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第一王子視点14 勝手にリアを振ったことになっていました
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俺にとってリアはとても大切な女の子だった。子供の時にダンジョンで命を救われてからずうっとそうだった。最近では見間違えるほど綺麗になって、俺は他の奴に取られたらどうしようと気が気でなかった。
それでなくても俺は王子であるというマイナスポイントがあるのだ。普通は平民の女の子が王子に見初められたらシンデレラ物語で、プラスになるのに、リアに限ってはとてつもないマイナスポイントになるのだ。
オーガストは平民だから許すとか、ベンジャミンは農業できて食べ物自給できるから結婚しようとか、リアなら平気で言いそうなのだ。それでなくてもサマーパーティーで王子だったら、他の子と行く約束をしたとはっきり言われているのだ。
今回の王妃のお茶会は絶対に王子がリアにとってプラスになるというポイントを得るチャンスなのだ。
確かにリアは、防御魔術の障壁は完璧で、毒に対するポーションも桁違いにすごかった。
俺の行動はそんなリアにとって必要ないことかもしれなかった。
でも、リアはとんでもないところが抜けていることがあって、俺は心配で黙って待っているわけにはいかなかった。
そう、リアが王妃に呼ばれていると知って、俺は前もって王妃に釘を刺しに行ったのだ。
まさか、そこで毒を盛られるなんて思ってもいなかった。本当に馬鹿だった。
紅茶を飲んでも変なところはなく紅茶の味しかしなかったのだ。少ししか飲まなかったが、無味無臭の西国の遅行性の毒だとは思ってもいなかった。
やってきたリアは普通に王妃と嫌味でやりあっており、将来的に貴族社会でも十二分にできると安心した。
少し抜けている所もあるけれど、それはベッキーらがカバーしてくれるだろうと・・・・
そう思った時だ。急に息苦しくなったのだ。手足が動かなくなった。
やばい。そう思った時だ。リアが近衛師団長に手を抑えられるのが見えた。
リア。俺は手をリアに伸ばして近衛師団長から守るために、こちらに引き寄せようとしたが、、うまく体が動かない。
俺は叫ぼうにも叫べなかった。
しかし、リアは一瞬で近衛師団長を障壁で弾き飛ばしたみたいだった。
そして、リアのポーションを飲めない俺に口移しで飲ませてくれた。
リアとのファーストキスだった。リアのポーションは苦かったが、そんな事は関係ないほど甘く、香ばしいキスだった。リアが口移しに飲ませてくれるポーションは毒を一瞬で浄化してくれた。
俺は安心したのかリアの胸の中で気を失っていた。
俺は幸せだった。そうこの時までは。
目を覚ました時にはリアは傍にいなかった。
周りに聞くと3日間は俺の面倒を見てくれたそうだ。
俺に毒を飲ませた王妃は、俺の母や、祖父を殺したことも自供したそうだ。
リアは俺と同じ毒を王妃に飲ませて、王妃を自供に追いやったらしい。
さすがリアだとその時は思っていた。
でも、リアには俺が王子だとは言っていなかった。
その秘密をなんとあのクソ王妃がばらしてくれたと・・・・
やばい、1日でも早く、事実を告げないと。リアに見捨てられる。
急いで、今まで黙っていたことを謝らないといけない。
俺の周りにいるのはメルヴィンと騎士だけになっていた。セドリックはどうしたって聞くと、公爵に呼び出されて領地に帰っているとか。
リアのことを周りに聞くと、家に帰っているとのことだった。
医者にいつ頃歩けるようになるかと聞くと卒業パーティーにはなんとか間に合うと言われた。
それでは遅いんだけど。
メルヴィンにリアに会いたいと告げると、もう少し良くなってからだと誤魔化された。
なんか怪しいと思ったのだ。
その日、ザカリーが来るまでは。
ザカリーが来たとのことで、二人で会うと、
「元気になられたようですね」
なんか不自然な笑顔で言われた。
「じゃあ、もう僕は必要ないですよね」
いきなり、側近を止めると言い出したのだ。
俺は驚いた。何故このタイミングでそれを言う?
