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メンロス国 公爵令嬢視点 帝国に送られましたが、第一皇女殿下に取り入って憎き王女を断罪しようと思いました。
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アデリナ元王女をエンゲルに引き渡すように衛兵たちに命じて私はホッとしていた。
憎きアデリナを中年の父親ほどの年齢のデブ王の妾に出来るのだ。これほどうれしいことはなかった。
その前に衛兵たちには、何ならお前達で駄賃としても楽しんでいいのよ。と言っていたから今頃は辱められているはずだ。
今までアヒム様との仲を邪魔してくれた罰だ。その身体で払えばいい。
私がほくそえんだのだ。
しかし、いつまでたってもエンゲルに引き渡したという連絡が入って来なかった。
私はアデリナが行方不明になったのをアヒム様とのベッドの中で聞いたのだ。
兵たちは無残に殺されていたらしい。
ならず者たちにでも襲われたのかもしれない。
それでいいではないかとも私は思った。
中年国王の妾にされるよりもアデリナには屈辱だろう。
そう思ってアヒム様の胸の中でまどろんでいた時だ。
帝国を訪問されていた陛下が急遽お戻りになったとの報告をアヒム様と聞かされた。
そして、アヒム様と一緒に急遽呼び出しを受けたのだ。
私は慌てて衣装を整えてアヒム様と一緒に陛下の元に急いだのだ。
「アヒム! アデリナ王女はどちらにいらっしゃるのだ!」
陛下の叱責が響いた。
「アデリナは、クラーラを破落戸を雇って襲わせようとしたので、婚約破棄をして追放致しました」
胸を張って、アヒム様は報告された。
「愚か者! おのれは行く宛の無い王女殿下をあろうことか婚約破棄した上に追放したと言うのか!」
陛下が、激怒されたのが判った。
陛下はいつもアデリナの肩を持つ。昔振られた女の娘なのが、気になるのかいつもそうなのだ。
「父上、亡国の王女など、王国に置いておいて何になるのです」
アヒム様が、至極当然の事を言われた。
「愚か者めが!」
バシン!
陛下が、アヒム様を殴られたのだ。
私は唖然とした。まさか、実の息子より、昔の女の娘の方が可愛いのか?
回りの者達が、驚き慌てた。
「ヘ、陛下!」
横のお父様があわてて、止めた。
「ええい、放せ!」
「陛下!」
「父上、何故、そこまで、アデリナに拘られるのですか? 昔の女がそこまで忘れられないのですか?」
「愚か者めが。そんなことだけのためにわしが動いていると思うのか?」
陛下はアヒム様を睨み付けた。
「貴様こそ、自分の女が可愛いだけであろうが、戯けが!」
「なんですと」
「アデリナ王女は帝国の皇太子が妃にと狙っておったのだ」
「帝国の皇太子が?」
「あの狂犬皇子がですか?」
横で、父が、驚いた顔で陛下を見た。
「確かにアデリナの母は美しかった。帝国の皇帝も、わしも、エンゲル王も狙っておった。その中で手に入れたのがハウゼンだ。その娘は母ににて美しくて、今度は帝国の皇太子が、狙っておったのだ。
それを横取りできたのが、我が国なのじゃ」
陛下は自慢げに仰られるが、それこそ余計なことなのよ、と私は思った。私の苦労は陛下のせいで起きたものだと初めて知った。
「我が国は昔から、帝国からの圧力を受けておる。だが、そこに、昔の想い人が、いればどうなる。少なくとも攻め込もうとはせんだろう。愚かなエンゲルのようにな。
帝国は大国、一応の礼儀はわきまえておるし、常識も通用する。うまく行けば、その方との間に生まれた娘を帝国の次の皇太子に送り込めばしばらくは我が国は安泰だと思ったのじゃ。その大切な娘を、国外追放にして、エンゲルに渡すとはどういう事じゃ! わしは帝国の皇帝に大切に扱っていると報告していたのじゃぞ!」
陛下の声に私は驚いた。アヒム様も驚いた顔をされている。
「貴様は、好きな女が、いるなら妾でも何でもすれば良かったのだ」
「父上、何を言われるのです。クラーラを妾になぞ、出きるわけがないでしょう」
アヒム様は私を庇ってくれた。
「ふんっ、そんな綺麗事を言って、ハウゼンのように、滅ぼされるのか? お前らは、アデリナ王女に亡国の王女と嘲って、馬鹿にしていたそうではないか?」
「いえ、それは」
「しかし、陛下、いくら帝国とはいえ、そのようなことで、いきなり攻め込んでは来ますまい」
父が言ってくれた。私は当然だと思ったのだ。
「何を申しておるのだ。あの狂犬皇子は、アデリナの身を心配して、見に来たそうだ。そこで、我が兵士立ちに襲われているアデリナ王女を助けたと皇帝陛下に報告が上がって参ったのだぞ。どういう事だ! アヒム! 狂犬皇子は我が兵に攻撃を受けたともうしておるのだ。受けた攻撃は返すと息巻いておるそうじゃぞ! 貴様、戦で狂犬皇子に勝てると思って、今回の件をたくらんだのじゃな」
「い、いえ、そ、そのような事は」
アヒム様は真っ青になった。
「愚か者めが! 現実はそうなっておるわ。
貴様に帝国から招聘が来ておる。
その方の王位継承権は剥奪、直ちに帝国に赴いて、今回の件を許してもらってこい。そうでない限り、二度と国土を踏むことは罷りならん」
「そんな、父上!」
「わしの心も判らん奴に王位継承権など与えられんわ」
そう言うと、陛下は横の騎士達に指示を与えられた。騎士達がアヒム様を連れて行く。私は震えが止まらなかった。
「そして、アプト公爵令嬢、その方も、帝国の皇女殿下から招聘が来ている。まあ、相手は継承権もある皇女殿下だ。頑張って、命乞いでもすれば、助けてくれるかもしれんぞ」
「そんな、陛下!」
父が何か言ってくれようとしたが、陛下は聞く耳を持たなかった。私も騎士達に捕まれて、アヒム様とは別の粗末な馬車に乗せられたのだ。
私は馬車の中で必死に考えたのだ。
私が呼ばれているのは、第一皇子殿下と対立している第一皇女殿下だ。その人に取り入れば何とかなるかもしれない。いかにアデリナが悪い奴か、お話しして、助けを乞おう。私はそう決意したのだ。
憎きアデリナを中年の父親ほどの年齢のデブ王の妾に出来るのだ。これほどうれしいことはなかった。
その前に衛兵たちには、何ならお前達で駄賃としても楽しんでいいのよ。と言っていたから今頃は辱められているはずだ。
今までアヒム様との仲を邪魔してくれた罰だ。その身体で払えばいい。
私がほくそえんだのだ。
しかし、いつまでたってもエンゲルに引き渡したという連絡が入って来なかった。
私はアデリナが行方不明になったのをアヒム様とのベッドの中で聞いたのだ。
兵たちは無残に殺されていたらしい。
ならず者たちにでも襲われたのかもしれない。
それでいいではないかとも私は思った。
中年国王の妾にされるよりもアデリナには屈辱だろう。
そう思ってアヒム様の胸の中でまどろんでいた時だ。
帝国を訪問されていた陛下が急遽お戻りになったとの報告をアヒム様と聞かされた。
そして、アヒム様と一緒に急遽呼び出しを受けたのだ。
私は慌てて衣装を整えてアヒム様と一緒に陛下の元に急いだのだ。
「アヒム! アデリナ王女はどちらにいらっしゃるのだ!」
陛下の叱責が響いた。
「アデリナは、クラーラを破落戸を雇って襲わせようとしたので、婚約破棄をして追放致しました」
胸を張って、アヒム様は報告された。
「愚か者! おのれは行く宛の無い王女殿下をあろうことか婚約破棄した上に追放したと言うのか!」
陛下が、激怒されたのが判った。
陛下はいつもアデリナの肩を持つ。昔振られた女の娘なのが、気になるのかいつもそうなのだ。
「父上、亡国の王女など、王国に置いておいて何になるのです」
アヒム様が、至極当然の事を言われた。
「愚か者めが!」
バシン!
陛下が、アヒム様を殴られたのだ。
私は唖然とした。まさか、実の息子より、昔の女の娘の方が可愛いのか?
