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ころちゃん視点 今後の方針を悩んでいたら、フェルデイナントが王女を訪ねてきました
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その後、俺はカーラの部屋に帰ってきた。
天井から見下ろしたカーラはとてもきれいだった。
カーラは何も知らないですやすやと寝ていた。
俺はそのカーラの胸元の俺の特等席に潜り込んだ。
カーラはとても柔らかかったし、暖かかった。
この美しいカーラを兇刃に倒させる訳にはいかなかった。
でも、このままでは宰相派が反乱を起こして、カーラは捕まるか処刑されるかされてしまう。
宰相の企てにその後ろ盾にノース帝国とサウス帝国がついていれば鬼に金棒だ。更にはレイのように近衞も裏切るかもしれない。
何としてもそれを防がねばならなかった。
でも、どうする?
俺は自問自答した。
今のまま、宰相側にノース帝国とサウス帝国がついていたら、国王軍に勝ち目はなかった。
なら、前もって宰相の反乱を国王に知らせるか?
でも知らせてどうなる?
信じてくれるかという問題もあるし、近衞の中にも既に宰相側に寝返っている奴もいるだろう。
そいつらが国王が反乱を知ったと宰相に知らせれば、宰相が事を起こすのを早めるかもしれない。
それはまずい。
まあ、知らせるに越した事は無いが、十分に考えてやらないといけないだろう。
しかし、この件は、宰相側にノース帝国だけでなく、サウス帝国までついているのが問題なのだ。せめてサウス帝国でも国王側についてくれればまだなんとかなるはずだ。
そのためにはフェルディナントがカーラと婚約するのが一番なのだ。
でも、それは俺が嫌だった。
何故、カーラをフェルディナントに譲らないといけないのだ!
カーラのこの美しく整った顔、きれいな青い瞳、笑うとえくぼが現れてとても可愛かった。そして、俺を抱いてくれる胸。この胸をフェルディナントにだけは絶対に渡したくなかった。
しかし、翻って考えるに、俺がカーラを娶ったとして果たしてカーラを守れるのか?
少なくとも獣人王国を追放された俺としては、後ろ盾に獣人王国がつくなんて事はあり得なかった。
後ろ盾どころか、俺の身を捕まえるためなら、獣人国までこの国に攻め込みかねなかった。
出来ることと言えば、この剣術だが、1人だけ強い剣士がいても仕方がなかった。
俺一人が新たに加入しても攻め込む宰相軍を全て斬り捨てるなんて事は出来ないだろう。
そう考えると俺に出来ることと言えば、落城して落ち延びるカーラを守ることくらいだ。他国に渡って平民カーラと貧しい暮らしをする位しか出来なかった。
でも、そんなことがカーラに出来るのだろうか?
今でもカーラは王宮の侍女達に世話されているのだ。自分で料理や洗濯などの家事をするなんて無理だろう。
俺は他国に行っても獣人国に追われている身だ。この剣で生きていくのは目立つから中々難しいだろう。とすると庶民の間に潜伏して暮らしていくしかない。カーラにそんな生活を送らせるのは無理だし、カーラ自身耐えられないだろう。
そう考えると俺とカーラが婚約するなんてあり得ないのだ。
残された選択肢はカーラがあのガマガエルの宰相の息子と婚約するか、女たらしのフェルディナントと婚約するかどちらかだ。
どう考えてもガマガエルよりはフェルディナントの方がましだろう。
「ふう」
俺はため息をついた。
でも、この俺のカーラをフェルディナントに譲りたくはなかった。
それにたとえ俺が諦めたとしても、既にサウス帝国がフェルディナントをアレイダと婚約させる方針を決定しているのなら意味がないことだ。
そうだ。もう一度、フェルディナントを探ってみよう。その上でどうするか対処を考えても良いだろう。
俺は決断を先延ばしにいたのだった。
翌日、俺は寝不足だった。
「ワウン」
俺は大きなあくびをしたのだ。
「まあ、ころちゃん。どうしたの? 昨日はあまり寝られなかったの?」
抱き上げてカーラが聞いてくれた。
「わんわん」
俺はそう吠えるしか出来なかった。
そう、君のことが心配で、寝られなかったんだよ。
余程そう言いたかった。
結局あの後もああでもないこうでもないといろんな事を考えて寝れなかったのだ。
このままカーラの胸の中で眠りたい。
俺は思わずそう思ってしまった。
そんな時だ。
「カーラ様。フェルディナント様がいらっしゃいました」
サーヤが部屋に入ってきてフェルディナントの訪れを告げたのだ。
「えっ、何も先触れも何もなしに?」
カーラが思わず非難する口調でサーヤを見た。
「私もそう思いましたから、『昨日お伺いしておりましたでしょうか?』と嫌みを言いましたら、何でもすぐ傍に来たから寄ってみたと申されるのです。これは姫様、フェルディナント様はアレイダ様よりも姫様に気がある証拠でございますよ」
サーヤは嬉しそうに言ってくれた。
「そんなのは判らないわよ」
カーラは首を振ってサーヤに反論したが、その気満々のサーヤは急いでカーラを着飾らせたのだった。
俺も渦中のフェルディナントが何をしに来たかとても興味があった。
ここに来たと言うことは宰相のところのマドックがもう二度とフェルディナントはカーラのところに来ないと言っていたことと違うのだ。まだ、サウス帝国の方針が決まっていない可能性もあった。
俺はカーラの腕に抱かれてフェルディナントとの面会に挑んだのだ。
天井から見下ろしたカーラはとてもきれいだった。
カーラは何も知らないですやすやと寝ていた。
俺はそのカーラの胸元の俺の特等席に潜り込んだ。
カーラはとても柔らかかったし、暖かかった。
この美しいカーラを兇刃に倒させる訳にはいかなかった。
でも、このままでは宰相派が反乱を起こして、カーラは捕まるか処刑されるかされてしまう。
宰相の企てにその後ろ盾にノース帝国とサウス帝国がついていれば鬼に金棒だ。更にはレイのように近衞も裏切るかもしれない。
何としてもそれを防がねばならなかった。
でも、どうする?
