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第一章 ダレル反乱
天界のゼウスはシャラザールに対して悪巧みをしました
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一方天界ではゼウスとその兄ポセイドンらが真剣な顔を突き合わせて相談していた。
「報告によるとシャラザールは地界においてますます暴れ回っているそうですぞ」
ポセイドンが心配して言う。
「うーむ。実体のない状態で地上に落としたにもかかわらず、憑依する方法を自ら編み出したか」
「シャラザール様は、最初はヤクザに絡まれた少年を助けるためにその少年に憑依して、爆裂魔法を使用して10軒の民家を破壊。3人の男を衝撃波で後遺症が残るくらいに攻撃したそうです」
天界の警察長官のオオクニヌシが言った。
「うーむ。殺さなかったのか。彼奴らしくもない」
「しかし、あそこが立たなくなったそうですぞ」
「……」
「流石シャラザールというべきか」
オオクニヌシの報告に二人は言葉少なになる。
「お二人共、お気をつけられたほうが」
「余計なお世話じゃ」
オオクニヌシの言葉にゼウスが叫んでいた。
「その後は」
「その後奴隷売買に関与していた城を、攫われたビアンカという魔力持ちの少女に憑依。城もろともに爆煙魔術で焼滅させておられます」
「城1つを消滅させるなどその女はそれだけ魔力が強かったのか」
「いえ、ある程度はあるようですが、そこまでは」
ゼウスの問にオオクニヌシは答えた。
「ということはシャラザールの魔力か。彼奴め。天界にいる時とそれほど魔力量が変わっておらんではないか」
「凶器を地界に放ってしまったようなものじゃな」
ゼウスとポセイドンは懸念事項を口にした。
「更に悪徳商人を3件潰して、領民に酷政を敷いていた島国王国1つ潰されました」
淡々とオオクニヌシが述べる。
「今はどこにおるのじゃ」
「海を渡ってマーマレードに向かっているかと」
「マーマレードか。彼奴の作った帝国から別れた1つか」
シャラザールは千年前に統一国家シャラザール帝国を作り上げたが、それが今は大きく3っつの国に分かれていた。3国は3国ともシャラザールの子孫を名乗っていたが、その1つだ。
「うーむ。ノルディンの先にある国か」
「下手したらマルスとシャラザールが衝突するかもしれんな」
「何かおっしゃいましたか」
二人の会話にオオクニヌシが聞く。
「いやいや、何でも無い」
ゼウスは慌てて誤魔化した。
ノルディン帝国にはゼウスの子供でシャラザールに地界に叩き落された戦の神のマルスと愛と美の神のアフロデーテが転生しており、刻々と各地の侵略を進めているのだ。
ゼウスとしては何とか功を立てさせて天界に再び招きたかった。
出来れば関係のあったアフロデーテを。それは兄のポセイドンも同じ思いだった。本当に天界は人倫ならぬ神倫が乱れきっていた。
「しかし、シャラザールも困ったものじゃ。本来地界は地界の人間がやること。それを神が手を出すなど言語道断じゃな」
「しかし、天界から追放されたのはゼウス様ではありませんか」
非難の声をオオクニヌシは上げた。
「そう、そこで悩んでいるのじゃ」
「それよりもマーマレード王国には暴風王女とかいう跳ねっ返りの王女がいるそうじゃが」
「其奴は確かシャラザールの子孫ではないか」
「そうですぞ。この暴風王女にシャラザールが憑依すればまた世界帝国を樹立しかねん」
「それは何としても阻止せねばならんな」
二人は懸念事項で盛上る。
「しかし、地界の事は地界に任せるのでは無いのですか」
冷静なオオクニヌシが突っ込んだ。
「あまり手を出すのは何じゃが、天界出身の奴が余りにも地界の事に手を出すのは良くなかろうて」
「そうですな。あの二人がくっつくのだけはなんとしても避けたい。天界に逆侵攻しかねんからな」
利己的な事全開で二人は言う。最後に二人の本音も垣間見えて、オオクニヌシは呆れた。
「しかし、地界にあまり干渉するのは」
「もっと大人しい子孫はおらんのか。シャラザールの」
「そう出来たらその者に憑依させて、それもめったに彼奴を出現できなく出来れば良いのじゃが」