回りの者達が、驚き慌てた。
「ヘ、陛下!」
横のお父様があわてて、止めた。
「ええい、放せ!」
「陛下!」
「父上、何故、そこまで、アデリナに拘られるのですか? 昔の女がそこまで忘れられないのですか?」
「愚か者めが。そんなことだけのためにわしが動いていると思うのか?」
陛下はアヒム様を睨み付けた。
「貴様こそ、自分の女が可愛いだけであろうが、戯けが!」
「なんですと」
「アデリナ王女は帝国の皇太子が妃にと狙っておったのだ」
「帝国の皇太子が?」
「あの狂犬皇子がですか?」
横で、父が、驚いた顔で陛下を見た。
「確かにアデリナの母は美しかった。帝国の皇帝も、わしも、エンゲル王も狙っておった。その中で手に入れたのがハウゼンだ。その娘は母ににて美しくて、今度は帝国の皇太子が、狙っておったのだ。
それを横取りできたのが、我が国なのじゃ」
陛下は自慢げに仰られるが、それこそ余計なことなのよ、と私は思った。私の苦労は陛下のせいで起きたものだと初めて知った。
「我が国は昔から、帝国からの圧力を受けておる。だが、そこに、昔の想い人が、いればどうなる。少なくとも攻め込もうとはせんだろう。愚かなエンゲルのようにな。
帝国は大国、一応の礼儀はわきまえておるし、常識も通用する。うまく行けば、その方との間に生まれた娘を帝国の次の皇太子に送り込めばしばらくは我が国は安泰だと思ったのじゃ。その大切な娘を、国外追放にして、エンゲルに渡すとはどういう事じゃ! わしは帝国の皇帝に大切に扱っていると報告していたのじゃぞ!」
陛下の声に私は驚いた。アヒム様も驚いた顔をされている。
「貴様は、好きな女が、いるなら妾でも何でもすれば良かったのだ」
「父上、何を言われるのです。クラーラを妾になぞ、出きるわけがないでしょう」
アヒム様は私を庇ってくれた。
「ふんっ、そんな綺麗事を言って、ハウゼンのように、滅ぼされるのか? お前らは、アデリナ王女に亡国の王女と嘲って、馬鹿にしていたそうではないか?」
「いえ、それは」
「しかし、陛下、いくら帝国とはいえ、そのようなことで、いきなり攻め込んでは来ますまい」
父が言ってくれた。私は当然だと思ったのだ。
「何を申しておるのだ。あの狂犬皇子は、アデリナの身を心配して、見に来たそうだ。そこで、我が兵士立ちに襲われているアデリナ王女を助けたと皇帝陛下に報告が上がって参ったのだぞ。どういう事だ! アヒム! 狂犬皇子は我が兵に攻撃を受けたともうしておるのだ。受けた攻撃は返すと息巻いておるそうじゃぞ! 貴様、戦で狂犬皇子に勝てると思って、今回の件をたくらんだのじゃな」
「い、いえ、そ、そのような事は」
アヒム様は真っ青になった。
「愚か者めが! 現実はそうなっておるわ。
貴様に帝国から招聘が来ておる。
その方の王位継承権は剥奪、直ちに帝国に赴いて、今回の件を許してもらってこい。そうでない限り、二度と国土を踏むことは罷りならん」
「そんな、父上!」
「わしの心も判らん奴に王位継承権など与えられんわ」
そう言うと、陛下は横の騎士達に指示を与えられた。騎士達がアヒム様を連れて行く。私は震えが止まらなかった。
「そして、アプト公爵令嬢、その方も、帝国の皇女殿下から招聘が来ている。まあ、相手は継承権もある皇女殿下だ。頑張って、命乞いでもすれば、助けてくれるかもしれんぞ」
「そんな、陛下!」
父が何か言ってくれようとしたが、陛下は聞く耳を持たなかった。私も騎士達に捕まれて、アヒム様とは別の粗末な馬車に乗せられたのだ。
私は馬車の中で必死に考えたのだ。
私が呼ばれているのは、第一皇子殿下と対立している第一皇女殿下だ。その人に取り入れば何とかなるかもしれない。いかにアデリナが悪い奴か、お話しして、助けを乞おう。私はそう決意したのだ。
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