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第五部 小国フィーアネンの試練編
【これラノ2023ノミネート記念】友人を助けるためにとある男爵領に皆で向かうことにしました。
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邸宅にクラスメートを呼ぶのは結構大変だった。
大変とは言っても、準備をやってくれたのは、執事や、アリスや弟達だったけれど……
うーん、上に立つ人間は黙って見ているだけで良いのだ……
そうメラニーに言ったら、白い目で見られた。
「何よ、そのばかにした目は!」
私が文句を言うと、
「まあ、そうよね。あんたが手伝ってくれると、仕事量が倍に増えるから何もしてくれなくて良いわ」
と完全に言ってくれたんだけど……
「そんなことないわよ。私も役に立つわよ!」
私の苦情はあっさりと無視されたのだ。
皆席についている。
今は朝の朝食タイムだ。
皆の前にはパンとバター、それに珍しくヨーグルトがついていた。
貴族連中には少ないのかもしれない。
「それより、フラン、この緑の液体は何よ」
メラニーがコップに入っている液体を見ていった。
「えっ、それは……」
前世でも罰ゲームに飲まされた青汁だ。
私は流石に答えかねた。
もっともそのあたりに生えている薬草を中心にしたのだが。
「良く聞いていただきました。それはフラン様愛用の魔力の増えるジュースです」
執事のクリストフが言ってくれるんだけど、本当か?
当然魔の森に食事なしで放り出されたときにはその辺の草を手当たり次第に食べていたけれど、地上で青汁は飲んだことがなかったのだが。
「えっ、そうなの」
私が言ったら絶対に信じなかったメラニーもクリストフの言う事は聞くんだけど。絶対におかしい。私はこいつにどれだけ騙されたことか……
「そうですよね。フラン様」
クリストフが同意を求めてくるんだけど。
仕方なく私は頷いた。
「薬草を中心に煎じていますので、お肌にもとても宜しいのです」
胡散臭い笑顔でクリストフは言ってくれるんだけど。
ただ、メラニーは青汁とクリストフの顔を交互に見ている。
仕方がない。ここは私が飲むしか無いみたいだ。
私は口に入れると一気に飲んだのだ。
まあ、草をそのまま食べるよりは余程マシだけれど……
あまり飲みたいものではなかった。
「ふーーー」
飲み切ってタオルで口を拭く。
「よし、俺もやるぜ」
アルマンが挑戦する。
「じゃあ俺も」
バンジャマンまでが飲みだして、皆何とか飲みだすんだけど。
「健康のために頑張ります」
ってオリーブも一生懸命に飲んでいた。
まあ、健康に悪いものじゃないんだけど。公爵家の食卓に出てくるということが少し違うような気がするんだけど。
「メラニー様、家からお手紙が送られてきました」
そんな時にメラニーに手紙がクリストフから渡された。
「あら、ジスランからよ」
メラニーが珍しそうに差出人を見て言った。
「何々、恋文?」
私の嬉々とした言葉に
「恋文っていつの時代の話ししているのよ。それにあんたと殿下じゃあるまいし」
「何言っているのよ。アドから恋文なんてもらったことないわよ」
「あなたと殿下は魔導通信が使えるからじゃない?」
ノエルが言ってくれるが
「うーん、でも、偶にはラブレターも欲しいわよ」
私が文句を言うんだけど。
「なんか我儘だよな。フランは」
アルマンが言ってくれるけれど、希望くらい言っても良いと思うんだけど。
「なんかジスランのところ大変みたいよ。帝国教の司祭に領地を乗っ取られそうだって」
「どういうことよ、それは?」
メラニーが書いてある内容を詳しく説明してくれた。