二人はオオクニヌシの言うことをあまり聞いていなかった。
「大人しいというならクリスティーナという女の子がいますが」
「どのような者だ」
「ゼウス様の息子ディオニューソス様の生まれ変わりのマーマレードのエドワード皇太子様の婚約者です」
「なんとこの姿から見ると可愛いの」
「儂が愛でたいぐらいじゃ」
相も変わらずなゼウスとポセイドンが言う。
それに咳払いをオオクニヌシがする。
「地上におるジャルカの報告によりますと、暴風王女と呼ばれているジャンヌ王女は全く淑女教育を受けていないそうですが、彼女はきちんと真面目に受けているそうで、性格は温和。我慢強い格確だそうです」
「それは良いが、戦いは強いのか」
肝心なことをゼウスは聞いた。
「いやいや、当然淑女ですから剣なんて持ったことも無いようですし、ジャルカによると魔術もほとんど使ったことがないそうです」
「そうか、それなら素晴らしい。即座に二人を結びつけるのが良策じゃな」
ゼウスが満足そうに頷いた。しかし、クリスティーナの婚約者のディオニューソスもシャラザールに叩き落された口だ。その婚約者にシャラザールなんて憑依させたら恨まれるのではすまないような気がしたが、ゼウスもポセイドンもアフロディーテを天界に呼び戻すことしか考えていないようだった。
「ではオオクニヌシよ。よろしく頼むぞ」
「私めがですか?」
ゼウスの言葉に呆れてオオクニヌシが聞いた。
「当然ではないか。貴様は警察長官であろうが」
「実はここ最近天界の犯罪が増えておりまして、人手不足で手が足りておりません」
「犯罪が。なぜ増えるのじゃ」
オオクニヌシの報告にゼウスが不機嫌そうに聞いた。
「今までは戦神シャラザール様を恐れて静かにしておった者共が動き出したのです」
「取り締まるのはそちの役目だろう」
「それには人員が足りません」
「判った。その方に任せる。必要なだけ人員を増やせ。あと、地上にいるジャルカとか言う神には儂自らが命じよう」
「御意」
ゼウスはシャラザールの件をオオクニヌシに任すのに一抹の不安があったので、それは直接やることにした。しかし、天界警察の人員増をオオクニヌシに任せたことを後で後悔するのだが、今は全く判っていなかった。
「報告によるとシャラザールは地界においてますます暴れ回っているそうですぞ」
ポセイドンが心配して言う。
「うーむ。実体のない状態で地上に落としたにもかかわらず、憑依する方法を自ら編み出したか」
「シャラザール様は、最初はヤクザに絡まれた少年を助けるためにその少年に憑依して、爆裂魔法を使用して10軒の民家を破壊。3人の男を衝撃波で後遺症が残るくらいに攻撃したそうです」
天界の警察長官のオオクニヌシが言った。
「うーむ。殺さなかったのか。彼奴らしくもない」
「しかし、あそこが立たなくなったそうですぞ」
「……」
「流石シャラザールというべきか」
オオクニヌシの報告に二人は言葉少なになる。
「お二人共、お気をつけられたほうが」
「余計なお世話じゃ」
オオクニヌシの言葉にゼウスが叫んでいた。
「その後は」
「その後奴隷売買に関与していた城を、攫われたビアンカという魔力持ちの少女に憑依。城もろともに爆煙魔術で焼滅させておられます」
「城1つを消滅させるなどその女はそれだけ魔力が強かったのか」
「いえ、ある程度はあるようですが、そこまでは」
ゼウスの問にオオクニヌシは答えた。
「ということはシャラザールの魔力か。彼奴め。天界にいる時とそれほど魔力量が変わっておらんではないか」
「凶器を地界に放ってしまったようなものじゃな」
ゼウスとポセイドンは懸念事項を口にした。
「更に悪徳商人を3件潰して、領民に酷政を敷いていた島国王国1つ潰されました」
淡々とオオクニヌシが述べる。
「今はどこにおるのじゃ」
「海を渡ってマーマレードに向かっているかと」
「マーマレードか。彼奴の作った帝国から別れた1つか」
シャラザールは千年前に統一国家シャラザール帝国を作り上げたが、それが今は大きく3っつの国に分かれていた。3国は3国ともシャラザールの子孫を名乗っていたが、その1つだ。
「うーむ。ノルディンの先にある国か」
