好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
113 / 144

第一王子視点14 勝手にリアを振ったことになっていました

しおりを挟む
俺にとってリアはとても大切な女の子だった。子供の時にダンジョンで命を救われてからずうっとそうだった。最近では見間違えるほど綺麗になって、俺は他の奴に取られたらどうしようと気が気でなかった。
それでなくても俺は王子であるというマイナスポイントがあるのだ。普通は平民の女の子が王子に見初められたらシンデレラ物語で、プラスになるのに、リアに限ってはとてつもないマイナスポイントになるのだ。
オーガストは平民だから許すとか、ベンジャミンは農業できて食べ物自給できるから結婚しようとか、リアなら平気で言いそうなのだ。それでなくてもサマーパーティーで王子だったら、他の子と行く約束をしたとはっきり言われているのだ。

今回の王妃のお茶会は絶対に王子がリアにとってプラスになるというポイントを得るチャンスなのだ。

確かにリアは、防御魔術の障壁は完璧で、毒に対するポーションも桁違いにすごかった。

俺の行動はそんなリアにとって必要ないことかもしれなかった。
でも、リアはとんでもないところが抜けていることがあって、俺は心配で黙って待っているわけにはいかなかった。

そう、リアが王妃に呼ばれていると知って、俺は前もって王妃に釘を刺しに行ったのだ。

まさか、そこで毒を盛られるなんて思ってもいなかった。本当に馬鹿だった。

紅茶を飲んでも変なところはなく紅茶の味しかしなかったのだ。少ししか飲まなかったが、無味無臭の西国の遅行性の毒だとは思ってもいなかった。

やってきたリアは普通に王妃と嫌味でやりあっており、将来的に貴族社会でも十二分にできると安心した。

少し抜けている所もあるけれど、それはベッキーらがカバーしてくれるだろうと・・・・

そう思った時だ。急に息苦しくなったのだ。手足が動かなくなった。

やばい。そう思った時だ。リアが近衛師団長に手を抑えられるのが見えた。

リア。俺は手をリアに伸ばして近衛師団長から守るために、こちらに引き寄せようとしたが、、うまく体が動かない。

俺は叫ぼうにも叫べなかった。

しかし、リアは一瞬で近衛師団長を障壁で弾き飛ばしたみたいだった。

そして、リアのポーションを飲めない俺に口移しで飲ませてくれた。

リアとのファーストキスだった。リアのポーションは苦かったが、そんな事は関係ないほど甘く、香ばしいキスだった。リアが口移しに飲ませてくれるポーションは毒を一瞬で浄化してくれた。

俺は安心したのかリアの胸の中で気を失っていた。

俺は幸せだった。そうこの時までは。




目を覚ました時にはリアは傍にいなかった。

周りに聞くと3日間は俺の面倒を見てくれたそうだ。

俺に毒を飲ませた王妃は、俺の母や、祖父を殺したことも自供したそうだ。

リアは俺と同じ毒を王妃に飲ませて、王妃を自供に追いやったらしい。

さすがリアだとその時は思っていた。

でも、リアには俺が王子だとは言っていなかった。

その秘密をなんとあのクソ王妃がばらしてくれたと・・・・

やばい、1日でも早く、事実を告げないと。リアに見捨てられる。

急いで、今まで黙っていたことを謝らないといけない。

俺の周りにいるのはメルヴィンと騎士だけになっていた。セドリックはどうしたって聞くと、公爵に呼び出されて領地に帰っているとか。

リアのことを周りに聞くと、家に帰っているとのことだった。

医者にいつ頃歩けるようになるかと聞くと卒業パーティーにはなんとか間に合うと言われた。

それでは遅いんだけど。

メルヴィンにリアに会いたいと告げると、もう少し良くなってからだと誤魔化された。

なんか怪しいと思ったのだ。

その日、ザカリーが来るまでは。


ザカリーが来たとのことで、二人で会うと、
「元気になられたようですね」
なんか不自然な笑顔で言われた。

「じゃあ、もう僕は必要ないですよね」
いきなり、側近を止めると言い出したのだ。
俺は驚いた。何故このタイミングでそれを言う?
ザカリーにはリアの情報を教えてもらっているのに、何を言うんだこいつは。

「リアは元気にしているのか」
と聞くと、

「はあああ?」
何故かザカリーにプッツン切れられた。


「よく、そんな事が言えますね。俺は殿下を見損ないましたよ」
「ちょっと待て、ザカリー、何言っているんだ」
俺は慌てた。なんで怒られるんだ。

「帝国の皇女殿下との婚約が決まって、リアを捨てたんでしょ」
ザカリーの言葉は俺にとって青天の霹靂だった。何言っているんだ、こいつは?俺がリアを捨てるなんてありえないだろう。そういうふうに散々言っているじゃないか。

「はあああ、何を言っている。そんなわけないだろう」
「何言っているんですか。王国で知らないものはもういないですよ。かわいそうにリアはショックを受けて家出して行方不明だって言うのに。最低ですよね」
「ちょっと待て、ザカリー」
しかし、ザカリーはそのまま出て行こうとした。無理やり、ベッドから飛び出してすがりついて止める。

「何するんですか。離してくださいよ。リアを裏切った殿下なんて大嫌いです」
「いや、裏切っていないって。頼む、ザカリー、お前が何言っているか全くわからないんだ」
俺はザカリーにしがみついて頼み込んだ。

「ちょっと殿下、何しているんですか」
入ってきた、メルヴィンが驚いて言った。

「それどころじゃないだろう。メルヴィン、お前、俺に隠していることがあるだろう」
「えっ」
「俺がリアを裏切って帝国の皇女を取ったってどういう事だ。そもそも今リアはどこにいるんだ」
「いや、カーティス、お前がもう少し良くなってから言おうとして」
メルヴィンは慌てて言い訳をした。

「それじゃ遅いだろう。リアはどこにいるんだ。今から探しに行く」
俺は立ち上がろうとした。

「いや、カーティス、無理だって、お前無理したら死んでしまうって」
「俺が死のうがどうしようが、どうでも良い。なんでリアが出ていったんたんだ。
どういう事だ!
俺はリアに助けられたんだぞ。それを追い出したってどういう事だ」
「いや、カーティス、セドリックが少し早とちりしてだな」
「命の恩人のリアを追い出したのか」
俺はハアハア息切れしながら聞いた。

「どういうことだよ。俺はいつもリアに、リアに本当に世話になっているんだ。それを側近が俺が知らない間に追い出すってどういうことだよ」
俺は頭を抱えた。

「いや、こうしてはいられない。リアがどこかで泣いていると思うと、俺はじっとしていられない。すぐに探しに出る」
俺は無理やり立とうとして、失敗して床に突っ伏した。

「だからカーティス止めろって。皆今必死に探しているんだ」
メルヴィンが慌てて俺にかけよってきた。

「俺のことだろうが、俺が探さないでどうするんだ」
俺は叫んで無理やり立ち上がろうとした。

「判った。判りましたから」
ザカリーが大きな声を出していった。

「本当にリアを裏切らないんでしょうね」
「いざとなったら王族を降りる」
「ちょっと、カーティス、もう王家にはお前しかいないんだぞ」
「別に叔父上がいるし、アリスターも今回の悪事に加担しているわけではなかろう。別に構わないじゃないか。貴族共がリアを受け入れないのならば、俺は王家を出る。元々リアに助けてもらった命だ。貴族共につべこべ言われる筋合いはない」
「しかし、カーティス」
「そもそも、騎士たちもリアがいなくなれば困るんだろう。騎士団と交渉してくれ」
「しかし・・・・」
「ザカリー、リアのいる場所を知っているんだろう。頼むから教えてくれ」
俺はザカリーに頼み込んだ。

「詳しくは知らないですけど、リアは帝国の剣聖が連れ出したみたいです」
「帝国の剣聖が」
俺はザカリーを見た。

「ええ、気分転換に帝国に遊びに来ませんかと誘ったみたいです」
「そんな、帝国って、皇女がいるんだろう」
「会えたら会ってみて、納得できたら諦めるって」
「ちょっと待てよ。俺の気持ちはどうなるんだよ。ザカリー、俺の気持ちは」
俺はザカリーを掴んで揺さぶった。

「ちょっと苦しいですって」
ザカリーが言った。

「ベッキーが探しに行ったみたいですから、少し待たれたらどうですか。情報が入ったらお知らせしますから」
「よろしく頼む」
俺はこの動かない体では頭を下げるしか無かった。

しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。

捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。

蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。 これで、貴方も私も自由です。 ……だから、もういいですよね? 私も、自由にして……。 5年後。 私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、 親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、 今日も幸せに子育てをしています。 だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。 私のことは忘れて……。 これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。 はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?