疫病が流行った所に帝国教の司祭が現れて奇跡を起こして治したらしい。いかにも胡散臭そうな話だった。
「それで出来たらフランに助けてほしいって」
「そう言うことなら、仕方がないわね。じゃあ、行くわ」
私はそう言うと立ち上がった。
「行くって、どこに?」
メラニーが聞いてきた。
「ジスランの領地に決まっているでしょ」
「ここから急いでも3日はかかるわよ」
メラニーが慌てて言ってくれたが、
「そんなの大したことじゃないわよ。学園の友人から助けてほしいって頼まれたら、やるしかないじゃない」
「ちょっと、姉上、そんな急に言われても、すぐに準備ができないよ」
慌ててジェドが駆けてきたんだけど。
「出来る準備だけでいいから」
「ちょっと待ちなさいよ。あなた一人で行くつもり」
メラニーが呆れて聞いてきた。
「だって友人が困っているんだから」
「俺達も友人だろう」
横からアルマンが言ってくるんだけど。
「えっ、あなた達も来てくれるの」
「クラスメートじゃないか」
「皆も来るの?」
私が皆を見回して聞くと「当然です」
オリーブが頷いてくれるんだけど。
一人のほうがやりやすいのだが、まあ、皆でやるのも楽しそうだ。私は前世、修学旅行に行けなかったので、皆で旅行にも、とても行きたかった。
「40人の移動か」
私は少し戸惑った。
「ジェド、取り敢えず、3時間待つわ。その間に全て準備して」
「えっ、そんな無茶だよ」
ジェドは頭を押さえた。
「ジェド様。何でも指示して下さい。僕らも手伝いますから」
アルマンらが申し出てくれた。
「判った。姉上は本当に無茶ばっかり言うんだから。少し待ってくれ。今考える」
ジェドは諦めた目を瞑って1分間考えたジェドが次々に指示を始めた。
「じゃあ、オーレリアンさんは王宮に行って8人乗りの馬車を5台用意してもらってくれますか」
「判った。じゃあ、アルマン、君たちも来てくれるか」
「了解」
オーレリアンは10人くらいで慌てて馬に乗って出ていく。
「残りの男性陣はクリストフがテント出してくれるから個数の確認をして下さい」
「判りました」
残りの男性陣が頷く。
「後、女性陣はキャンプの用意をグレースの指示で行って下さい」
グレースが女性陣に次々に指示を始めたのだ。
私達は一団でアベラール男爵領に向かうことにしたのだった。
**********************************************************
修学旅行気分満々のフランだけど、貴族の皆が果たしてそれに耐えられるのか?
続きは今夜です。
広告の下もよろしくお願いします!
大変とは言っても、準備をやってくれたのは、執事や、アリスや弟達だったけれど……
うーん、上に立つ人間は黙って見ているだけで良いのだ……
そうメラニーに言ったら、白い目で見られた。
「何よ、そのばかにした目は!」
私が文句を言うと、
「まあ、そうよね。あんたが手伝ってくれると、仕事量が倍に増えるから何もしてくれなくて良いわ」
と完全に言ってくれたんだけど……
「そんなことないわよ。私も役に立つわよ!」
私の苦情はあっさりと無視されたのだ。
皆席についている。
今は朝の朝食タイムだ。
皆の前にはパンとバター、それに珍しくヨーグルトがついていた。
貴族連中には少ないのかもしれない。
「それより、フラン、この緑の液体は何よ」
メラニーがコップに入っている液体を見ていった。
「えっ、それは……」
前世でも罰ゲームに飲まされた青汁だ。
私は流石に答えかねた。
もっともそのあたりに生えている薬草を中心にしたのだが。
「良く聞いていただきました。それはフラン様愛用の魔力の増えるジュースです」
執事のクリストフが言ってくれるんだけど、本当か?
