好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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第一王子視点10 リアに謝りましたが、更に怒らせてしまいました

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俺はリアに許してもらうために、サウス湖畔の沿岸視察を休暇を兼ねて強引にセドリックやザカリーらを使って放り込んだ。父には帝国に怪しい動きがあるとの通報があったという言い訳を作って申請したのだ。
なに、元々帝国のパステル商会という怪しい商会が何らかの倉庫をサウス湖畔に作って、怪しい男達が出入りしているという情報があったので、それを利用したまでのことだ。

近衛2個小隊の20名を引き連れるが、極秘ということで変装させていく。こいつらの半数は元第一騎士団なのでリアに会うのに動いてもあんまり文句は言わないだろう。

リアの滞在しているドラモンド男爵の別荘は湖の真ん前の一等地にあるようだ。さすが金回りが良いヨーク商会だけはあるだけはある。
王家の別荘は湖と王都に繋がるブランドル川の流出地点にあり、別荘というよりは小さい城だった。
湖畔に建つ白鳥城とか言われていた。
まあ、遠くからの見た目は良い。但し古くなって、所々ボロが出ていルが。作った時は金があったみたいだが、今の王国にはこのような城に金をかける余裕はなかった。

「元はとてもきれいだったと思うんだが、壁紙とか結構古くなってるな」
俺がつぶやくと

「俺の部屋は湯の出が悪かった」
「私のところは中のクローゼットの取っ手が壊れていた」
「まあ、古城ってこんなものでしょう」
セドリックらの文句にザカリーが言う。

「でも景色は最高なんだ。特に塔からの眺めが、出来たらリアに見せてやりたいんだが」
「それは無理なんじゃ無いか」
「また嫌われるぞ!」
「それよりもさっさと許してもらわないと」
俺の言葉にセドリックらが忠告する。

俺はまだその時、リアの怒りの大きさが良く判っていなかった。

取り敢えず変装して、リアの許しを得るためにアボット公爵の別荘に情報を仕入れにいく。
ちょうどプリシラもついたところで、リアの居場所を探してくれると馬車に乗って出ていった。
馬車が帰ってくるとリアは湖畔を散歩していると言う。
俺は慌て、馬車で湖畔に向かった。

「どちら様でしたっけ」
見つけて声をかけた俺に、リアは言い放ったのだ!

「・・・・」
嘘っ!そんな!こんなリアクションは初めてだった。俺はリアの怒りが強い事に慌てた。

「いや、リア、ちょっと待って、俺が悪かったから」
大声を上げてリアに追いすがる。もう恥も外聞もなかった。

周りにいる人が好奇な視線を投げ掛けてくるが、知ったことではなかった。

「リア、パーティーの時は本当にゴメン」
前に回り込んで土下座しそうな勢いで俺は頭を下げた。

「どちら様でしたっけ」
再度、リアが無視して横を向く。

「本当に申し訳なかった。王子の言いつけでどうしようもなくて」
俺は言い訳をした。本来、カートで出るつもりだったのだ。

「はいはい、どうせ私は王子の次ですよ」
「いや、リア、本当にどうしようもなくて」
一応俺は約束通りリアの相手はしたんだ。見た目は違うかも知れないけれど。

「なら前もって言ってくれればよかったじゃない。そうしたら他の子と行ったのに」
「それが嫌だから王子にお願いしたんじゃないか」
俺は思わず言ってしまったのだ。他の奴に相手させるくらいなら、見た目は違っても俺が相手したのだ。

でも見た目はリアにはカートと王子が別人に見えているという現実が良く理解出来ていなかった。

「カート、元々あなたが一緒に行ってほしいって言ったのよね」
リウの氷のような声に俺は更にまずいことを言ってしまった事に気付いた。

「そうです」
俺はただ頷くしかなかった。

「指切りしたよね」
「ハイ」
それも事実だ。だからおれ自身が・・・・

「じゃあ、どんな事があっても守りなさいよ!」
「面目ない」
俺は守ったのだ。おれ自身は・・・・。

「私はあなたとの約束があったから、他のクラスメートからの約束も全て断ったのよ。理解しているの?私が一人、3年生と約束したから少なくとも一人の男の子があぶれたのよ。当然、あなたが来れなかったら私はその子と行くわよ」
「り、リア、そんな・・・・」
俺は信じられなかった。おれ自身はリアを裏切っていないのだ。おれ自身が相手はしたのだ。なのにリアは他の奴と出るって言ってる。

「当たり前でしょ。あなたがあなたの付き合いがあるように、私も私の付き合いがあるのよ。それを何勝手に私の相手を決めているのよ。何故あなたが私のことわりもなしに、私の相手を決めるの。それも絶対に関わりたくない王子様なんかと。おかしくない?」
リアは怒って言った。

俺が王子だとはリアは全く気付いていなかった。
でも、俺はリア一筋でずうっと来たのだ。あれだけリアに尽くしたのに、王子としては絶対にリアには認めてもらえないのだろうか? 確かに見た目は違う。まあ、それが全てなんだが、いずれはリアに王子だと告白して、認めてもらうつもりでいたのに。
こんな感じでは全く可能性はないのか?
王子としても少しは好意を持ってくれているところはあると思っていたのに。

俺は絶望した。


「いや、オーレリア嬢。今回の件は俺が悪いんだ。無理やりカートにさせたのは俺だ。カートは許してやってほしい」
俺の茫然自失の状態を見てセドリックがフォローしようとしてくれた。

「ごめんなさい。何言われているのかわかりません。これは私とカートの問題で、あなた様は関係ないですよね」
せっかくのセドリックの言葉もリアの怒りに火を注ぐ結果しか生まなかった。

「カート、きれいな衣装もらって嬉しかった。一緒にサマーパーティーに行きたかった。
なのに迎えに来たのが他の人って、そんなのあり得ないじゃない!所詮私が平民の女だから代打が王子様だったら喜ぶと思ったの?
そう思うんなら、お貴族様のご令嬢か、そう言う高貴な方が好きな方と付き合いなさいよ」

リア、それは違う。王子は俺なんだ。カートが王子なんだ。他人任せじゃなくて、おれ自身が相手しているんだ。俺はそう言いたかった。でも今の状態では更に火に油を注ぎかねなかった。

「カートなんて、大嫌い!」
最後通牒のようなリアの言葉が俺の心臓を直撃した。
もう駄目だ。二度と立ち直れない。

俺はただただ立ち尽くしていた。
リアが駆けていくのを呆然と見ていた。

まさか、リアから嫌いと言われるとは。それも大嫌いだって・・・・・

俺の目の前が真っ暗になった。



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