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第一章 婚約破棄
婚約破棄されました。でも大国の皇太子が助けてくれました
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「いや、少し待たれよ」
対立している皇太子とウィルの間に立ったのはオーウェンだった。
慌てて駆け戻ってきたのだった。
「ウィリアム殿が憤られるのはもっともだ。しかし、あなたが手を下されるとクリスティーナ殿が悲しまれる。ここは少し我慢されよ」
「しかし、」
なお言い募ろうとするウイルに頷いて。
「私はこの3カ月だが、王宮からクリスティーナ殿がご苦労されてきた一部を拝見していた。夜遅くまで、苦手な物理の勉強されるのも。
王宮では礼儀作法で1ミリでも間違えたら厳しく叱責される王妃様からの愛の鞭にも耐えられていた。
今回の試験など、私がトップに立ったらマーマレードの恥。
先生全員を首にするかもしれないと王妃様が言われるのを伺ったこともある。
クリス嬢は先生方が職を失せられるのはまずいと睡眠時間を削って図書館で勉強しておられた。
本当に見ていて痛ましかった。
でも、私はそんなあなたを見ても声をかける事すらできなかった。
異性の男性と少しでも話すと醜聞になるからと王妃に叱責されるのが判っているから。
なのに、そんなに努力しているクリスティーナ嬢を知りもせずにこんな席で辱めるなどマーマレードの王族は人の心が無いのか」
きっとしてオーウェンはエドワードを睨みつけた。
エドは呆然としていた。
他国の王太子にここまで言われるとは思っていなかった。
「皇太子の婚姻など家と家の契約事。本人が決められる事ではないし、こんな場で破棄するなど男として最低だ。私もウィル殿と同じでぶった切ってやりたい」
「でも、私も皇太子殿下のように鬼畜かもしれません。」
そう言うとクリスに一歩近づく。
「こんな時にこんなこと言ってはいけないと思うのです。
こんな場で、こんな事を言うのは。
それもこんな酷い目にあったときに。
本来我が国王からしかるべき時にあなたの御父上に申し上げその上でお話し申し上げることです。
ウイル殿が許せないなら私をぶった切って頂いて構いません」
そこまで言うとクリスの前にオーウェンは跪いた。
皆唖然としてオーウェンを見ていた。
クリスもまさか隣国の皇太子が自分をこんな席でかばってくれるなんて思ってもいなかった。
婚約破棄された令嬢を超大国の次期国王と目される皇太子が醜聞もはばからず、かばってくれるなど。
そして、そのオーウェンが目の前に跪いている。
「クリスティーナ嬢。
あなたのなんでも真摯に向き合う姿勢に。
どんな時もあきらめない姿勢に。
惹かれました。
あなたの事が・・・・・・・」
対立している皇太子とウィルの間に立ったのはオーウェンだった。
慌てて駆け戻ってきたのだった。
「ウィリアム殿が憤られるのはもっともだ。しかし、あなたが手を下されるとクリスティーナ殿が悲しまれる。ここは少し我慢されよ」
「しかし、」
なお言い募ろうとするウイルに頷いて。
「私はこの3カ月だが、王宮からクリスティーナ殿がご苦労されてきた一部を拝見していた。夜遅くまで、苦手な物理の勉強されるのも。
王宮では礼儀作法で1ミリでも間違えたら厳しく叱責される王妃様からの愛の鞭にも耐えられていた。
今回の試験など、私がトップに立ったらマーマレードの恥。
先生全員を首にするかもしれないと王妃様が言われるのを伺ったこともある。
クリス嬢は先生方が職を失せられるのはまずいと睡眠時間を削って図書館で勉強しておられた。
本当に見ていて痛ましかった。
でも、私はそんなあなたを見ても声をかける事すらできなかった。
異性の男性と少しでも話すと醜聞になるからと王妃に叱責されるのが判っているから。
なのに、そんなに努力しているクリスティーナ嬢を知りもせずにこんな席で辱めるなどマーマレードの王族は人の心が無いのか」
きっとしてオーウェンはエドワードを睨みつけた。
エドは呆然としていた。
他国の王太子にここまで言われるとは思っていなかった。
「皇太子の婚姻など家と家の契約事。本人が決められる事ではないし、こんな場で破棄するなど男として最低だ。私もウィル殿と同じでぶった切ってやりたい」
「でも、私も皇太子殿下のように鬼畜かもしれません。」
そう言うとクリスに一歩近づく。
「こんな時にこんなこと言ってはいけないと思うのです。
こんな場で、こんな事を言うのは。
それもこんな酷い目にあったときに。
本来我が国王からしかるべき時にあなたの御父上に申し上げその上でお話し申し上げることです。
ウイル殿が許せないなら私をぶった切って頂いて構いません」
そこまで言うとクリスの前にオーウェンは跪いた。
皆唖然としてオーウェンを見ていた。
クリスもまさか隣国の皇太子が自分をこんな席でかばってくれるなんて思ってもいなかった。
婚約破棄された令嬢を超大国の次期国王と目される皇太子が醜聞もはばからず、かばってくれるなど。
そして、そのオーウェンが目の前に跪いている。
「クリスティーナ嬢。
あなたのなんでも真摯に向き合う姿勢に。
どんな時もあきらめない姿勢に。
惹かれました。
あなたの事が・・・・・・・」
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