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城壁に登ろうとして音を歩哨の兵士達に気付かれてしまいました
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「お兄様。モンモンを背負って」
私はお兄様に頼み込んだ。
「えっ、モンモンさんをか」
お兄様が少し躊躇した。
「このままだと宮廷抜けるのに日が昇るわよ」
私が現実問題を話すと
「しかしな」
お兄様がモンモンを見た。
確かにモンモンは私と違って重いけれど、ここは時間優先だ。
「いや、そんな悪いですわ」
モンモンも真っ赤になっているんだけど……でも、満更でもなさそうだ。
まあ、お兄様は顔良し頭良し、一応地位もドラフォードの皇太子の第一王子だし、いうことは無い。
お兄様も何故か赤くなっているんだけど……何しているのよ。
確かにモンモンは私と違ってがさつではないし、女の子らしいというかお淑やかだし……
「えっ、私も疲れたわ」
その時いきなり後のイリーナまで訳の判らない事を言い出したんだけど、
「何なら俺がモンモンさんを背負おうか? 体力は俺が一番あると思うから」
赤くなってブラッドまでが言い出してくれたいるんだけど……
お前らな!
私は何故か切れてしまった。
「良いわ、モンモンは私が背負う」
そう言うと私は背のザックをブラッドに渡した。
「なんだこれは?」
ブラッドがザックと私を見比べてくれた。
「一番体力があるんでしょ。私の荷物を持ってよ」
むっとして私が言うと、
「あのな、えっ、重い」
ブラッドが私のに荷物を持って少しよろめいた。
キャンプ用品が入っているから重いのよ。
「お前こんなの持ってここまで来たのか?」
ブラッドが驚いているけれど、まだ私の部屋から10メートルも進んでいないわよ!
私は切れそうになった。
「この宮廷出るまでよ」
私は怒りを抑えつつブラッドを見もせずに言うと、
「さっ、モンモン」
モンモンに背を向けた。
「ええええ! アリスの背中?」
嫌そうにモンモンが言い出した。
「愚痴愚痴言うとここに置いていくわよ」
「判ったわよ。乗れば良いんでしょ」
私の怒りを感じ取ったらしく、素直に私の背中に乗ってくれた。
さっきの荷物よりは軽い。
「お兄様、良いわ」
「判った」
お兄様が天井裏を移動し始めた。
今までよりもスピードアップしている。
私がモンモンを背負ってその後ろに続き、
「えっ、ちょっと速くない?」
後を振り返ると文句を言いながらイリーナはついてくる。イリーナはまだモンモンよりも運動神経はありそうだ。
「おい、速いって……」
その後ろを自分と私の荷物を二つ背負いながらおっちらよっちらブラッドがついてくる。
まあ、なんとかなるだろう。
お兄様は突き当たりまで進むと、点検用の扉を開けた。
そこから一気に飛び降りる。
そして、傍の草むらに隠れた。
続いて私も周りを見て誰もいないのを確認しながら一気に飛び降りる。
下は芝生だ。
さっと着地する。
高さは10メートルもない。
大したことはない高さだ。
お兄様の草むらにモンモンを置くと、慌てて扉の下に戻る。
「えっ、ちょっとこの高さから飛び降りるの?」
イリーナが戸惑っている。
「さっ、速く、落ちても私が受け止めるから」
イリーナに言うが、
「そんなこと言っても……」
中々イリーナは踏ん切りがつかないみたいだ。
でも、いくら人がいないとは言ってもここは周りから見える場所だ。
あまり長居は出来ない。
私が焦りだしたときだ。
「さあ、イリーナ、行くんだ」
ブラッドがイリーナにそう言うと、イリーナを思いっきり押していた。
さすがノルディンの皇子、やることがえげつない。
「えっ、キャッ」
イリーナは小さな悲鳴を上げて落ちてきた。
私がそれを受け止める。
そのまま私は地面に叩きつけられるが、まあ、これくらいなら大丈夫よ。
「もう、いきなり止めてよね」
ブツブツ文句を言いながらイリーナは立ち上がった。その横にブラッドが落ちてきた。
「静かに、行くわよ」
そのままお兄様のいる草むらまで駆ける。
「ふう」
私はため息をついた。
ここまで二人だけなら楽勝だったのに……既にいつもの10倍疲れた。
もう一冒険した気分だ。
「ここから林の中を突っ切って城壁まで行くからな」
「ええええ! まだ大分距離があるじゃない」
お兄様の言葉にイリーナは驚いていたが、
「当たり前でしょ。まだまだ先は長いわよ」
私は呆れてイリーナを見た。
「城壁を越えたら後は楽だから、そこまで頑張ってほしい」
「まあ、そういう事でしたら頑張りますわ」
見目麗しいお兄様にそう頼まれるとイリーナは何も言えないみたいだった。
なんか少しむかつくが今は脱出するのが先決だ。
「頑張ります」
モンモンがなんか言っているけれど、あなたは私の背中に背負われているだけじゃない!
