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フェルディナントと王都の甘み所に一緒に行くことになりました
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ついにフェルディナントとの約束の日が来た。
私はあまり会いたいとも思わなかったのだが、サーヤはとてもやる気になっていて、朝から目一杯飾り付けられてしまった。お化粧も念入りに施され、ドレスは私の顔が映えるピンク色のドレスだった。そして、着飾らせられた私は、応接でフエルディナントを待つことにした。
そんな私の腕の中にはころちゃんが座ってくれていた。
「ころちゃん。いざという時は頼んだわよ」
どういう時がいざという時かは良く判らなかったが、私はころちゃんに頼んだのだ。
「わん」
ころちゃんは威勢良く吠えてくれた。
私はそのころちゃんの様子にほっとした。気まずくなればころちゃんが何かしてくれるだろう。
私は安心してフェルディナントを待ったのだ。
そして、今日こそはちゃんとフェルディナントにアレイダとの間のことをきちんと聞こうと思っていた。もっともフェルディナントがアレイダのことをなんとも思っていなくて、逆に私のことを好きだと言い出したらどうしたら良いか考えてはいなかった。
まあ、でも、私には白い騎士様がいるのだ。
それに、フエルディナントのこの前の感じではそれはないと私は思っていた。
約束時間通りにフェルディナントは来てくれた。
それも赤いバラの花束を持って来てくれたのだ。
「カーラ様。この花束をどうぞ」
そう言ってフェルディナントはバラの花束を渡してくれたのだ。
本数を数えたら12本あったんだけど……
ええええ! 12本の赤いバラって……
結婚してほしいとか付き合ってほしいという意味じゃなかったかしら。
私は驚いてフェルディナントを見た。
でも、フェルディナントからは必死さも私を見つめてくるでもなく、平然としていた。
たまたま、持ってきたバラの花が12本だったみたいだ。
私はそう思おうとした。
「ありがとうございます。フェルディナント様」
私は平静を装って、フェルディナントにお礼を言った。
「喜んで頂けて嬉しいです。12本の赤いバラを揃えるのに、花屋さんを3軒ほど回りましたから」
さらりとフェルディナントは言ってくれたんだけど……どういう意味なの?
サーヤは両手を握りしめて、ガッツポーズをしているんだけど……。
フェルディナントは12本のバラの意味を知っているということ? でも、付き合いを申し込むのならばもう少し熱意が感じられないと……
私は混乱した。
「うーーーー」
ころちゃんも胡散臭そうにフェルディナントとバラを見比べてくれた。
「カーラ様の犬にはこれを」
フェルディナントは従者から肉の缶詰を受け取ってころちゃんの前に置いてくれたのだ。
「わんわん」
途端にころちゃんが尻尾を振り出したんだけど……
「これが今、王都で流行っている犬が好むおやつなんです」
フェルディナントは自慢げに言ってくれた。
今まで全くフェルディナントに好意を示さなかったころちゃんが急に現金にも尻尾を振り出したんだけど……
私はころちゃんを白い目で見た。
「くーーーー」
それに気付いたのかころちゃんは急に尻尾を下げてくれたのだ。
でも、目は缶詰に釘付けだった。
私はサーヤに花束を渡して、花瓶に挿してもらった。
私達の前に、サーヤが美味しい紅茶を入れてくれたのだ。
「そう、それで、王都のはやりのスイーツを食べに一緒に行っていただく話はどうなりましたか?」
いきなりフェルディナントが聞いてきた。
「そのお話ですけれど、アレイダ嬢の事を考えるとあまり宜しくないような気がするんですが」
私が迂遠に切り返すと、
「私がカーラ様とご一緒するのに、アレイダ嬢は関係ないと思うのですが」
フェルディナントが首を振ってくれた。
「私はフェルディナント様とアレイダ嬢との婚約の話が進んでいるとお伺いしましたけれど」
私はそう言ってフェルディナントを見た。
「そのような事実はありませんよ」
フェルディナントが否定してくれたが、
「しかし、この前、アレイダ嬢がいらつしゃる時に明確に否定されませんでしたよね」
私が指摘すると、
「いやあ、カーラ様は鋭いですね」
フェルディナントが肩をすくめた。
「確かに我が父は、一時期アレイダ嬢と私の仲を進めたいと思っておりました」
やはりそうなのだ。私は少しがっかりした。
「でも、私はこの国に来て、あなたに初めて会った時からあなたに惹かれているのです」
真剣な顔でフェルディナントが私を見てくれて私は少しドキマキした。そう、イケメンの男が、近くで見つめてくるのは迫力が違うのだ。
だめだだめだ、私には白馬の騎士様がいるのだ。
私は心の中で首を振ったのだ。
でも、こういうときに煩いころちゃんが何故かおとなしいんだけど……
「まあ、フェルディナント様。アレイダ嬢にもそのようにお話しされているんでしょう」
私は釜をかけてみたのだ。