俺は自問自答した。
今のまま、宰相側にノース帝国とサウス帝国がついていたら、国王軍に勝ち目はなかった。
なら、前もって宰相の反乱を国王に知らせるか?
でも知らせてどうなる?
信じてくれるかという問題もあるし、近衞の中にも既に宰相側に寝返っている奴もいるだろう。
そいつらが国王が反乱を知ったと宰相に知らせれば、宰相が事を起こすのを早めるかもしれない。
それはまずい。
まあ、知らせるに越した事は無いが、十分に考えてやらないといけないだろう。
しかし、この件は、宰相側にノース帝国だけでなく、サウス帝国までついているのが問題なのだ。せめてサウス帝国でも国王側についてくれればまだなんとかなるはずだ。
そのためにはフェルディナントがカーラと婚約するのが一番なのだ。
でも、それは俺が嫌だった。
何故、カーラをフェルディナントに譲らないといけないのだ!
カーラのこの美しく整った顔、きれいな青い瞳、笑うとえくぼが現れてとても可愛かった。そして、俺を抱いてくれる胸。この胸をフェルディナントにだけは絶対に渡したくなかった。
しかし、翻って考えるに、俺がカーラを娶ったとして果たしてカーラを守れるのか?
少なくとも獣人王国を追放された俺としては、後ろ盾に獣人王国がつくなんて事はあり得なかった。
後ろ盾どころか、俺の身を捕まえるためなら、獣人国までこの国に攻め込みかねなかった。
出来ることと言えば、この剣術だが、1人だけ強い剣士がいても仕方がなかった。
俺一人が新たに加入しても攻め込む宰相軍を全て斬り捨てるなんて事は出来ないだろう。
そう考えると俺に出来ることと言えば、落城して落ち延びるカーラを守ることくらいだ。他国に渡って平民カーラと貧しい暮らしをする位しか出来なかった。
でも、そんなことがカーラに出来るのだろうか?
今でもカーラは王宮の侍女達に世話されているのだ。自分で料理や洗濯などの家事をするなんて無理だろう。
俺は他国に行っても獣人国に追われている身だ。この剣で生きていくのは目立つから中々難しいだろう。とすると庶民の間に潜伏して暮らしていくしかない。カーラにそんな生活を送らせるのは無理だし、カーラ自身耐えられないだろう。
そう考えると俺とカーラが婚約するなんてあり得ないのだ。
残された選択肢はカーラがあのガマガエルの宰相の息子と婚約するか、女たらしのフェルディナントと婚約するかどちらかだ。
どう考えてもガマガエルよりはフェルディナントの方がましだろう。
「ふう」
俺はため息をついた。
でも、この俺のカーラをフェルディナントに譲りたくはなかった。
それにたとえ俺が諦めたとしても、既にサウス帝国がフェルディナントをアレイダと婚約させる方針を決定しているのなら意味がないことだ。
そうだ。もう一度、フェルディナントを探ってみよう。その上でどうするか対処を考えても良いだろう。
俺は決断を先延ばしにいたのだった。
翌日、俺は寝不足だった。
「ワウン」
俺は大きなあくびをしたのだ。
「まあ、ころちゃん。どうしたの? 昨日はあまり寝られなかったの?」
抱き上げてカーラが聞いてくれた。
「わんわん」
俺はそう吠えるしか出来なかった。
そう、君のことが心配で、寝られなかったんだよ。
余程そう言いたかった。
結局あの後もああでもないこうでもないといろんな事を考えて寝れなかったのだ。
このままカーラの胸の中で眠りたい。
俺は思わずそう思ってしまった。
そんな時だ。
「カーラ様。フェルディナント様がいらっしゃいました」
サーヤが部屋に入ってきてフェルディナントの訪れを告げたのだ。
「えっ、何も先触れも何もなしに?」
カーラが思わず非難する口調でサーヤを見た。
「私もそう思いましたから、『昨日お伺いしておりましたでしょうか?』と嫌みを言いましたら、何でもすぐ傍に来たから寄ってみたと申されるのです。これは姫様、フェルディナント様はアレイダ様よりも姫様に気がある証拠でございますよ」
サーヤは嬉しそうに言ってくれた。
「そんなのは判らないわよ」
カーラは首を振ってサーヤに反論したが、その気満々のサーヤは急いでカーラを着飾らせたのだった。
俺も渦中のフェルディナントが何をしに来たかとても興味があった。
ここに来たと言うことは宰相のところのマドックがもう二度とフェルディナントはカーラのところに来ないと言っていたことと違うのだ。まだ、サウス帝国の方針が決まっていない可能性もあった。
俺はカーラの腕に抱かれてフェルディナントとの面会に挑んだのだ。
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