戦神の加護を得た幼女は無敵です! 大国の王子達を顎で従えてダンジョン制覇に向かいます

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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天井裏から抜け出ようとしましたが、友人が二度も足を踏み外してくれました。

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 私は頭を振ると、慌てて探検服に着替えだした。

 そして、ベッドの下から非常用のザックを取り出す。
 いざという時用の避難グッズだとお母様達には誤魔化していたけど、私の探検セット一式入っているのよ。
 非常食や衣類が中には入っていた。 
 でも、三人が五人になったから食料が足りるだろうか?
 それに装備も……武器も……
 まあ、戦闘できるのは3人だけみたいだし、それでいいのか?


「どうやって抜け出るの?」
 モンモンが尋ねてきた。

「上から出るわ」
 私は天井を指さした。
「どうやって?」
「しっ」
 大きな声で聞いてきたので、私はモンモンの口を押えた。

「これから口うるさいミアとビアンカの監視を抜けていくんだから、静かにね」
 小さい声で注意する。

「良い?」
 2人をみる。
「うん」
「いいわ」
 2人が頷いてくれた。

「じゃあ、ついてきて」
 私はそう言うと、壁の一番大きなタンスの引き出しに手をかけた。
 一番下の引き出しを少し出す。
 その上に乗って次の引き出しを出す。
 そして、その次を……次々に出して、それを階段代わりに登っていくの。

「えっ、アリス、いつもこんなことして抜け出していたの?」
 モンモンが声に出して驚いてくれた。

「しっ、もう少し声を小さめにね。最後のイリーナは最後は引き出しを閉めてきてよ」
 私はモンモンの言葉には頷かなかった。
 いつ言いつけられるか判らないし、黙っておくに越したことは無いのよ。
 ついでにイリーナに仕事を言いつける。

「えっ、そんなことするの?」
 むっとしたイリーナに、
「追いかけられるのは少しでも遅い方が良いでしょ」
 私は説明した。

「これって面倒くさいんだけど……」
 文句を言いながらもイリーナは最後に移った端から引き出しを閉めてくれた。

 まあ、ミアとビアンカを誤魔化せるとは思えなかったけれど、未だにこれでバレたことは無いのよ。
 まあ、その時は夜のうちに帰ってきたから問題にならなかったなんだけど……
 今回は泊まりになるから絶対にバレるとは思ったけれど……発覚は遅い方が良いわ。

 昔バレたときは中庭の窓から抜け出したと思われていて、最近はそこを重点的に守っているのよ。
 今日はビアンカが窓の外で警備しているはずよ。

 私はさっさと引き出しを一番上まで登って、天板を動かす。
 そこにはヘッドライトを頭につけたお兄様とブラッドが既に揃っていた。

 後ろを振り返ると、危なっかしい足取りでモンモンが大分遅れて登ってくるんだけど……果たして無事に行けるんだろうか?
 私は今からとても心配になってきた。


 全員が天井裏に揃うまでに10分くらいかかった。
 かかりすぎだ。
 モンモンははあはあ言っている。

「モンモン、大丈夫? 止めるなら今のうちよ」
「ぜっ……うぐ」
 叫びそうになったモンモンの口を押えた。
「モンモン、しい」
 こんなところで見つかるのは嫌だ。
 私は睨み付けたんだけど、私の恫喝の睨みにもなれているモンモンはびくともしないんだけど……

 私は首を振った。
 こうなればこのまま行けるところまで行くしかない。

「良い? この桟の上を歩くのよ」
 私が天井の木の柱の上を歩きつつ教えた。

「外れるといくら子供だと言えども落ちるから気をつけて」
 私が全員に注意すると、モンモンは不安そうに私を見てきた。

 モンモンが足を踏み外せば一巻の終わりよ。
 ここは慎重に行かないと。

 子供部屋の上を通る時は私達は慎重にゆっくりと歩いた。
 先頭はお兄様。そして、モンモン、私、イリーナ、最後がブラッドだ。

 お兄様はスタスタ歩こうとするがモンモンが早くは歩けない。
 私は傍に落ちていた釘をお兄様に投げつけた。

「痛い!」
 お兄様が小声で叫んで私を睨んできた。

「お兄様、モンモンに合わせてよ」
「ああ、悪かった」
 小声でお兄様が謝ってくれた。

 そして、モンモンがお兄様に追いつこうと一歩踏み出したときだ。

「キャッ!」
 ズボッ

 モンモンの足が子供部屋の天井を突き破っていた。

 やってしまった!
 絶対にこれは見つかった!

 私達は真っ青になった。
 またお母様の前に呼ばれて怒られるの?
 最悪よ!

 でも、いくら待っても下から悲鳴も叱責の声も上がってこなかった。

 私は恐る恐る聞き耳を立てた。
 でも、下から物音がしない。

「えっ? ミアが席を外している?」
 私達が慌てて天板を外すと下は電気が消えて、ミアがいなかった。
「ラッキーよ。いないわ!」
 私はほっとした。

「もう、モンモン、気をつけてよね」
「ご免なさい。ちょっと焦ってしまって」
 私にモンモンが謝ってくれた。

 お兄様とブラッドが2人がかりでモンモンを引っ張り上げてくれた。
 その後を誤魔化すべく、私は天板を少しずらして踏み外した跡が目立たないようにした。

「じゃあ、急ごう」
「そうね」
 私達が慌てて、先を急ごうとしたときだ。

「キャッ!」
 ズボッ!

 また、モンモンが足を踏み外してくれたんだけど……

 ええええ!
 今やった尻からもう一度足を踏み外すなんてどういう事なの?

 こんなので本当に何千キロも離れた最果てのダンジョンまで行けるんだろうか?
 私は前途に暗雲が立ちこめるのをひしひしと感じていた。
***********************************************

 全然前に進めないアリス達でした…………
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