「下手したらマルスとシャラザールが衝突するかもしれんな」
「何かおっしゃいましたか」
二人の会話にオオクニヌシが聞く。
「いやいや、何でも無い」
ゼウスは慌てて誤魔化した。
ノルディン帝国にはゼウスの子供でシャラザールに地界に叩き落された戦の神のマルスと愛と美の神のアフロデーテが転生しており、刻々と各地の侵略を進めているのだ。
ゼウスとしては何とか功を立てさせて天界に再び招きたかった。
出来れば関係のあったアフロデーテを。それは兄のポセイドンも同じ思いだった。本当に天界は人倫ならぬ神倫が乱れきっていた。
「しかし、シャラザールも困ったものじゃ。本来地界は地界の人間がやること。それを神が手を出すなど言語道断じゃな」
「しかし、天界から追放されたのはゼウス様ではありませんか」
非難の声をオオクニヌシは上げた。
「そう、そこで悩んでいるのじゃ」
「それよりもマーマレード王国には暴風王女とかいう跳ねっ返りの王女がいるそうじゃが」
「其奴は確かシャラザールの子孫ではないか」
「そうですぞ。この暴風王女にシャラザールが憑依すればまた世界帝国を樹立しかねん」
「それは何としても阻止せねばならんな」
二人は懸念事項で盛上る。
「しかし、地界の事は地界に任せるのでは無いのですか」
冷静なオオクニヌシが突っ込んだ。
「あまり手を出すのは何じゃが、天界出身の奴が余りにも地界の事に手を出すのは良くなかろうて」
「そうですな。あの二人がくっつくのだけはなんとしても避けたい。天界に逆侵攻しかねんからな」
利己的な事全開で二人は言う。最後に二人の本音も垣間見えて、オオクニヌシは呆れた。
「しかし、地界にあまり干渉するのは」
「もっと大人しい子孫はおらんのか。シャラザールの」
「そう出来たらその者に憑依させて、それもめったに彼奴を出現できなく出来れば良いのじゃが」
二人はオオクニヌシの言うことをあまり聞いていなかった。
「大人しいというならクリスティーナという女の子がいますが」
「どのような者だ」
「ゼウス様の息子ディオニューソス様の生まれ変わりのマーマレードのエドワード皇太子様の婚約者です」
「なんとこの姿から見ると可愛いの」
「儂が愛でたいぐらいじゃ」
相も変わらずなゼウスとポセイドンが言う。
それに咳払いをオオクニヌシがする。
「地上におるジャルカの報告によりますと、暴風王女と呼ばれているジャンヌ王女は全く淑女教育を受けていないそうですが、彼女はきちんと真面目に受けているそうで、性格は温和。我慢強い格確だそうです」
「それは良いが、戦いは強いのか」
肝心なことをゼウスは聞いた。
「いやいや、当然淑女ですから剣なんて持ったことも無いようですし、ジャルカによると魔術もほとんど使ったことがないそうです」
「そうか、それなら素晴らしい。即座に二人を結びつけるのが良策じゃな」
ゼウスが満足そうに頷いた。しかし、クリスティーナの婚約者のディオニューソスもシャラザールに叩き落された口だ。その婚約者にシャラザールなんて憑依させたら恨まれるのではすまないような気がしたが、ゼウスもポセイドンもアフロディーテを天界に呼び戻すことしか考えていないようだった。
「ではオオクニヌシよ。よろしく頼むぞ」
「私めがですか?」
ゼウスの言葉に呆れてオオクニヌシが聞いた。
「当然ではないか。貴様は警察長官であろうが」
「実はここ最近天界の犯罪が増えておりまして、人手不足で手が足りておりません」
「犯罪が。なぜ増えるのじゃ」
オオクニヌシの報告にゼウスが不機嫌そうに聞いた。
「今までは戦神シャラザール様を恐れて静かにしておった者共が動き出したのです」
「取り締まるのはそちの役目だろう」
「それには人員が足りません」
「判った。その方に任せる。必要なだけ人員を増やせ。あと、地上にいるジャルカとか言う神には儂自らが命じよう」
「御意」
ゼウスはシャラザールの件をオオクニヌシに任すのに一抹の不安があったので、それは直接やることにした。しかし、天界警察の人員増をオオクニヌシに任せたことを後で後悔するのだが、今は全く判っていなかった。
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