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王子様が謝りに来ましたが、私は逃げてしまいました
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「本当にニーナは何やっているのよ。ペトラ先生は厳しいって言ったじゃない」
次の授業ために私は大教室に移動しながらライラから怒られた。
次の授業は魔法の適性判定を受けるために学年全体が大教室に行ってそこで行うのだ。
「ペトラ先生はこの学校で教鞭を取られて40年なのよ。基本的に今の国王陛下も王妃様もペトラ先生に習っているの。だから、陛下と言えどもペトラ先生には逆らえないのよ。基本的に王宮の侍女も文官もペトラ先生の教え子だし、あの煩いサデニミエ公爵令嬢も、先生にだけは逆らえないはずよ。何しろペトラ先生は王宮の礼儀作法の先生でもあるんだから。
そんな先生の最初の授業に遅れて来るってどういうことなの?」
「ゴメン、ちょっと考え事していたら、遅れてしまって」
「考え事ってあなたが何を考えるのよ」
ライラはものすごく酷いことを言ってくれた。
「失礼な。私も考えることはあるわよ」
私がむっとして言うと、
「入学式で大口を開けていた人がよく言うわ。どのみち、殿下からどうしたらまたお菓子がもらえるかとかそんな事でしょう」
ライラの追求は鋭いし、いいところついているんだけど、流石の私も会長にキスされたなんて周りの反応が怖くて言えない。
「そんなことじゃないわ」
私は適当に誤魔化そうとした。
「じゃあ、今度はお昼をどうにかして奢ってもらう方法とか」
めちゃくちゃ失礼なことをライラが言ってくれるんだけど。
「そんなんじゃないわよ」
私は少し怒って言った。
もっとも、ライラの言葉を聞いて、間違えてキスしてくれたお詫びに奢らせるというのもありかもしれないと、私の心の片隅で少しでも思わなかったかといえば嘘になるけれど……
「ニーナ嬢」
いきなり、渡り廊下の端で、周りからあまり見えないところで声がかけられたのだ。
「殿下」
ライラが驚いて殿下を見た。そこにはきまり悪そうな殿下がいたのだ。
私は真っ赤になって慌てて、ライラの後ろに隠れる。
「ど、どうしたのよ。ニーナ。今までは殿下の前でもびくともしなかったのに」
ライラが驚いた。
「ライラ嬢。少しニーナ嬢をお借りできないだろうか。話すことがあって」
「いえ、会長。私はないです。別に気にしないで下さい」
私は健気にもそう言ったのだ。
「いや、そう言うわけには、先程は本当に申し訳なかった」
会長が頭を下げてくれたんだけど、
「止めて下さい。会長。こんなところで。本当に何ともありませんから。ではさようなら」
私は強引にライラを引っ張って行こうとした。
「いや、ちょっとニーナ嬢」
会長はまだ何かいいそうだったが、
「殿下、このような処でどうされたのですか?」
後ろからユリアナらが現れたのだ。
「えっ、いや、たまたま通りかかっただけで」
私は捕まった会長の元からライラを強引に引っ張って逃げたのだ。
会長が私にキスしたなんて皆に知れ渡ったら大変なことになる。それも人違いでキスされただけなんだから、大事にするのも変だし、私は強引に自分の気持ちに封をしたのだ。
「ちょっと、どういう事なのよ?」
渡り廊下の角を曲がった大教室の手前で強引にライラに横の木の茂みに連れ込まれたんだけど……
「えっ、いやあのその……」
「あなた、王族に頭を下げさせたってどういう事? ふつう王族は頭なんか下げないわよ。一体今度は何をしたのよ」
「ちょっと待ってよ。なんで私が何かしたになるの? 普通は何をされたのよって聞くところでしょ」
さすがの私もむっとして言うと
「いやだって、昨日も嫌がる殿下をいきなり借り物競争に連れ出したじゃない」
ライラが私の思い出したくないことを話してくれるんだけど……
「あれは知らなかっただけで、私が何かしたのなら謝るのは私でしょ」
「いや、あなたの場合は逆かなって」
ライラが平然と言ってくれるんだけど。
「そんな訳ないじゃない」
私がふくれて言うと
「でも、あれ殿下は相当焦っていたわね。あの反応はひょっとして殿下にキスでもされたの?」
「えっ、なんで判ったの」
ライラの言葉に私は慌てて聞いた。
「嘘! 本当なの! カマかけただけなのに!」
ライラの大声が響いた。
「ちょっとライラ声が大きい」
慌てて私が注意した。いくら茂みの中だと言っても誰が聞いているか判らないではないか!
「待ちなさいよ。ニーナ! 相手は王族でこの国の第一王子殿下よ。それも女に塩対応するっていう。貴方は平民の変な奴で安全パイ扱いだから王子も相手してくれたかなって思ったのに、いきなりキスされたってどういう事? 信じられない」
「いや、だから違うって。殿下はマイラと言う人と間違えて頬にキスしてくれたのよ」
「ちょっとどういう事よ」
更にライラが聞きたそうにした時に次の授業のチャイムが鳴ったのだ。
「げっ、やばい」
さすがに二時間連続遅刻はまずい。私は慌てて授業に行くために立ち上がった。
「ちょっとニーナ、詳しく話してよ」
「後でね。次も遅れるわけにいかないでしょ」
「判った。後でちゃんと教えなさいよ」
私達は魔法判定を受けるために慌てて大教室に入ったのだった。
次の授業ために私は大教室に移動しながらライラから怒られた。
次の授業は魔法の適性判定を受けるために学年全体が大教室に行ってそこで行うのだ。
「ペトラ先生はこの学校で教鞭を取られて40年なのよ。基本的に今の国王陛下も王妃様もペトラ先生に習っているの。だから、陛下と言えどもペトラ先生には逆らえないのよ。基本的に王宮の侍女も文官もペトラ先生の教え子だし、あの煩いサデニミエ公爵令嬢も、先生にだけは逆らえないはずよ。何しろペトラ先生は王宮の礼儀作法の先生でもあるんだから。
そんな先生の最初の授業に遅れて来るってどういうことなの?」
「ゴメン、ちょっと考え事していたら、遅れてしまって」
「考え事ってあなたが何を考えるのよ」
ライラはものすごく酷いことを言ってくれた。
「失礼な。私も考えることはあるわよ」
私がむっとして言うと、
「入学式で大口を開けていた人がよく言うわ。どのみち、殿下からどうしたらまたお菓子がもらえるかとかそんな事でしょう」
ライラの追求は鋭いし、いいところついているんだけど、流石の私も会長にキスされたなんて周りの反応が怖くて言えない。
「そんなことじゃないわ」
私は適当に誤魔化そうとした。
「じゃあ、今度はお昼をどうにかして奢ってもらう方法とか」
めちゃくちゃ失礼なことをライラが言ってくれるんだけど。
「そんなんじゃないわよ」
私は少し怒って言った。
もっとも、ライラの言葉を聞いて、間違えてキスしてくれたお詫びに奢らせるというのもありかもしれないと、私の心の片隅で少しでも思わなかったかといえば嘘になるけれど……
「ニーナ嬢」
いきなり、渡り廊下の端で、周りからあまり見えないところで声がかけられたのだ。
「殿下」
ライラが驚いて殿下を見た。そこにはきまり悪そうな殿下がいたのだ。
私は真っ赤になって慌てて、ライラの後ろに隠れる。
「ど、どうしたのよ。ニーナ。今までは殿下の前でもびくともしなかったのに」
ライラが驚いた。
「ライラ嬢。少しニーナ嬢をお借りできないだろうか。話すことがあって」
「いえ、会長。私はないです。別に気にしないで下さい」
私は健気にもそう言ったのだ。
「いや、そう言うわけには、先程は本当に申し訳なかった」
会長が頭を下げてくれたんだけど、
「止めて下さい。会長。こんなところで。本当に何ともありませんから。ではさようなら」
私は強引にライラを引っ張って行こうとした。
「いや、ちょっとニーナ嬢」
会長はまだ何かいいそうだったが、
「殿下、このような処でどうされたのですか?」
後ろからユリアナらが現れたのだ。
「えっ、いや、たまたま通りかかっただけで」
私は捕まった会長の元からライラを強引に引っ張って逃げたのだ。
会長が私にキスしたなんて皆に知れ渡ったら大変なことになる。それも人違いでキスされただけなんだから、大事にするのも変だし、私は強引に自分の気持ちに封をしたのだ。
「ちょっと、どういう事なのよ?」
渡り廊下の角を曲がった大教室の手前で強引にライラに横の木の茂みに連れ込まれたんだけど……
「えっ、いやあのその……」
「あなた、王族に頭を下げさせたってどういう事? ふつう王族は頭なんか下げないわよ。一体今度は何をしたのよ」
「ちょっと待ってよ。なんで私が何かしたになるの? 普通は何をされたのよって聞くところでしょ」
さすがの私もむっとして言うと
「いやだって、昨日も嫌がる殿下をいきなり借り物競争に連れ出したじゃない」
ライラが私の思い出したくないことを話してくれるんだけど……
「あれは知らなかっただけで、私が何かしたのなら謝るのは私でしょ」
「いや、あなたの場合は逆かなって」
ライラが平然と言ってくれるんだけど。
「そんな訳ないじゃない」
私がふくれて言うと
「でも、あれ殿下は相当焦っていたわね。あの反応はひょっとして殿下にキスでもされたの?」
「えっ、なんで判ったの」
ライラの言葉に私は慌てて聞いた。
「嘘! 本当なの! カマかけただけなのに!」
ライラの大声が響いた。
「ちょっとライラ声が大きい」
慌てて私が注意した。いくら茂みの中だと言っても誰が聞いているか判らないではないか!
「待ちなさいよ。ニーナ! 相手は王族でこの国の第一王子殿下よ。それも女に塩対応するっていう。貴方は平民の変な奴で安全パイ扱いだから王子も相手してくれたかなって思ったのに、いきなりキスされたってどういう事? 信じられない」
「いや、だから違うって。殿下はマイラと言う人と間違えて頬にキスしてくれたのよ」
「ちょっとどういう事よ」
更にライラが聞きたそうにした時に次の授業のチャイムが鳴ったのだ。
「げっ、やばい」
さすがに二時間連続遅刻はまずい。私は慌てて授業に行くために立ち上がった。
「ちょっとニーナ、詳しく話してよ」
「後でね。次も遅れるわけにいかないでしょ」
「判った。後でちゃんと教えなさいよ」
私達は魔法判定を受けるために慌てて大教室に入ったのだった。
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