悪役令嬢に転生かと思ったら違ったので定食屋開いたら第一王子が常連に名乗りを上げてきた

咲桜りおな
恋愛
 サズレア王国第二王子のクリス殿下から婚約解消をされたアリエッタ・ネリネは、前世の記憶持ちの侯爵令嬢。王子の婚約者で侯爵令嬢……という自身の状況からここが乙女ゲームか小説の中で、悪役令嬢に転生したのかと思ったけど、どうやらヒロインも見当たらないし違ったみたい。  好きでも嫌いでも無かった第二王子との婚約も破棄されて、面倒な王子妃にならなくて済んだと喜ぶアリエッタ。我が侯爵家もお姉様が婿養子を貰って継ぐ事は決まっている。本来なら新たに婚約者を用意されてしまうところだが、傷心の振り(?)をしたら暫くは自由にして良いと許可を貰っちゃった。  それならと侯爵家の事業の手伝いと称して前世で好きだった料理をしたくて、王都で小さな定食屋をオープンしてみたら何故か初日から第一王子が来客? お店も大繁盛で、いつの間にか元婚約者だった第二王子まで来る様になっちゃった。まさかの王家御用達のお店になりそうで、ちょっと困ってます。 ◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆ ※料理に関しては家庭料理を作るのが好きな素人ですので、厳しい突っ込みはご遠慮いただけると助かります。 そしてイチャラブが甘いです。砂糖吐くというより、砂糖垂れ流しです(笑) 本編は完結しています。時々、番外編を追加更新あり。 「小説家になろう」でも公開しています。

我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。

たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。 しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。 そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。 ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。 というか、甘やかされてません? これって、どういうことでしょう? ※後日談は激甘です。  激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。 ※小説家になろう様にも公開させて頂いております。  ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。  タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~

《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?

桐生桜月姫
恋愛
公爵令嬢たるクラウディア・ローズバードは自分の前に現れた天敵たる天才な義弟と継母を追い出すために、たくさんのクラウディアの思う最高のいじめを仕掛ける。 だが、義弟は地味にずれているクラウディアの意地悪を糧にしてどんどん賢くなり、継母は陰ながら?クラウディアをものすっごく微笑ましく眺めて溺愛してしまう。 「もう!どうしてなのよ!!」 クラウディアが気がつく頃には外堀が全て埋め尽くされ、大変なことに!? 天然混じりの大人びている?少女と、冷たい天才義弟、そして変わり者な継母の家族の行方はいかに!?

元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち

せいめ
恋愛
 侯爵令嬢のアンネマリーは流行り病で生死を彷徨った際に、前世の記憶を思い出す。前世では地球の日本という国で、婚活に勤しむアラサー女子の杏奈であった自分を。  病から回復し、今まで家や家族の為に我慢し、貴族令嬢らしく過ごしてきたことがバカらしくなる。  また、自分を蔑ろにする婚約者の存在を疑問に感じる。 「あんな奴と結婚なんて無理だわー。」  無事に婚約を解消し、自分らしく生きていこうとしたところであったが、不慮の事故で亡くなってしまう。  そして、死んだはずのアンネマリーは、また違う人物にまた生まれ変わる。アンネマリーの記憶は殆ど無く、杏奈の記憶が強く残った状態で。  生まれ変わったのは、アンネマリーが亡くなってすぐ、アンネマリーの従姉妹のマリーベルとしてだった。  マリーベルはアンネマリーの記憶がほぼ無いので気付かないが、見た目だけでなく言動や所作がアンネマリーにとても似ていることで、かつての家族や親族、友人が興味を持つようになる。 「従姉妹だし、多少は似ていたっておかしくないじゃない。」  三度目の人生はどうなる⁈  まずはアンネマリー編から。 誤字脱字、お許しください。 素人のご都合主義の小説です。申し訳ありません。

虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました

たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。

転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした

ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!? 容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。 「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」 ところが。 ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。 無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!? でも、よく考えたら―― 私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに) お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。 これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。 じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――! 本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。 アイデア提供者:ゆう(YuFidi) URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464

処理中です...