「両国の関係もあるのです。いきなり、無碍にも出来ないのは王女であらせられるカーラ様ならば判って頂けると思いますが、私の心はカーラ様だけのものです」
そうフェルディナントは言ってくれたけれど、どうだろう? この感じだとアレイダにも同じ事を言っている可能性がある。
「お疑いになるのならば、もう一度ご一緒頂けませんか。絶対にカーラ様を不快な目には合わせませんので」
フエルディナントが申し出てくれた。
サーヤからの圧力もあり、そう言われると私は頷くしか出来なかったのだ。
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ここまで読んで頂いてありがとうございます
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そんな私の腕の中にはころちゃんが座ってくれていた。
「ころちゃん。いざという時は頼んだわよ」
どういう時がいざという時かは良く判らなかったが、私はころちゃんに頼んだのだ。
「わん」
ころちゃんは威勢良く吠えてくれた。
私はそのころちゃんの様子にほっとした。気まずくなればころちゃんが何かしてくれるだろう。
私は安心してフェルディナントを待ったのだ。
そして、今日こそはちゃんとフェルディナントにアレイダとの間のことをきちんと聞こうと思っていた。もっともフェルディナントがアレイダのことをなんとも思っていなくて、逆に私のことを好きだと言い出したらどうしたら良いか考えてはいなかった。
まあ、でも、私には白い騎士様がいるのだ。
それに、フエルディナントのこの前の感じではそれはないと私は思っていた。
約束時間通りにフェルディナントは来てくれた。
それも赤いバラの花束を持って来てくれたのだ。
「カーラ様。この花束をどうぞ」
そう言ってフェルディナントはバラの花束を渡してくれたのだ。
本数を数えたら12本あったんだけど……
ええええ! 12本の赤いバラって……
結婚してほしいとか付き合ってほしいという意味じゃなかったかしら。
私は驚いてフェルディナントを見た。
でも、フェルディナントからは必死さも私を見つめてくるでもなく、平然としていた。
たまたま、持ってきたバラの花が12本だったみたいだ。
私はそう思おうとした。
「ありがとうございます。フェルディナント様」
私は平静を装って、フェルディナントにお礼を言った。
「喜んで頂けて嬉しいです。12本の赤いバラを揃えるのに、花屋さんを3軒ほど回りましたから」
さらりとフェルディナントは言ってくれたんだけど……どういう意味なの?
サーヤは両手を握りしめて、ガッツポーズをしているんだけど……。
フェルディナントは12本のバラの意味を知っているということ? でも、付き合いを申し込むのならばもう少し熱意が感じられないと……
私は混乱した。
「うーーーー」
ころちゃんも胡散臭そうにフェルディナントとバラを見比べてくれた。
「カーラ様の犬にはこれを」
フェルディナントは従者から肉の缶詰を受け取ってころちゃんの前に置いてくれたのだ。
「わんわん」
途端にころちゃんが尻尾を振り出したんだけど……
「これが今、王都で流行っている犬が好むおやつなんです」
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私はころちゃんを白い目で見た。
「くーーーー」
それに気付いたのかころちゃんは急に尻尾を下げてくれたのだ。
でも、目は缶詰に釘付けだった。
私はサーヤに花束を渡して、花瓶に挿してもらった。
私達の前に、サーヤが美味しい紅茶を入れてくれたのだ。
「そう、それで、王都のはやりのスイーツを食べに一緒に行っていただく話はどうなりましたか?」
いきなりフェルディナントが聞いてきた。
「そのお話ですけれど、アレイダ嬢の事を考えるとあまり宜しくないような気がするんですが」
私が迂遠に切り返すと、
「私がカーラ様とご一緒するのに、アレイダ嬢は関係ないと思うのですが」
フェルディナントが首を振ってくれた。
「私はフェルディナント様とアレイダ嬢との婚約の話が進んでいるとお伺いしましたけれど」
私はそう言ってフェルディナントを見た。
「そのような事実はありませんよ」
フェルディナントが否定してくれたが、
「しかし、この前、アレイダ嬢がいらつしゃる時に明確に否定されませんでしたよね」
私が指摘すると、
「いやあ、カーラ様は鋭いですね」
フェルディナントが肩をすくめた。
「確かに我が父は、一時期アレイダ嬢と私の仲を進めたいと思っておりました」
やはりそうなのだ。私は少しがっかりした。
「でも、私はこの国に来て、あなたに初めて会った時からあなたに惹かれているのです」
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だめだだめだ、私には白馬の騎士様がいるのだ。
私は心の中で首を振ったのだ。
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