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ハウゼン王国反逆者視点 昔のクラスメートのメンロス国王と会いました
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そして。年月が経った。
メンロス王国の国王になったオイゲンから息子の王太子の相手にと、カリーナの娘アデリナに婚約の申し込みが来たのだ。
俺は外交使節に付き添ってメンロス王国に赴いた。
「パスカル、久しいな」
久々に会った同級生のメンロス王は元気だった。俺の名前も覚えてくれていた。
「いやあ、俺が元気ならカリーナの娘を娶るのだが、もう俺も年だ。他の奴らに取られぬうちにうちの嫁にと申し込んだ次第だ」
アルコールが進むと笑ってメンロス国王は言ってくれた。
「アデリナ王女はカリーナに似て、美しいそうではないか」
メンロス国王は言ってくれた。確かに俺も初めてアデリナに会った時に、思わず「カリーナ」と言いそうになったほど似ていた。
まあ、どちらかと言うとアデリナはカリーナよりは幼い感じが見受けられたが、それは単に俺が年を取っただけかもしれなかった。
「帝国の皇帝のヘルムートもエンゲルのカスパルも側室にと言い出しかねんからな。それではいくらなんでも娘が可哀想だろう。我が息子の嫁ならば年寄りの側室よりはマシと思ってな。アレクシスも喜んでくれたよ」
苦々しい顔で国王は言ってくれた。
未だにカリーナをアレクシスに取られたことが悔しいらしい。
「陛下の優しい心遣いに王女殿下も喜んでおられました」
俺は当たり障りないことを言ってやった。
「まあ、アデリナはさぞかし大切に育てられたのでしょうね。ただ、我が王国は南北の交易も盛んで、いろいろ覚えてもらうこともあるから、心してもらうようにお伝え願えるかしら」
メンロスの王妃が横から口を出してきた。
王妃としては王の昔の想い人の娘ということで、心は穏やかではないらしい。アデリナにはそのあたりをきちんと伝えてやろうと俺は思ったのだ。
「カスパルは未だにカリーナを忘れていないみたいだ。アレクシスには注意するように伝えてくれ」
メンロス国王は別れしなにそう注意してくれた。しかし、俺達はそれを重要視しなかったのだ。
あそこまで、カスパルの心が歪んでいるとは思ってもいなかったのだ。
勢力を拡大し始めたロンメルツ王国がクラウン公国を併合したのは10年前だった。
帝国は代替わりした所で他国にまで手を回す余裕もなく、我が国もメンロスも助ける暇もなかった。
俺達の学び舎だった学園はロンメルツに併合されたが、それ以降は他国から王族が来るのはめったに減ったそうだ。
俺達はそれがカスパルの陰謀だとは思ってもいなかったのだ。
メンロス王国の国王になったオイゲンから息子の王太子の相手にと、カリーナの娘アデリナに婚約の申し込みが来たのだ。
俺は外交使節に付き添ってメンロス王国に赴いた。
「パスカル、久しいな」
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「いやあ、俺が元気ならカリーナの娘を娶るのだが、もう俺も年だ。他の奴らに取られぬうちにうちの嫁にと申し込んだ次第だ」
アルコールが進むと笑ってメンロス国王は言ってくれた。
「アデリナ王女はカリーナに似て、美しいそうではないか」
メンロス国王は言ってくれた。確かに俺も初めてアデリナに会った時に、思わず「カリーナ」と言いそうになったほど似ていた。
まあ、どちらかと言うとアデリナはカリーナよりは幼い感じが見受けられたが、それは単に俺が年を取っただけかもしれなかった。
「帝国の皇帝のヘルムートもエンゲルのカスパルも側室にと言い出しかねんからな。それではいくらなんでも娘が可哀想だろう。我が息子の嫁ならば年寄りの側室よりはマシと思ってな。アレクシスも喜んでくれたよ」
苦々しい顔で国王は言ってくれた。
未だにカリーナをアレクシスに取られたことが悔しいらしい。
「陛下の優しい心遣いに王女殿下も喜んでおられました」
俺は当たり障りないことを言ってやった。
「まあ、アデリナはさぞかし大切に育てられたのでしょうね。ただ、我が王国は南北の交易も盛んで、いろいろ覚えてもらうこともあるから、心してもらうようにお伝え願えるかしら」
メンロスの王妃が横から口を出してきた。
王妃としては王の昔の想い人の娘ということで、心は穏やかではないらしい。アデリナにはそのあたりをきちんと伝えてやろうと俺は思ったのだ。
「カスパルは未だにカリーナを忘れていないみたいだ。アレクシスには注意するように伝えてくれ」
メンロス国王は別れしなにそう注意してくれた。しかし、俺達はそれを重要視しなかったのだ。
あそこまで、カスパルの心が歪んでいるとは思ってもいなかったのだ。
勢力を拡大し始めたロンメルツ王国がクラウン公国を併合したのは10年前だった。
帝国は代替わりした所で他国にまで手を回す余裕もなく、我が国もメンロスも助ける暇もなかった。
俺達の学び舎だった学園はロンメルツに併合されたが、それ以降は他国から王族が来るのはめったに減ったそうだ。
俺達はそれがカスパルの陰謀だとは思ってもいなかったのだ。
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