも買っていこうと思う。
「ギル、ノアにお土産を買いたいから列に並ぼう。」
「アル様、この店は席につきながら持ち帰りの注文もできますから、ひとまずは後にして早く入りましょ。予約してあるしすぐに入れますよ。」
店員に案内してもらったテラス席は他の席との間隔も広いし、居心地のいい店だった。ギルはいつも通り、ステーキを頼み、アルフレッドは簡単なサンドイッチを頼んだ。
食事を終え、そろそろ店を後にしようとしていた時、アルフレッドの目線の先にある店の中から、女性の叫び声が上がる。
「イヤァァッ!!…離して!!」
周りにいた人も声に反応して何が起きているのか心配し、中を覗く。すると、体格の良い男たちが、中から若い女性の髪を掴み、引き摺りながら出てきた。
「お母さんッ!…イヤァァ!!助けて!!」
「あぁ…、娘を返してください!!」
2人のの顔には既に殴られた後だとわかるような血痕や腫れが見られた。男たちは下卑た顔でニヤニヤと笑いながら周りを見渡す。
「おいおい~、俺たちは見世もんじゃねぇんだよぉ!」
「文句あんなら名乗り出ろや!!無理だろうけどなぁ!」
「ほら!こっちこい、…手こずらせやがって、親が受けた恩は子が返すもんだろうが!!」
3人の男たちは首からタグを下げておりおそらくハンターなのだと分かった。ギルもとっくに異変に気づき、アルフレッドの目の前でかなりイラついてる様子が見て取れる。かく言うアルフレッドも、かなり怒っている。
「アルフレッド様、早く出ましょう、ここはうるさいですから。」
静かに微笑むギルが怖い。ギルが自分をアルフレッドと呼ぶときは大体怒っているときだ。それだけで、ギルがイライラしてるのがよく分かった。
「そうだね、とりあえず店から出ようか。」
そう言ってギルがお会計をして店を出るとアルフレッドの姿が見えなかった。
「んなっ!?…アル様!!?」
ノアは主人のお手を煩わせるのが嫌で馬車を出しますと毎度のように言うが、アルフレッドは時間がかかるし車酔いするからと自分の意見をいつも通している。
ノアとギルの2人はお互い1属性だけ魔法を使うことが出来る。ノアが水系で、ギルが炎系の属性を持っていた。2人に魔法の使い方を教えたのはアルフレッド自身で、2人が自分の系統の上級魔法まで使えるようになった時には、吸血鬼なので体温は変わらないが、屋敷の中の温度を半年区分で一定に保っていた。
ーー魔法が衰退し、忘れ去られたこの世界では魔法が使えないのではなく、皆魔法の素質を持っているが、使い方を知らないのだ。アルフレッドのように全属性を持ち、その全ての属性魔法と、混合魔法をマスターしている吸血鬼は、人間はもちろん、魔人の中にもいない。アルフレッドと同じく、今では伝説上の魔物が生きていた時代から存在し続けているアルフレッド他3人の吸血鬼も全属性の適性はなく、2系統が最高だった。そのため、アルフレッドは同程度の他3人の吸血鬼を近接戦闘を除き、1人で牽制できるほどの力があった。
因みに生きた年数がそのまま能力に反映される魔人は、現在魔人の誕生の時から存在している4大魔人と呼ばれるアルフレッドを含めた計4人が最古の魔人である。しかし、この4人全員魔人の始祖ではなく、他の魔人に噛まれたことでヴァンパイア化し、のちに吸血鬼となった。始祖の存在は有耶無耶となり、今となっては生死も分からなくなっている。
ーー人通りのない裏路地を抜け、3人は大通りに出る。あちらこちらで野菜や果物、肉や、雑貨などが売られており、人々の交わす話し声で賑わっていた。
「おぉ~、昼前から賑わっているね。」
「本日はいつもより人が多いですね。昼食はお屋敷で食事をお取りになられますか?」
「いや、ギルのオススメのお店に行くと約束したんだ。ノアも行くよね?」
アルフレッドの後ろでギルがノアに満面の笑みを見せびらかす。
「本来であればものすごく…、グッ……行きたい…所なのですが…昼ごろには所用がありまして、ギルとお食べになってください。」
(クソッ…なんだあのアホ面は…ギルだけ残すなんて不安すぎる…。こんな時に限ってなんで俺はアルフレッド様の衣服の受け取りを昼にするんだ…クソッ…、)
「そっか、、いつもありがとうね。持ち帰りができるようならノアの分も買っておくから。」
「ありがとうございます、アルフレッド様。」
それから昼までは3人で行動し、本屋と雑貨屋を見て回る。その間ギルはちょくちょく離れては串肉などの屋台の食べ物を大量に買い漁り、パクパクと食べていた。
昔のギルは、その食事前の間食のせいでご飯が食べられないことが多々あったが、今ではいくら食べてもちゃんとご飯も食べることができるようになっていた。まぁ、栄養になるわけではないから太る心配もないし、そもそも太ることなんてないが、、まぁ、本人が構わないならそれで良いと今では好きにさせている。
昼時になり、ノアは所用に赴いた。
「アル様~、すぐそこなんで行きましょう。その店テラス席もあるんで気にいると思うっすよ。」
「へぇ~!それは嬉しいな、楽しみだね。」
ギルの言う通り、数分でついたお店は一目で人気なのだと分かるくらい賑わっていた。サラダやパンのお持ち帰りはできるようなので気に入ったものをノアにも買っていこうと思う。
「ギル、ノアにお土産を買いたいから列に並ぼう。」