ザカリーにはリアの情報を教えてもらっているのに、何を言うんだこいつは。
「リアは元気にしているのか」
と聞くと、
「はあああ?」
何故かザカリーにプッツン切れられた。
「よく、そんな事が言えますね。俺は殿下を見損ないましたよ」
「ちょっと待て、ザカリー、何言っているんだ」
俺は慌てた。なんで怒られるんだ。
「帝国の皇女殿下との婚約が決まって、リアを捨てたんでしょ」
ザカリーの言葉は俺にとって青天の霹靂だった。何言っているんだ、こいつは?俺がリアを捨てるなんてありえないだろう。そういうふうに散々言っているじゃないか。
「はあああ、何を言っている。そんなわけないだろう」
「何言っているんですか。王国で知らないものはもういないですよ。かわいそうにリアはショックを受けて家出して行方不明だって言うのに。最低ですよね」
「ちょっと待て、ザカリー」
しかし、ザカリーはそのまま出て行こうとした。無理やり、ベッドから飛び出してすがりついて止める。
「何するんですか。離してくださいよ。リアを裏切った殿下なんて大嫌いです」
「いや、裏切っていないって。頼む、ザカリー、お前が何言っているか全くわからないんだ」
俺はザカリーにしがみついて頼み込んだ。
「ちょっと殿下、何しているんですか」
入ってきた、メルヴィンが驚いて言った。
「それどころじゃないだろう。メルヴィン、お前、俺に隠していることがあるだろう」
「えっ」
「俺がリアを裏切って帝国の皇女を取ったってどういう事だ。そもそも今リアはどこにいるんだ」
「いや、カーティス、お前がもう少し良くなってから言おうとして」
メルヴィンは慌てて言い訳をした。
「それじゃ遅いだろう。リアはどこにいるんだ。今から探しに行く」
俺は立ち上がろうとした。
「いや、カーティス、無理だって、お前無理したら死んでしまうって」
「俺が死のうがどうしようが、どうでも良い。なんでリアが出ていったんたんだ。
どういう事だ!
俺はリアに助けられたんだぞ。それを追い出したってどういう事だ」
「いや、カーティス、セドリックが少し早とちりしてだな」
「命の恩人のリアを追い出したのか」
俺はハアハア息切れしながら聞いた。
「どういうことだよ。俺はいつもリアに、リアに本当に世話になっているんだ。それを側近が俺が知らない間に追い出すってどういうことだよ」
俺は頭を抱えた。
「いや、こうしてはいられない。リアがどこかで泣いていると思うと、俺はじっとしていられない。すぐに探しに出る」
俺は無理やり立とうとして、失敗して床に突っ伏した。
「だからカーティス止めろって。皆今必死に探しているんだ」
メルヴィンが慌てて俺にかけよってきた。
「俺のことだろうが、俺が探さないでどうするんだ」
俺は叫んで無理やり立ち上がろうとした。
「判った。判りましたから」
ザカリーが大きな声を出していった。
「本当にリアを裏切らないんでしょうね」
「いざとなったら王族を降りる」
「ちょっと、カーティス、もう王家にはお前しかいないんだぞ」
「別に叔父上がいるし、アリスターも今回の悪事に加担しているわけではなかろう。別に構わないじゃないか。貴族共がリアを受け入れないのならば、俺は王家を出る。元々リアに助けてもらった命だ。貴族共につべこべ言われる筋合いはない」
「しかし、カーティス」
「そもそも、騎士たちもリアがいなくなれば困るんだろう。騎士団と交渉してくれ」
「しかし・・・・」
「ザカリー、リアのいる場所を知っているんだろう。頼むから教えてくれ」
俺はザカリーに頼み込んだ。
「詳しくは知らないですけど、リアは帝国の剣聖が連れ出したみたいです」
「帝国の剣聖が」
俺はザカリーを見た。
「ええ、気分転換に帝国に遊びに来ませんかと誘ったみたいです」
「そんな、帝国って、皇女がいるんだろう」
「会えたら会ってみて、納得できたら諦めるって」
「ちょっと待てよ。俺の気持ちはどうなるんだよ。ザカリー、俺の気持ちは」
俺はザカリーを掴んで揺さぶった。
「ちょっと苦しいですって」
ザカリーが言った。
「ベッキーが探しに行ったみたいですから、少し待たれたらどうですか。情報が入ったらお知らせしますから」
「よろしく頼む」
俺はこの動かない体では頭を下げるしか無かった。
それでなくても俺は王子であるというマイナスポイントがあるのだ。普通は平民の女の子が王子に見初められたらシンデレラ物語で、プラスになるのに、リアに限ってはとてつもないマイナスポイントになるのだ。
オーガストは平民だから許すとか、ベンジャミンは農業できて食べ物自給できるから結婚しようとか、リアなら平気で言いそうなのだ。それでなくてもサマーパーティーで王子だったら、他の子と行く約束をしたとはっきり言われているのだ。
今回の王妃のお茶会は絶対に王子がリアにとってプラスになるというポイントを得るチャンスなのだ。
確かにリアは、防御魔術の障壁は完璧で、毒に対するポーションも桁違いにすごかった。
俺の行動はそんなリアにとって必要ないことかもしれなかった。
でも、リアはとんでもないところが抜けていることがあって、俺は心配で黙って待っているわけにはいかなかった。
そう、リアが王妃に呼ばれていると知って、俺は前もって王妃に釘を刺しに行ったのだ。
まさか、そこで毒を盛られるなんて思ってもいなかった。本当に馬鹿だった。
紅茶を飲んでも変なところはなく紅茶の味しかしなかったのだ。少ししか飲まなかったが、無味無臭の西国の遅行性の毒だとは思ってもいなかった。
やってきたリアは普通に王妃と嫌味でやりあっており、将来的に貴族社会でも十二分にできると安心した。
少し抜けている所もあるけれど、それはベッキーらがカバーしてくれるだろうと・・・・
そう思った時だ。急に息苦しくなったのだ。手足が動かなくなった。
やばい。そう思った時だ。リアが近衛師団長に手を抑えられるのが見えた。
リア。俺は手をリアに伸ばして近衛師団長から守るために、こちらに引き寄せようとしたが、、うまく体が動かない。
俺は叫ぼうにも叫べなかった。
しかし、リアは一瞬で近衛師団長を障壁で弾き飛ばしたみたいだった。
そして、リアのポーションを飲めない俺に口移しで飲ませてくれた。
リアとのファーストキスだった。リアのポーションは苦かったが、そんな事は関係ないほど甘く、香ばしいキスだった。リアが口移しに飲ませてくれるポーションは毒を一瞬で浄化してくれた。
俺は安心したのかリアの胸の中で気を失っていた。
俺は幸せだった。そうこの時までは。
目を覚ました時にはリアは傍にいなかった。
周りに聞くと3日間は俺の面倒を見てくれたそうだ。
俺に毒を飲ませた王妃は、俺の母や、祖父を殺したことも自供したそうだ。
リアは俺と同じ毒を王妃に飲ませて、王妃を自供に追いやったらしい。
さすがリアだとその時は思っていた。
でも、リアには俺が王子だとは言っていなかった。
その秘密をなんとあのクソ王妃がばらしてくれたと・・・・
やばい、1日でも早く、事実を告げないと。リアに見捨てられる。
急いで、今まで黙っていたことを謝らないといけない。
俺の周りにいるのはメルヴィンと騎士だけになっていた。セドリックはどうしたって聞くと、公爵に呼び出されて領地に帰っているとか。
リアのことを周りに聞くと、家に帰っているとのことだった。
医者にいつ頃歩けるようになるかと聞くと卒業パーティーにはなんとか間に合うと言われた。
それでは遅いんだけど。
メルヴィンにリアに会いたいと告げると、もう少し良くなってからだと誤魔化された。
なんか怪しいと思ったのだ。
その日、ザカリーが来るまでは。
ザカリーが来たとのことで、二人で会うと、
「元気になられたようですね」
なんか不自然な笑顔で言われた。
「じゃあ、もう僕は必要ないですよね」
いきなり、側近を止めると言い出したのだ。
俺は驚いた。何故このタイミングでそれを言う?