途中で落としてやろうかしら……私は少し切れていた。
「では行くぞ」
今度はお兄様、イリーナ、私、ブラッドの順だ。
お兄様はちょこまかとしながら背の低い木の下から木の下に移動していく。
ここは見晴らしは良くて見つかりやすいが、歩哨の兵はあまりいないのよ。それは今までの体験から理解していた。
そして、林の中に入る。
城壁まであと少しだ。
宮廷の建物のすぐ傍の城壁は警備も厳重だが、こちらは少ないのよ。
城壁の間近まで林が続いていた。
お兄様が気配を探る。
城壁の上を歩哨の明かりが照らした。
時間通り警戒の歩哨だ。
1時間毎に回っているのよ。
これが過ぎたらあと1時間は回ってこない。
今日は新月。明かりも少ないし、絶妙の逃亡日和なのよ。
歩哨が通り過ぎた後だ。
お兄様は自分の荷物からロープと鍵縄を取り出した。
そして、それを城壁の上に投げる。
カチン
それが弾かれた。
「おい、何か音がしなかったか?」
「何だと」
歩哨の兵士の声がいした。
やばい、気付かれた!
兵士達が戻ってくる足音がした。
私達は慌てて隠れた。
私達は絶体絶命のピンチに立たされたのだ。
***********************************
さて、アリス達は見つかってしまうのか?
続きをお楽しみに!
私はお兄様に頼み込んだ。
「えっ、モンモンさんをか」
お兄様が少し躊躇した。
「このままだと宮廷抜けるのに日が昇るわよ」
私が現実問題を話すと
「しかしな」
お兄様がモンモンを見た。
確かにモンモンは私と違って重いけれど、ここは時間優先だ。
「いや、そんな悪いですわ」
モンモンも真っ赤になっているんだけど……でも、満更でもなさそうだ。
まあ、お兄様は顔良し頭良し、一応地位もドラフォードの皇太子の第一王子だし、いうことは無い。
お兄様も何故か赤くなっているんだけど……何しているのよ。
確かにモンモンは私と違ってがさつではないし、女の子らしいというかお淑やかだし……
「えっ、私も疲れたわ」
その時いきなり後のイリーナまで訳の判らない事を言い出したんだけど、
「何なら俺がモンモンさんを背負おうか? 体力は俺が一番あると思うから」
赤くなってブラッドまでが言い出してくれたいるんだけど……
お前らな!
私は何故か切れてしまった。
「良いわ、モンモンは私が背負う」
そう言うと私は背のザックをブラッドに渡した。
「なんだこれは?」
ブラッドがザックと私を見比べてくれた。
「一番体力があるんでしょ。私の荷物を持ってよ」
むっとして私が言うと、
「あのな、えっ、重い」
ブラッドが私のに荷物を持って少しよろめいた。
キャンプ用品が入っているから重いのよ。
「お前こんなの持ってここまで来たのか?」
ブラッドが驚いているけれど、まだ私の部屋から10メートルも進んでいないわよ!