「アル様、この店は席につきながら持ち帰りの注文もできますから、ひとまずは後にして早く入りましょ。予約してあるしすぐに入れますよ。」
店員に案内してもらったテラス席は他の席との間隔も広いし、居心地のいい店だった。ギルはいつも通り、ステーキを頼み、アルフレッドは簡単なサンドイッチを頼んだ。
食事を終え、そろそろ店を後にしようとしていた時、アルフレッドの目線の先にある店の中から、女性の叫び声が上がる。
「イヤァァッ!!…離して!!」
周りにいた人も声に反応して何が起きているのか心配し、中を覗く。すると、体格の良い男たちが、中から若い女性の髪を掴み、引き摺りながら出てきた。
「お母さんッ!…イヤァァ!!助けて!!」
「あぁ…、娘を返してください!!」
2人のの顔には既に殴られた後だとわかるような血痕や腫れが見られた。男たちは下卑た顔でニヤニヤと笑いながら周りを見渡す。
「おいおい~、俺たちは見世もんじゃねぇんだよぉ!」
「文句あんなら名乗り出ろや!!無理だろうけどなぁ!」
「ほら!こっちこい、…手こずらせやがって、親が受けた恩は子が返すもんだろうが!!」
3人の男たちは首からタグを下げておりおそらくハンターなのだと分かった。ギルもとっくに異変に気づき、アルフレッドの目の前でかなりイラついてる様子が見て取れる。かく言うアルフレッドも、かなり怒っている。
「アルフレッド様、早く出ましょう、ここはうるさいですから。」
静かに微笑むギルが怖い。ギルが自分をアルフレッドと呼ぶときは大体怒っているときだ。それだけで、ギルがイライラしてるのがよく分かった。
「そうだね、とりあえず店から出ようか。」
そう言ってギルがお会計をして店を出るとアルフレッドの姿が見えなかった。
「んなっ!?…アル様!!?」
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
囚われた元王は逃げ出せない
スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた
そうあの日までは
忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに
なんで俺にこんな事を
「国王でないならもう俺のものだ」
「僕をあなたの側にずっといさせて」
「君のいない人生は生きられない」
「私の国の王妃にならないか」
いやいや、みんな何いってんの?
超絶悪役当て馬転生、強制力に抗う方法は×××
笹餅
BL
乙女ゲームのクズ悪役ストーカーに転生した少年。
17歳のゲーム開始前日から、物語は大きく変わった。
ゲーム通りに進めば、ゾンビになってしまうからゲームの激つよ強制力から必死に逃げるしかない。
ゾンビ回避の近道は攻略キャラクター達と仲良くする事。
勝手に友情ストーリーを目指していたら、別の好感度が上がっている事に気付かなかった。
気付いた頃には裏ルートが始まっていた。
10人の攻略キャラクター×強制力に抗う悪役令息
転生悪役兄と秘密の箱庭でxxx生活
かなめのめ
BL
箱庭世界の乙女ゲームに転生した大学生。
ヒロインに意地悪する悪役少女の兄となり、関わりたくないと思っていた。
好奇心で森の中に入るとそこに広がるのはあのゲームで出てきた城だった。
城に住む5人の魔族や聖人達と奇妙な生活を始める事に…
外には人喰いの化け物がうろつく危険な森の中で、逃げ道がなくなった。
悪役兄ポジだったのに、何故か攻略キャラクター達に身も心も愛される事に…
5人の魔族、聖人×悪役人間兄
その愛は無限に箱庭の中に溢れている。
平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています
七瀬
BL
あらすじ
春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。
政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。
****
初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
BLゲームの悪役に転生した僕、悪役なのに愛されてます、?
表示されませんでした
BL
ストーリーの途中で内容が変わったのでおかしなところが多々あるかもしれません。その時は優しくご指摘してくださると幸いです。
題名変えました。
ヤリチン伯爵令息は年下わんこに囚われ首輪をつけられる
桃瀬さら
BL
「僕のモノになってください」
首輪を持った少年はレオンに首輪をつけた。
レオンは人に誇れるような人生を送ってはこなかった。だからといって、誰かに狙われるようないわれもない。
ストーカーに悩まされていたレある日、ローブを着た不審な人物に出会う。
逃げるローブの人物を追いかけていると、レオンは気絶させられ誘拐されてしまう。
マルセルと名乗った少年はレオンを閉じ込め、痛めつけるでもなくただ日々を過ごすだけ。
そんな毎日にいつしかレオンは安らぎを覚え、純粋なマルセルに毒されていく。
近づいては離れる猫のようなマルセル×囚われるレオン
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる