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お兄様を巻き込んで最果てのダンジョンに行くことにしました
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私達はそのまま、ジャスティン達に引きずられるようにしてお母様の前に出されたのよ。
信じられなかった。
ジャスティンが冷たい!
「いえ、アリス様……さすがに今回の件はクリス様に伝えるしかなくて、すぐに連れてくるようにとのお話しでしたので……」
ジャスティンは申し訳なさそうに話してくれるけれど、どの道なら内緒にしておいてくれたら良いのに!
皆は私の頼みは聞いてくれなくて、お母様の話すことは聞くのよ。
とても悲しい………
まあ、お母様は筆頭魔導師でこの国で一番偉いから仕方が無いけれど……
応接室にお母様は少しやつれた感じで座っていた。
その横にはお父様が心配そうにお母様を見ていた。
お母様は更に容態は悪化しているみたいだった。
私達三人は私を真ん中にして長椅子に座らされた。
「クリス、気分が優れないのなら、ここは俺が叱っておくが……」
横からお父様がそう言い出してくれて、私も大きく頷いたのよ。
お父様の方が甘いから私はその方がありがたかったのに……
「いいえ、オウ、ここは私がしっかりしないといけないわ」
しなくていいのにお母様が我慢して叱ってくれるそうだ。
最悪だ……
「アリス。あなた、この前私が注意した所よね。なのに、また問題を起こすなんてどういう事なの?」
お母様の目が釣り上がっているんだけど……これほど怖いお母様は初めて見た。
「……」
私もさすがに答えられないでいると、
「アリス、なんとか言いなさい!」
お母様のヒステリックな声が響いた。
こんなお母様は初めてだった。
「ごめんなさい」
私が仕方なく小さい声で言うと、
「全然聞こえないわ!」
ぞっとするようなお母様の声がしたんだけど……
これじゃあ、金髪の山姥じゃない!
私はお母様を見てとんでもないことを思いついた。
なんでも、田舎には山姥という化け物がいて子供の生き血を吸うんですって……
モンモンが教えてくれたそれとお母様がそっくりだった。
そんな失礼な事を思ってしまったからだろうか?
「クリス、あなたは2週間のデザート抜きよ」
いきなりお母様が宣告してくれたのよ!
「ええええ! そんな!」
私は絶望の声を上げた。
「いや、お母様。それはあまりに酷いのでは……」
お兄様が珍しく私の援護をしてくれた。
そうよ。お兄様。もっと言ってあげて!
私がお兄様にエールを送ったときだ。
「うっ!」
お母様がまた口を押えたのだ。
「クリス!」
「「「クリス様!」」」
お父様と侍女達が慌ててお母様に駆け寄った。
「大丈夫よ。だからアリス、判ったわね」
お母様が青ざめた声で宣言してくれた。
私には2週間のデザート抜きは死刑宣告にも等しかった。
でも、それ以上にお母様の押えた手の隙間から血が見えた方がショックだった。
これは絶対にお母様はそんなに長くない。
私には酷い事ばかりしてくれるお母様だけど、死ぬのは嫌だ。
私は早急に地の果てのダンジョンに潜らなければいけないと心に決めたのだ。
私はその後はとても静かになった。
必死にどうしたらお母様達の監視を掻い潜って北の果てにあるとかいう最果てのダンジョンに行くか考えていたからなんだけど……
お兄様は何を勘違いしたのか、お母様に2週間のデザート抜きを宣告されたからショックを受けたと思ったらしい。
そんな事は無いのに!
尋ねてきたお兄様は侍女達を下がらせてくれた。
ミアはお兄様を見て何か言いたそうだったが、
「さあ、さっさと下がって」
お兄様の言葉に苦笑いすると肩を竦めて下がってくれた。
ミアにはバレバレらしい。
「アリス、これをお食べ」
侍女達がいなくなるとお兄様は焼き菓子を差し出してくれた。
なんて優しいんだろう!
「お兄様、ありがとう」
私は早速焼き菓子を頂いた。
「美味しい!」
私がニコッと笑うとお兄様も笑い返してくれた。
さっきもモンモンが持って来てくれたからこれで二人目だ。
後はお父様と馬のおじちゃん、それに暴風おばちゃんと皆が続々とデザートを持ってきてくれるはずよ。
下手したら、いつもよりデザートの量は増えるかも……これも日頃の私の行いが良いからね。
私が自画自賛したときだ。
でも、そう言えばモンモンはその代わりに私のへそくりのお菓子を食べていったからプラスマイナスゼロじゃないの?
モンモンは食べ過ぎだからあんなにふくよかなんだ。
私ももっと沢山食べればふくよかに……胸が大きくなるのかな?
いやいやシャラおばちゃんは大食漢だけど、別に胸は大きくは無いわ。
我が家の家系はあまり食べても太らない体質らしい……
まあ、それは今はどうでも良かったわ……
「それでお兄様。最果てのダンジョンの資料は手に入ったの?」
せっかく人払いしたのだから私は肝心なことを聞いてみた。
「手に入るのは手に入ったけれど、こんな資料どうするんだ?」
お兄様は手に見つけた資料を持っていた。
解読もしてくれたみたい。
さすがお兄様だ。
「お兄様はお母様の体調をどう思う?」
私が確認した。
「うーん、調子は悪いと思うが別段どうってことはないんじゃないか?」
お兄様は大したことはないと思っているみたいだ。
「イリーナは不治の病だって言うんだけど……」
私がイリーナから聞いたことをお兄様に話すと、
「えっ、それは確かに母上は血をつけていたけど……」
「これで2回目よ。この前イリーナ達に謝らせたときもお母様は血を吐いていたわ」
まだ完全に他人ごとのお兄様に判らせるために私ははっきりと二回お母様が血を吐いたと強調した。
「しかし、血を吐く肺病は今はヒールで治るぞ」
「だから違うわよ。これだけ癒やし魔術師も多いんだし、肺病ならすぐに治るはずよ」
私はお兄様に言い切った。
「後は血を吐く病気って言えば魔力過多症くらいしか思いつかないけれど……」
お兄様が言い出してくれた。
「それよ。それに違いないわ」
私の第六感がお兄様の言うとおりだと叫んでいた。
「魔力過多症か? でもあれは最近は確認されていないぞ。確かにお母様の魔力は人間界では世界一だって聞いたことはあるし、ミハイル家の初代様は魔力過多症だったって話はあったけれど、初代様は治ったはずだし」
「おそらく、最果てのダンジョンに潜って何でも治る薬を取ってきたのよ」
私がそう断言すると、
「万能薬のエリクサーか、確かにそれがあれば何でも治ると思うけれど、あるかどうかは判らないんだろう? 資料にも不確かな情報だって書かれていたぞ」
「だから確かめに行くんじゃない。幸いなことに行こうと思えば私達は行けるわ」
「いけるってどうするんだよ?」
私はこそこそとお兄様に私の考えを伝えた。
「本当にそんな事で行けるのか?」
お兄様が疑い深そうに言ってくれたが、
「私だけじゃ、信憑性がないからお兄様もついてきてよ」
ダンジョンの中で迷子になったらしゃれにならないし、お兄様は何かと便利なのよ。
「しかしな」
「酷いお兄様はお母様が死んでも良いと思うの?」
私が泣き真似をすると、
「いや、そうは思わないけれど……」
「判ったわ。お兄様が来てくれなくても私一人でも行くから」
私がそう言い切ると、
「いや、それはまずいだろう。しかし、子供だけで行くというのは」
「こんなことを大人に相談したら絶対に行かせてくれないわよ。お兄様は最果てのダンジョンに冒険に行きたくないの?」
「それは行きたいさ」
「でしょう。お母様の病も治って、お兄様は冒険も出来て言う事無いじゃない!」
私は悪魔の誘いをかけてみた。
「判った。少し考えてみるよ」
「約束よ。あまり時間はないと思うの」
「そんなに母上は重病なのか?」
「だって2回も血を吐いたのよ」
「判った。明日までに返事をするよ」
「約束だからね」
私はお兄様と指切りしたのだった。
***********************************************
お母様の不治の病を治すために最果てのダンジョンに行く準備を着々と整えるアリス。
でも、果たしてすぐに行けるのか?
