99 / 444
第四章 王立高等学園
酔いが醒めたクリスは恥ずかしがる
しおりを挟む
翌朝、早朝 クリスは目が覚めた。
何故か少し頭が痛い。
「お目覚めになられましたか?」
メイが声をかけてきた。
「昨日はどうしたっけ?昨日の記憶が曖昧なんだけど」
クリスが不安そうに言う。
「王妃様にお酒を飲まされて応接室で寝られたとお伺いしました」
「誰がここまで連れてきてくれたの?」
「オーウェン様が応接室から抱いて連れて来て頂きました」
「えっ。そんな恥ずかしいことしてもらったんだ」
クリスは真っ赤になった。
「他にも何か聞いた?」
「何でもオーウェン様に向かって大好きだって言われて抱きつかれたとか」
「えっ誰が?」
「クリス様です」
「嘘!」
クリスは呆然としていた。
「本当かどうかはわからないですけど後でジャンヌ王女殿下がこの部屋にいらっしゃって
おっしゃっていらっしゃいました」
「えっなんでお姉さまが」
「ジャンヌ様やアレク様の前で抱きつかれたそうです。」
「うそっ!
もうみんなの前に出て行けない」
真っ赤になってクリスはベッドの中に潜り込んだ。
結局、朝食に迎えに来たイザベラらには頭が痛いと言って先に行ってもらい、
簡単なビスケットを食べて、ぎりぎりに行くことにした。
そして下に降りると心配したオーウェンが待っていた。
その姿を見てクリスは真っ赤になる。
「クリス大丈夫?」
「すいません。二日酔いで頭が痛いです」
「大丈夫なの?」
「はい。クリス様急ぎましょう。時間が無いですよね」
同じく待っていたアルバートがオーウェンを排除する。
「えっちょっと」
追いすがろうとしたオーウェンをアルバートは防いで真っ赤になったクリスはアルバートとメイに抱えられるように校舎に向かった。
1時間目の授業は頭痛で大変だったが、何とか乗り切る。
そして休み時間はイザベラらに取り囲まれてしまった。
「クリス様。お伺いしましたわよ。好きだってオーウェン様に抱きつかれたって」
イザベラが言う。
「そのあと寮までお姫様抱っこでオーウェン様に連れてこられたの見ましたわ」
アリサとかエカテリーナの取り巻きまで、クリスを冷やかす。
実は記憶が無くてとはとても言い出せる状況では無かった。
「姉様大丈夫?」
昼休みの食堂では心配したウィルは来るわ、喜んだガーネットも来るわで邪魔が入るし、
かいがいしく世話するメイとアルバートの前にと、エカテリーナの妨害もあってオーウェンはクリスの側に寄れなかった。
そして、放課後も図書館に行ってもクリスは来なかった。
休み時間とか何度かオーウェンはクリスと話そうとしたが、
そのたびにクリスは真っ赤になってうつむいてしまうし、
アルバートらのガードが固くて話せなかった。
せっかく、クリスから抱きついてくれたのに、これでは今までと何も変わらないのではないかとオーウェンは頭を抱えた。
でも、はっきりとくっつきたいとの言葉ももらったし、酔った勢いで言われたかもしれないが、
言われたのは事実だと、自らを慰めるオーウェンだった。
一方のクリスは部屋に帰ると布団に潜り込んでうーあー言っていた。
今までは皇太子の婚約者だったが、親の決めたというか国の決めた婚約者であった。
人を好きになるって言うのがどういう事かもよく判っていなかったし、オーウェンの事が好きかどうかと言われると好きだったが、それが愛かと言われると良くは判らなかった。
でも、酔った勢いで好きだって言ってしまったらしい。
出来たら皆の記憶からすべて削除してしまいたかった。
一方ジャンヌは機嫌が悪かった。
その日の第一魔導師団の訓練では荒れていた。
母親とアレクで本人無視して勝手に婚約の条件詰めるってどういう事だ。
ウィルも勝手にクリスとオーウェンが仲良くなったことが許せなかった。
「おんりゃー」
「喰らえ」
精一杯ぶつかる二人の本気の勝負に皆唖然としていた。
その横で剣を構えてアルバートと対峙したアレクは珍しくアルバートに追い詰められていた。
こちらは頭がハートマークのアレクに対してクリスを勝手にオーウェンに取られたアルバートが荒れていたのだ。
「隙あり。」
アルバートがアレクの剣を巻き上げていた。
「どうしたのですかな。アレク殿下。全然さえませんが」
ジャルカが聞く。
「いやあ、ジャルカ殿。人生って素晴らしいなと」
その言葉に周りの者が固まる。
「なにか悪いものでも食べられたのですかな」
心配してジャルカが聞く。
「地震の前触れか」
「天災が来るんじゃない」
独立部隊の不吉な声にもアレクはびくともしなかった。
「ま、人生は良い事もあるよ」
「ちょっとアレク、お前が相手しろ」
ウイルを弾き飛ばしたジャンヌが言う。
「今日は遠慮させていただきます。お母様に認めてもらえたことですし」
「何言っている。私は認めておらんぞ!」
「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ ですよ」
余裕でアレクは言った。
「おのれ」
ジャンヌは転移してアレクに切りかかった。
しかし、アレクは転移して飛び退る。
「ジャンヌ殿下。また明日お迎えに上がります」
「もう来るな消えろ」
ジャンヌは叫ぶが、笑ってアレクは去って行った。
何故か少し頭が痛い。
「お目覚めになられましたか?」
メイが声をかけてきた。
「昨日はどうしたっけ?昨日の記憶が曖昧なんだけど」
クリスが不安そうに言う。
「王妃様にお酒を飲まされて応接室で寝られたとお伺いしました」
「誰がここまで連れてきてくれたの?」
「オーウェン様が応接室から抱いて連れて来て頂きました」
「えっ。そんな恥ずかしいことしてもらったんだ」
クリスは真っ赤になった。
「他にも何か聞いた?」
「何でもオーウェン様に向かって大好きだって言われて抱きつかれたとか」
「えっ誰が?」
「クリス様です」
「嘘!」
クリスは呆然としていた。
「本当かどうかはわからないですけど後でジャンヌ王女殿下がこの部屋にいらっしゃって
おっしゃっていらっしゃいました」
「えっなんでお姉さまが」
「ジャンヌ様やアレク様の前で抱きつかれたそうです。」
「うそっ!
