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翌朝食堂でカートと仲直りしました

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翌朝起きた時の気分は最悪だった。

ここ数日考えてみれば、ずうーっと気が張り通しだった。

入学式があって、オリエンでは初めて会った高貴な王子たちとやりあったのだ。口でなんと言おうと、一応この国で一番偉い王族様だ。いくら私が図太いとは言え、周りは認めないかも知れないが、これでも私なりに気を使っていたのだ。

そして、一昨日はハンナのペンダントの件で嵌められて、これまた高位貴族様とやりあったし、昨日は副学長に呼ばれて・・・・と休む間も無かった。

金曜日の夜からダンジョン潜ってポーション作ってたけど、あまり休めていなかったみたい。

それに加えて、昨日は慣れない礼儀作法の補講をさんざんやらされて、このままではカートの隣にはいられないみたいなことをはっきり言われて、少しショックを受けてもいたのだ。

なのに、そこにやってきたカートはショックを受けている私のことなんて気にもかけずに、私が気になつている所をズバズバついてきたから、切れてしまったのだ。

色々ショックを受けている私を少しは慰めてくれたり、気にする素振りをしてくれたらまた違ったと思うが、それもなく注意されたから切れたのだ。

もう少し優しくしてくれても良いじゃない。と思うのは私の我儘だろうか?

でも、カートとケンカしてしまった。覚えている限りカートとケンカしたのは初めてだった。どんな顔してカートと会えば良いんだろう。まあ、学園内では中々会えないけれど。

その時ドアが叩かれた。

「リア、大丈夫?」
開けたドアの先にはベッキーがいた。

「えっ、どうしたの。あんた顔酷いわよ」
「えっ?本当に?」
「鏡見てみなさいよ」
私は部屋の鏡を見ると目が真っ赤に腫れていた。

「ちょっと冷やさないと」
エイミーが氷を作ってくれる。

二人が色々やってくれたので、なんとか誤魔化せるようになったとは思う。
二人が理由を聞いてくれないのは助かった。聞かれても答えにくいし。

もう時間がないので、着替えて食堂に行ってそのまま授業に行くことにする。



でも、寮の入り口にカートが待っていたのだ。

「リア、昨日はゴメン」
いきなり、カートが頭を下げてきた。

「なんで謝るのよ」
私がぶすっとして言う。

生暖かい視線を送ってベッキーとエイミーは手を振ると私を置いて食堂に向かっていった。


「いや、昨日は疲れているリアの気持ちも考えずに、一方的に色々話して悪かった。リアも色々と話したいこともあったと思うのに、何も聞かずにゴメン」
なんか少し違うけれど、でも、こう言われるとカートには何も言えない。

「私もいきなり立ち去ってゴメン」
そう返すしか無かった。

「いや、本当に俺が悪かった」
カートが謝る。

通り過ぎる皆が興味津々にジロジロ見ていく。女としてはどうかと思われている破壊女の私の前にイケメンがいるのだから、皆気になるのだろう。


「カート時間がないし、食堂行こう」
私は皆の視線がいたたまれなくなって言う。

「そうだな」
何故か荷物を持たれて食堂に連れて行かれる。

座らされて、食器をカートが持ってきてくれた。カート本人の分は持っていない。

「カートのは?」
「俺はもう済ませている」
私の問にカートが答えた。

「さっ、リア、食べないと」
「うーん、あんまり食欲がない」
目の前にカートがいて、自分一人食べるのは食べづらかった。

「何言っているんだよ。昨日もあんまり食べていなかったろ。食べないと」
そう言うとカートはパンをちぎると私の口元に持ってきた。

「ちょっと・・・・」
口を開けた時にパンのかけらを口に放り込まれる。

「きゃっ」
黄色い声がこちらに向けて放たれる。クラスの女の子だ。
ベッキーらも生暖かい視線を送ってくる。

「さっさと食べよう」
「ちょっと自分で・・・・」
抗議のために口を開けるとまた放り込まれる。

「ちょっと恥ずかし・・・・」
また放り込まれた。

「何恥ずかしがっているんだよ。ポーション作っていて両手がふさがっている時は俺がこうして食わさせているだろう」
「いや、でもあれは周りにだれも・・・・」
また放り込まれた。

「もう、ちゃんと食べるからもう食べさせないで」
赤くなって私はカートからパンを取り上げた。

「えっ、じゃあ許してくれる?」
うーん、卑怯だ、カート。食べさせを人質に取るなんて。

「チョコパフェ奢ってくれたら考えても良い」
仕方無しに私は言った。

「はい、お姫様。仰せの通りに」
そう言うカートの手には、何故かヨーグルトを入れたスプーンが載っており、それは無理やり口の中に放り込まれた。

周りの女の子から黄色い悲鳴が沸き起こり、男どもからは白い視線が送られていた・・・・、
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