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信じられなかった。
ジャスティンが冷たい!
「いえ、アリス様……さすがに今回の件はクリス様に伝えるしかなくて、すぐに連れてくるようにとのお話しでしたので……」
ジャスティンは申し訳なさそうに話してくれるけれど、どの道なら内緒にしておいてくれたら良いのに!
皆は私の頼みは聞いてくれなくて、お母様の話すことは聞くのよ。
とても悲しい………
まあ、お母様は筆頭魔導師でこの国で一番偉いから仕方が無いけれど……
応接室にお母様は少しやつれた感じで座っていた。
その横にはお父様が心配そうにお母様を見ていた。
お母様は更に容態は悪化しているみたいだった。
私達三人は私を真ん中にして長椅子に座らされた。
「クリス、気分が優れないのなら、ここは俺が叱っておくが……」
横からお父様がそう言い出してくれて、私も大きく頷いたのよ。
お父様の方が甘いから私はその方がありがたかったのに……
「いいえ、オウ、ここは私がしっかりしないといけないわ」
しなくていいのにお母様が我慢して叱ってくれるそうだ。
最悪だ……
「アリス。あなた、この前私が注意した所よね。なのに、また問題を起こすなんてどういう事なの?」
お母様の目が釣り上がっているんだけど……これほど怖いお母様は初めて見た。
「……」
私もさすがに答えられないでいると、
「アリス、なんとか言いなさい!」
お母様のヒステリックな声が響いた。
こんなお母様は初めてだった。
「ごめんなさい」
私が仕方なく小さい声で言うと、
「全然聞こえないわ!」
ぞっとするようなお母様の声がしたんだけど……
これじゃあ、金髪の山姥じゃない!
私はお母様を見てとんでもないことを思いついた。
なんでも、田舎には山姥という化け物がいて子供の生き血を吸うんですって……
モンモンが教えてくれたそれとお母様がそっくりだった。
そんな失礼な事を思ってしまったからだろうか?
「クリス、あなたは2週間のデザート抜きよ」
いきなりお母様が宣告してくれたのよ!
「ええええ! そんな!」
私は絶望の声を上げた。
「いや、お母様。それはあまりに酷いのでは……」
お兄様が珍しく私の援護をしてくれた。
そうよ。お兄様。もっと言ってあげて!
私がお兄様にエールを送ったときだ。
「うっ!」
お母様がまた口を押えたのだ。
「クリス!」
「「「クリス様!」」」
お父様と侍女達が慌ててお母様に駆け寄った。
「大丈夫よ。だからアリス、判ったわね」
お母様が青ざめた声で宣言してくれた。
私には2週間のデザート抜きは死刑宣告にも等しかった。
でも、それ以上にお母様の押えた手の隙間から血が見えた方がショックだった。
これは絶対にお母様はそんなに長くない。
私には酷い事ばかりしてくれるお母様だけど、死ぬのは嫌だ。
私は早急に地の果てのダンジョンに潜らなければいけないと心に決めたのだ。
私はその後はとても静かになった。
必死にどうしたらお母様達の監視を掻い潜って北の果てにあるとかいう最果てのダンジョンに行くか考えていたからなんだけど……
お兄様は何を勘違いしたのか、お母様に2週間のデザート抜きを宣告されたからショックを受けたと思ったらしい。
そんな事は無いのに!
尋ねてきたお兄様は侍女達を下がらせてくれた。
ミアはお兄様を見て何か言いたそうだったが、
「さあ、さっさと下がって」
お兄様の言葉に苦笑いすると肩を竦めて下がってくれた。
ミアにはバレバレらしい。
「アリス、これをお食べ」
侍女達がいなくなるとお兄様は焼き菓子を差し出してくれた。
なんて優しいんだろう!
「お兄様、ありがとう」
私は早速焼き菓子を頂いた。
「美味しい!」
私がニコッと笑うとお兄様も笑い返してくれた。
さっきもモンモンが持って来てくれたからこれで二人目だ。
後はお父様と馬のおじちゃん、それに暴風おばちゃんと皆が続々とデザートを持ってきてくれるはずよ。
下手したら、いつもよりデザートの量は増えるかも……これも日頃の私の行いが良いからね。
私が自画自賛したときだ。
でも、そう言えばモンモンはその代わりに私のへそくりのお菓子を食べていったからプラスマイナスゼロじゃないの?
モンモンは食べ過ぎだからあんなにふくよかなんだ。
私ももっと沢山食べればふくよかに……胸が大きくなるのかな?
いやいやシャラおばちゃんは大食漢だけど、別に胸は大きくは無いわ。
我が家の家系はあまり食べても太らない体質らしい……
まあ、それは今はどうでも良かったわ……
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「手に入るのは手に入ったけれど、こんな資料どうするんだ?」
お兄様は手に見つけた資料を持っていた。
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さすがお兄様だ。
「お兄様はお母様の体調をどう思う?」
私が確認した。
「うーん、調子は悪いと思うが別段どうってことはないんじゃないか?」
お兄様は大したことはないと思っているみたいだ。
「イリーナは不治の病だって言うんだけど……」
私がイリーナから聞いたことをお兄様に話すと、
「えっ、それは確かに母上は血をつけていたけど……」
「これで2回目よ。この前イリーナ達に謝らせたときもお母様は血を吐いていたわ」
まだ完全に他人ごとのお兄様に判らせるために私ははっきりと二回お母様が血を吐いたと強調した。
「しかし、血を吐く肺病は今はヒールで治るぞ」
「だから違うわよ。これだけ癒やし魔術師も多いんだし、肺病ならすぐに治るはずよ」
私はお兄様に言い切った。
「後は血を吐く病気って言えば魔力過多症くらいしか思いつかないけれど……」
お兄様が言い出してくれた。
「それよ。それに違いないわ」
私の第六感がお兄様の言うとおりだと叫んでいた。
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私がそう断言すると、
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「だから確かめに行くんじゃない。幸いなことに行こうと思えば私達は行けるわ」
「いけるってどうするんだよ?」
私はこそこそとお兄様に私の考えを伝えた。
「本当にそんな事で行けるのか?」
お兄様が疑い深そうに言ってくれたが、
「私だけじゃ、信憑性がないからお兄様もついてきてよ」
ダンジョンの中で迷子になったらしゃれにならないし、お兄様は何かと便利なのよ。
「しかしな」
「酷いお兄様はお母様が死んでも良いと思うの?」
私が泣き真似をすると、
「いや、そうは思わないけれど……」
「判ったわ。お兄様が来てくれなくても私一人でも行くから」
私がそう言い切ると、
「いや、それはまずいだろう。しかし、子供だけで行くというのは」
「こんなことを大人に相談したら絶対に行かせてくれないわよ。お兄様は最果てのダンジョンに冒険に行きたくないの?」
「それは行きたいさ」
「でしょう。お母様の病も治って、お兄様は冒険も出来て言う事無いじゃない!」
私は悪魔の誘いをかけてみた。
「判った。少し考えてみるよ」
「約束よ。あまり時間はないと思うの」
「そんなに母上は重病なのか?」
「だって2回も血を吐いたのよ」
「判った。明日までに返事をするよ」
「約束だからね」
私はお兄様と指切りしたのだった。
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