当然魔の森に食事なしで放り出されたときにはその辺の草を手当たり次第に食べていたけれど、地上で青汁は飲んだことがなかったのだが。
「えっ、そうなの」
私が言ったら絶対に信じなかったメラニーもクリストフの言う事は聞くんだけど。絶対におかしい。私はこいつにどれだけ騙されたことか……
「そうですよね。フラン様」
クリストフが同意を求めてくるんだけど。
仕方なく私は頷いた。
「薬草を中心に煎じていますので、お肌にもとても宜しいのです」
胡散臭い笑顔でクリストフは言ってくれるんだけど。
ただ、メラニーは青汁とクリストフの顔を交互に見ている。
仕方がない。ここは私が飲むしか無いみたいだ。
私は口に入れると一気に飲んだのだ。
まあ、草をそのまま食べるよりは余程マシだけれど……
あまり飲みたいものではなかった。
「ふーーー」
飲み切ってタオルで口を拭く。
「よし、俺もやるぜ」
アルマンが挑戦する。
「じゃあ俺も」
バンジャマンまでが飲みだして、皆何とか飲みだすんだけど。
「健康のために頑張ります」
ってオリーブも一生懸命に飲んでいた。
まあ、健康に悪いものじゃないんだけど。公爵家の食卓に出てくるということが少し違うような気がするんだけど。
「メラニー様、家からお手紙が送られてきました」
そんな時にメラニーに手紙がクリストフから渡された。
「あら、ジスランからよ」
メラニーが珍しそうに差出人を見て言った。
「何々、恋文?」
私の嬉々とした言葉に
「恋文っていつの時代の話ししているのよ。それにあんたと殿下じゃあるまいし」
「何言っているのよ。アドから恋文なんてもらったことないわよ」
「あなたと殿下は魔導通信が使えるからじゃない?」
ノエルが言ってくれるが
「うーん、でも、偶にはラブレターも欲しいわよ」
私が文句を言うんだけど。
「なんか我儘だよな。フランは」
アルマンが言ってくれるけれど、希望くらい言っても良いと思うんだけど。
「なんかジスランのところ大変みたいよ。帝国教の司祭に領地を乗っ取られそうだって」
「どういうことよ、それは?」
メラニーが書いてある内容を詳しく説明してくれた。
疫病が流行った所に帝国教の司祭が現れて奇跡を起こして治したらしい。いかにも胡散臭そうな話だった。
「それで出来たらフランに助けてほしいって」
「そう言うことなら、仕方がないわね。じゃあ、行くわ」
私はそう言うと立ち上がった。
「行くって、どこに?」
メラニーが聞いてきた。
「ジスランの領地に決まっているでしょ」
「ここから急いでも3日はかかるわよ」
メラニーが慌てて言ってくれたが、
「そんなの大したことじゃないわよ。学園の友人から助けてほしいって頼まれたら、やるしかないじゃない」
「ちょっと、姉上、そんな急に言われても、すぐに準備ができないよ」
慌ててジェドが駆けてきたんだけど。
「出来る準備だけでいいから」
「ちょっと待ちなさいよ。あなた一人で行くつもり」
メラニーが呆れて聞いてきた。
「だって友人が困っているんだから」
「俺達も友人だろう」
横からアルマンが言ってくるんだけど。
「えっ、あなた達も来てくれるの」
「クラスメートじゃないか」
「皆も来るの?」
私が皆を見回して聞くと「当然です」
オリーブが頷いてくれるんだけど。
一人のほうがやりやすいのだが、まあ、皆でやるのも楽しそうだ。私は前世、修学旅行に行けなかったので、皆で旅行にも、とても行きたかった。
「40人の移動か」
私は少し戸惑った。
「ジェド、取り敢えず、3時間待つわ。その間に全て準備して」
「えっ、そんな無茶だよ」
ジェドは頭を押さえた。
「ジェド様。何でも指示して下さい。僕らも手伝いますから」
アルマンらが申し出てくれた。
「判った。姉上は本当に無茶ばっかり言うんだから。少し待ってくれ。今考える」
ジェドは諦めた目を瞑って1分間考えたジェドが次々に指示を始めた。
「じゃあ、オーレリアンさんは王宮に行って8人乗りの馬車を5台用意してもらってくれますか」
「判った。じゃあ、アルマン、君たちも来てくれるか」
「了解」
オーレリアンは10人くらいで慌てて馬に乗って出ていく。
「残りの男性陣はクリストフがテント出してくれるから個数の確認をして下さい」
「判りました」
残りの男性陣が頷く。
「後、女性陣はキャンプの用意をグレースの指示で行って下さい」
グレースが女性陣に次々に指示を始めたのだ。
私達は一団でアベラール男爵領に向かうことにしたのだった。
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修学旅行気分満々のフランだけど、貴族の皆が果たしてそれに耐えられるのか?
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