私は切れそうになった。
「この宮廷出るまでよ」
私は怒りを抑えつつブラッドを見もせずに言うと、
「さっ、モンモン」
モンモンに背を向けた。
「ええええ! アリスの背中?」
嫌そうにモンモンが言い出した。
「愚痴愚痴言うとここに置いていくわよ」
「判ったわよ。乗れば良いんでしょ」
私の怒りを感じ取ったらしく、素直に私の背中に乗ってくれた。
さっきの荷物よりは軽い。
「お兄様、良いわ」
「判った」
お兄様が天井裏を移動し始めた。
今までよりもスピードアップしている。
私がモンモンを背負ってその後ろに続き、
「えっ、ちょっと速くない?」
後を振り返ると文句を言いながらイリーナはついてくる。イリーナはまだモンモンよりも運動神経はありそうだ。
「おい、速いって……」
その後ろを自分と私の荷物を二つ背負いながらおっちらよっちらブラッドがついてくる。
まあ、なんとかなるだろう。
お兄様は突き当たりまで進むと、点検用の扉を開けた。
そこから一気に飛び降りる。
そして、傍の草むらに隠れた。
続いて私も周りを見て誰もいないのを確認しながら一気に飛び降りる。
下は芝生だ。
さっと着地する。
高さは10メートルもない。
大したことはない高さだ。
お兄様の草むらにモンモンを置くと、慌てて扉の下に戻る。
「えっ、ちょっとこの高さから飛び降りるの?」
イリーナが戸惑っている。
「さっ、速く、落ちても私が受け止めるから」
イリーナに言うが、
「そんなこと言っても……」
中々イリーナは踏ん切りがつかないみたいだ。
でも、いくら人がいないとは言ってもここは周りから見える場所だ。
あまり長居は出来ない。
私が焦りだしたときだ。
「さあ、イリーナ、行くんだ」
ブラッドがイリーナにそう言うと、イリーナを思いっきり押していた。
さすがノルディンの皇子、やることがえげつない。
「えっ、キャッ」
イリーナは小さな悲鳴を上げて落ちてきた。
私がそれを受け止める。
そのまま私は地面に叩きつけられるが、まあ、これくらいなら大丈夫よ。
「もう、いきなり止めてよね」
ブツブツ文句を言いながらイリーナは立ち上がった。その横にブラッドが落ちてきた。
「静かに、行くわよ」
そのままお兄様のいる草むらまで駆ける。
「ふう」
私はため息をついた。
ここまで二人だけなら楽勝だったのに……既にいつもの10倍疲れた。
もう一冒険した気分だ。
「ここから林の中を突っ切って城壁まで行くからな」
「ええええ! まだ大分距離があるじゃない」
お兄様の言葉にイリーナは驚いていたが、
「当たり前でしょ。まだまだ先は長いわよ」
私は呆れてイリーナを見た。
「城壁を越えたら後は楽だから、そこまで頑張ってほしい」
「まあ、そういう事でしたら頑張りますわ」
見目麗しいお兄様にそう頼まれるとイリーナは何も言えないみたいだった。
なんか少しむかつくが今は脱出するのが先決だ。
「頑張ります」
モンモンがなんか言っているけれど、あなたは私の背中に背負われているだけじゃない!
途中で落としてやろうかしら……私は少し切れていた。
「では行くぞ」
今度はお兄様、イリーナ、私、ブラッドの順だ。
お兄様はちょこまかとしながら背の低い木の下から木の下に移動していく。
ここは見晴らしは良くて見つかりやすいが、歩哨の兵はあまりいないのよ。それは今までの体験から理解していた。
そして、林の中に入る。
城壁まであと少しだ。
宮廷の建物のすぐ傍の城壁は警備も厳重だが、こちらは少ないのよ。
城壁の間近まで林が続いていた。
お兄様が気配を探る。
城壁の上を歩哨の明かりが照らした。
時間通り警戒の歩哨だ。
1時間毎に回っているのよ。
これが過ぎたらあと1時間は回ってこない。
今日は新月。明かりも少ないし、絶妙の逃亡日和なのよ。
歩哨が通り過ぎた後だ。
お兄様は自分の荷物からロープと鍵縄を取り出した。
そして、それを城壁の上に投げる。
カチン
それが弾かれた。
「おい、何か音がしなかったか?」
「何だと」
歩哨の兵士の声がいした。
やばい、気付かれた!
兵士達が戻ってくる足音がした。
私達は慌てて隠れた。
私達は絶体絶命のピンチに立たされたのだ。
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さて、アリス達は見つかってしまうのか?
続きをお楽しみに!
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