ザカリーにはリアの情報を教えてもらっているのに、何を言うんだこいつは。
「リアは元気にしているのか」
と聞くと、
「はあああ?」
何故かザカリーにプッツン切れられた。
「よく、そんな事が言えますね。俺は殿下を見損ないましたよ」
「ちょっと待て、ザカリー、何言っているんだ」
俺は慌てた。なんで怒られるんだ。
「帝国の皇女殿下との婚約が決まって、リアを捨てたんでしょ」
ザカリーの言葉は俺にとって青天の霹靂だった。何言っているんだ、こいつは?俺がリアを捨てるなんてありえないだろう。そういうふうに散々言っているじゃないか。
「はあああ、何を言っている。そんなわけないだろう」
「何言っているんですか。王国で知らないものはもういないですよ。かわいそうにリアはショックを受けて家出して行方不明だって言うのに。最低ですよね」
「ちょっと待て、ザカリー」
しかし、ザカリーはそのまま出て行こうとした。無理やり、ベッドから飛び出してすがりついて止める。
「何するんですか。離してくださいよ。リアを裏切った殿下なんて大嫌いです」
「いや、裏切っていないって。頼む、ザカリー、お前が何言っているか全くわからないんだ」
俺はザカリーにしがみついて頼み込んだ。
「ちょっと殿下、何しているんですか」
入ってきた、メルヴィンが驚いて言った。
「それどころじゃないだろう。メルヴィン、お前、俺に隠していることがあるだろう」
「えっ」
「俺がリアを裏切って帝国の皇女を取ったってどういう事だ。そもそも今リアはどこにいるんだ」
「いや、カーティス、お前がもう少し良くなってから言おうとして」
メルヴィンは慌てて言い訳をした。
「それじゃ遅いだろう。リアはどこにいるんだ。今から探しに行く」
俺は立ち上がろうとした。
「いや、カーティス、無理だって、お前無理したら死んでしまうって」
「俺が死のうがどうしようが、どうでも良い。なんでリアが出ていったんたんだ。
どういう事だ!
俺はリアに助けられたんだぞ。それを追い出したってどういう事だ」
「いや、カーティス、セドリックが少し早とちりしてだな」
「命の恩人のリアを追い出したのか」
俺はハアハア息切れしながら聞いた。
「どういうことだよ。俺はいつもリアに、リアに本当に世話になっているんだ。それを側近が俺が知らない間に追い出すってどういうことだよ」
俺は頭を抱えた。
「いや、こうしてはいられない。リアがどこかで泣いていると思うと、俺はじっとしていられない。すぐに探しに出る」
俺は無理やり立とうとして、失敗して床に突っ伏した。
「だからカーティス止めろって。皆今必死に探しているんだ」
メルヴィンが慌てて俺にかけよってきた。
「俺のことだろうが、俺が探さないでどうするんだ」
俺は叫んで無理やり立ち上がろうとした。
「判った。判りましたから」
ザカリーが大きな声を出していった。
「本当にリアを裏切らないんでしょうね」
「いざとなったら王族を降りる」
「ちょっと、カーティス、もう王家にはお前しかいないんだぞ」
「別に叔父上がいるし、アリスターも今回の悪事に加担しているわけではなかろう。別に構わないじゃないか。貴族共がリアを受け入れないのならば、俺は王家を出る。元々リアに助けてもらった命だ。貴族共につべこべ言われる筋合いはない」
「しかし、カーティス」
「そもそも、騎士たちもリアがいなくなれば困るんだろう。騎士団と交渉してくれ」
「しかし・・・・」
「ザカリー、リアのいる場所を知っているんだろう。頼むから教えてくれ」
俺はザカリーに頼み込んだ。
「詳しくは知らないですけど、リアは帝国の剣聖が連れ出したみたいです」
「帝国の剣聖が」
俺はザカリーを見た。
「ええ、気分転換に帝国に遊びに来ませんかと誘ったみたいです」
「そんな、帝国って、皇女がいるんだろう」
「会えたら会ってみて、納得できたら諦めるって」
「ちょっと待てよ。俺の気持ちはどうなるんだよ。ザカリー、俺の気持ちは」
俺はザカリーを掴んで揺さぶった。
「ちょっと苦しいですって」
ザカリーが言った。
「ベッキーが探しに行ったみたいですから、少し待たれたらどうですか。情報が入ったらお知らせしますから」
「よろしく頼む」
俺はこの動かない体では頭を下げるしか無かった。
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