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第3話 それぞれの移民先
しおりを挟むエクセ
たぶんこんな「革命ごっこ」はボクらの島だけのことではなく、むしろ海に沈んでいった無数の島国で行われた、ありふれた「約束」だったんだろう。「約束」は時間の流れとともに結束力を失い、そして忘れられる。時間はすべてのものを腐らせて破壊する。
けれど僕らの「約束」だけは違う運命をたどることになった、それは殉教者島の特殊な家族制度もある、けれどそれよりも、レム、という1人の天才の存在が、別の運命へ僕らを導いていくことになった。
歴史ってのは理不尽だ、そういう1人の天才、100万人に1人の天才たちによって、彼らの生み出した兵器によって、歴史は作られる、他の99万9999人はただそれに流され、翻弄されるだけの無力な存在でしかない。ある哲学者は言った、人は生まれた時に、ある状況に投げ出される、自分の責任ではない文脈に突然放り入れられる、それで自分の選択に、自分の人生に責任を取れというのか?あまりにもそれでは理不尽ではないか?選択肢は、始めから決まっていのたではないか?
なんでこんな普通な人々がこんな偉大な戦いを遂行出来たのか?なんでこんな残虐非道なふるまいをするようになったのか?と歴史家は問う。
答えは簡単だ、一握りの天才によって操作され、何も考えずにいつのまにかそういう行為をしていたのだ、ほとんどの人間には考える能力も行動する能力もない、ただ従うだけの存在だ。
技術の進歩がそういった一握りの天才たち、の支配力、影響力をさらに何倍にも増幅させた、1000万人、1億人、10億人、そうした膨大な数の人間が、天才たちの指先一つで簡単に操作可能になった。やがてすべての人間が一人の天才の指先でコントロール出来るようになるだろう・・・
島に残っていた子供は12人
電脳学校で優秀な成績を納めていたレムとレーゼは特待生として留学が決まっていた。
レムはエクスの学校へ、レーゼはコミュニティアの学校へ、エレノアは幼児だったのでレーゼと一緒にコミュニティアへ行くことになった。
その他の子どもたちは国際難民救済法に従って世界の各地にバラバラに移民することになった・・・。
ボクとアルカはインペリアの軍事学校へ入学することが出来た。これは移民としては非常に運が良いほうで、エクス、インペリア、ローラン、以外へ移民に引き取られた人々の末路はほとんどが悲惨なものだった。
移民先
エクス レム(特待留学生) ソアラ、エス
コミュニティア レーゼ(特待留学生)、エレノア
インペリア エクセ、アルカ
ヴェインランド カナビス、シャンブルズ、デヴォラ
ローラン イズナ、バルトロメオ
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