もうみんなの前に出て行けない」
真っ赤になってクリスはベッドの中に潜り込んだ。
結局、朝食に迎えに来たイザベラらには頭が痛いと言って先に行ってもらい、
簡単なビスケットを食べて、ぎりぎりに行くことにした。
そして下に降りると心配したオーウェンが待っていた。
その姿を見てクリスは真っ赤になる。
「クリス大丈夫?」
「すいません。二日酔いで頭が痛いです」
「大丈夫なの?」
「はい。クリス様急ぎましょう。時間が無いですよね」
同じく待っていたアルバートがオーウェンを排除する。
「えっちょっと」
追いすがろうとしたオーウェンをアルバートは防いで真っ赤になったクリスはアルバートとメイに抱えられるように校舎に向かった。
1時間目の授業は頭痛で大変だったが、何とか乗り切る。
そして休み時間はイザベラらに取り囲まれてしまった。
「クリス様。お伺いしましたわよ。好きだってオーウェン様に抱きつかれたって」
イザベラが言う。
「そのあと寮までお姫様抱っこでオーウェン様に連れてこられたの見ましたわ」
アリサとかエカテリーナの取り巻きまで、クリスを冷やかす。
実は記憶が無くてとはとても言い出せる状況では無かった。
「姉様大丈夫?」
昼休みの食堂では心配したウィルは来るわ、喜んだガーネットも来るわで邪魔が入るし、
かいがいしく世話するメイとアルバートの前にと、エカテリーナの妨害もあってオーウェンはクリスの側に寄れなかった。
そして、放課後も図書館に行ってもクリスは来なかった。
休み時間とか何度かオーウェンはクリスと話そうとしたが、
そのたびにクリスは真っ赤になってうつむいてしまうし、
アルバートらのガードが固くて話せなかった。
せっかく、クリスから抱きついてくれたのに、これでは今までと何も変わらないのではないかとオーウェンは頭を抱えた。
でも、はっきりとくっつきたいとの言葉ももらったし、酔った勢いで言われたかもしれないが、
言われたのは事実だと、自らを慰めるオーウェンだった。
一方のクリスは部屋に帰ると布団に潜り込んでうーあー言っていた。
今までは皇太子の婚約者だったが、親の決めたというか国の決めた婚約者であった。
人を好きになるって言うのがどういう事かもよく判っていなかったし、オーウェンの事が好きかどうかと言われると好きだったが、それが愛かと言われると良くは判らなかった。
でも、酔った勢いで好きだって言ってしまったらしい。
出来たら皆の記憶からすべて削除してしまいたかった。
一方ジャンヌは機嫌が悪かった。
その日の第一魔導師団の訓練では荒れていた。
母親とアレクで本人無視して勝手に婚約の条件詰めるってどういう事だ。
ウィルも勝手にクリスとオーウェンが仲良くなったことが許せなかった。
「おんりゃー」
「喰らえ」
精一杯ぶつかる二人の本気の勝負に皆唖然としていた。
その横で剣を構えてアルバートと対峙したアレクは珍しくアルバートに追い詰められていた。
こちらは頭がハートマークのアレクに対してクリスを勝手にオーウェンに取られたアルバートが荒れていたのだ。
「隙あり。」
アルバートがアレクの剣を巻き上げていた。
「どうしたのですかな。アレク殿下。全然さえませんが」
ジャルカが聞く。
「いやあ、ジャルカ殿。人生って素晴らしいなと」
その言葉に周りの者が固まる。
「なにか悪いものでも食べられたのですかな」
心配してジャルカが聞く。
「地震の前触れか」
「天災が来るんじゃない」
独立部隊の不吉な声にもアレクはびくともしなかった。
「ま、人生は良い事もあるよ」
「ちょっとアレク、お前が相手しろ」
ウイルを弾き飛ばしたジャンヌが言う。
「今日は遠慮させていただきます。お母様に認めてもらえたことですし」
「何言っている。私は認めておらんぞ!」
「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ ですよ」
余裕でアレクは言った。
「おのれ」
ジャンヌは転移してアレクに切りかかった。
しかし、アレクは転移して飛び退る。
「ジャンヌ殿下。また明日お迎えに上がります」
「もう来るな消えろ」
ジャンヌは叫ぶが、笑ってアレクは去って行った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2,442
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる