42 / 62
王子様は悪役令嬢をやっつけてくれました
しおりを挟む
「何をしている!」
会長の氷のように冷え切った声が響いた。
ひええええ! これはやばいやつだ。
流石の私も震え上がった。
周りの取り巻き連中もビクッとしていた。
「殿下!」
驚いてユリアナは会長を見た。
しかし、私と違ってユリアナはまだ余裕があったみたいだ。語尾も震えていないし悠然としていた。
「何をしていると聞いている」
「私は殿下が女性から近付かれるのがお嫌いだとお伺いしていたので、ニーナ嬢にその旨をお伝えしていただけですわ」
不機嫌な会長の前で平然とユリアナは言い切ったのだ。
「ほおーー、それを一人では言えないから集団でニーナ嬢に話していたということか」
「いえ、それは……」
会長の嫌味に思わずユリアナは視線をそらした。
「オルガ・ユロヤラビ嬢。どうなのだ?」
会長は横で唖然としていたおそらく伯爵令嬢と思われる令嬢に振っていた。
「恐れながら殿下。殿下の婚約者候補筆頭であらせられるユリアナ様を差し置いて、その平民の女と」
「オルガ嬢。君はこの学園の校則第一条を知らないのか」
会長は更に不機嫌になりオルガの言葉を遮っていた。
「いえ、その……」
もはや、その氷のような声にオルガは涙目だ。そうなるなら余計な事を言わなければいいのに……
「学園校則第一条、『何人も学園在学中は身分によって差別してはならない』だ」
「はい」
オルガはもはや頷くことしかできなかった。
「これを建前だと騒ぐ輩がいるとのことだが、この学園在学中はこの校則に従ってもらわねばならない。判るな」
「はい」
「君たちが相手を何と呼ぼうとも自由だが、呼び方の差別はいけない。一人を様付けすればもう一人も当然様付けしてほしい」
「しかし、殿下」
「もう一度言われたいのか」
会長がきつい口調で言ってきた。
「いえ、そのニーナ様とあまりにも一緒にいらっしゃり過ぎるのではないかと」
口を何とか開いてオルガは言い切った。
「なるほど。君は2つ勘違いしている」
「勘違いでございますか?」
「1つ目は私の婚約者候補の筆頭は決してユリアナ嬢ではない。というか、今は婚約者は決めていない状況だ」
「しかし、身分が一番高いのはユリアナ様では」
「それはこの学園の中の話であって、別に身分が一番高い令嬢と婚約する必要はなかろう。別に君でも構わないのだ」
「殿下、お戯れを」
真っ赤になってオルガは否定するが、
「それは事実だ」
冷静に会長が言った。
「そして、2つ目は私は別にこの学園に婚約者を探しに来ているのではない。仕事をしに来ているのだよ。将来のこの国を共に治めていく人材を探すのも仕事だ」
「ニーナ様はそれに値するとおっしゃるのですか?」
「今回の件は魔法師団長からの意向だ」
「カーリナ様の?」
「そんな、殿下。何故なんですか? 魔法の適性検査でその女は私よりも風魔法の力は少ないと出たのですよ。それを何故殿下が構われるのですか?」
不満をユリアナがぶつけてきた。
「ユリアナ嬢。それを判断するのは魔法師団長であって君ではないのではないか。いつから君は魔法師団長よりも偉くなったのだ」
「いえ、それは……」
さすがのユリアナもそれ以上は言い返せなかった。
「徒党を組んで他の生徒を虐める前にまず、自らを磨け」
会長はそう言うと、周りの生徒たちをも見渡した。
「君たちの成績やレポート、言動は全て陛下や私の手元にも上がってくるのだよ。心してもう少し勉学に励んだほうが良いのではないか」
「……」
会長の言葉に取り巻き令嬢たちは何も言い返せなかった。
「失礼します」
その沈黙に耐えきれなかったのか、ユリアナが頭を下げると立ち去って行った。
「失礼します」
慌ててその後を取り巻き連中がついて行った。
私はホッと盛大な溜息をついた。
それが間違いだった。
「何をほっとしているんだ」
不機嫌そうに会長が今度は私を睨んできた。
私はそのまま、生徒会室に拉致されて会長とライラから延々とお説教されたんだけど何故に?
私が会長に怒られている時のライラの嬉しそうな顔がまたムカついたし……
その後、貴族の令嬢に絡まれた時の対処方法を延々と二人に教え込まれてうんざりしたのは秘密だ。
*************************************************
ここまで読んで頂いて有難うございます。
このサイドストーリー
『転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられ、氷の貴公子に執着されました』
この話のライラ視点です。ライラの性格がガラリと変わります。
是非ともお読みください。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/302819342
下にリンクも張っています
会長の氷のように冷え切った声が響いた。
ひええええ! これはやばいやつだ。
流石の私も震え上がった。
周りの取り巻き連中もビクッとしていた。
「殿下!」
驚いてユリアナは会長を見た。
しかし、私と違ってユリアナはまだ余裕があったみたいだ。語尾も震えていないし悠然としていた。
「何をしていると聞いている」
「私は殿下が女性から近付かれるのがお嫌いだとお伺いしていたので、ニーナ嬢にその旨をお伝えしていただけですわ」
不機嫌な会長の前で平然とユリアナは言い切ったのだ。
「ほおーー、それを一人では言えないから集団でニーナ嬢に話していたということか」
「いえ、それは……」
会長の嫌味に思わずユリアナは視線をそらした。
「オルガ・ユロヤラビ嬢。どうなのだ?」
会長は横で唖然としていたおそらく伯爵令嬢と思われる令嬢に振っていた。
「恐れながら殿下。殿下の婚約者候補筆頭であらせられるユリアナ様を差し置いて、その平民の女と」
「オルガ嬢。君はこの学園の校則第一条を知らないのか」
会長は更に不機嫌になりオルガの言葉を遮っていた。
「いえ、その……」
もはや、その氷のような声にオルガは涙目だ。そうなるなら余計な事を言わなければいいのに……
「学園校則第一条、『何人も学園在学中は身分によって差別してはならない』だ」
「はい」
オルガはもはや頷くことしかできなかった。
「これを建前だと騒ぐ輩がいるとのことだが、この学園在学中はこの校則に従ってもらわねばならない。判るな」
「はい」
「君たちが相手を何と呼ぼうとも自由だが、呼び方の差別はいけない。一人を様付けすればもう一人も当然様付けしてほしい」
「しかし、殿下」
「もう一度言われたいのか」
会長がきつい口調で言ってきた。
「いえ、そのニーナ様とあまりにも一緒にいらっしゃり過ぎるのではないかと」
口を何とか開いてオルガは言い切った。
「なるほど。君は2つ勘違いしている」
「勘違いでございますか?」
「1つ目は私の婚約者候補の筆頭は決してユリアナ嬢ではない。というか、今は婚約者は決めていない状況だ」
「しかし、身分が一番高いのはユリアナ様では」
「それはこの学園の中の話であって、別に身分が一番高い令嬢と婚約する必要はなかろう。別に君でも構わないのだ」
「殿下、お戯れを」
真っ赤になってオルガは否定するが、
「それは事実だ」
冷静に会長が言った。
「そして、2つ目は私は別にこの学園に婚約者を探しに来ているのではない。仕事をしに来ているのだよ。将来のこの国を共に治めていく人材を探すのも仕事だ」
「ニーナ様はそれに値するとおっしゃるのですか?」
「今回の件は魔法師団長からの意向だ」
「カーリナ様の?」
「そんな、殿下。何故なんですか? 魔法の適性検査でその女は私よりも風魔法の力は少ないと出たのですよ。それを何故殿下が構われるのですか?」
不満をユリアナがぶつけてきた。
「ユリアナ嬢。それを判断するのは魔法師団長であって君ではないのではないか。いつから君は魔法師団長よりも偉くなったのだ」
「いえ、それは……」
さすがのユリアナもそれ以上は言い返せなかった。
「徒党を組んで他の生徒を虐める前にまず、自らを磨け」
会長はそう言うと、周りの生徒たちをも見渡した。
「君たちの成績やレポート、言動は全て陛下や私の手元にも上がってくるのだよ。心してもう少し勉学に励んだほうが良いのではないか」
「……」
会長の言葉に取り巻き令嬢たちは何も言い返せなかった。
「失礼します」
その沈黙に耐えきれなかったのか、ユリアナが頭を下げると立ち去って行った。
「失礼します」
慌ててその後を取り巻き連中がついて行った。
私はホッと盛大な溜息をついた。
それが間違いだった。
「何をほっとしているんだ」
不機嫌そうに会長が今度は私を睨んできた。
私はそのまま、生徒会室に拉致されて会長とライラから延々とお説教されたんだけど何故に?
私が会長に怒られている時のライラの嬉しそうな顔がまたムカついたし……
その後、貴族の令嬢に絡まれた時の対処方法を延々と二人に教え込まれてうんざりしたのは秘密だ。
*************************************************
ここまで読んで頂いて有難うございます。
このサイドストーリー
『転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられ、氷の貴公子に執着されました』
この話のライラ視点です。ライラの性格がガラリと変わります。
是非ともお読みください。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/302819342
下にリンクも張っています
35
あなたにおすすめの小説
ヒロイン気質がゼロなので攻略はお断りします! ~塩対応しているのに何で好感度が上がるんですか?!~
浅海 景
恋愛
幼い頃に誘拐されたことがきっかけで、サーシャは自分の前世を思い出す。その知識によりこの世界が乙女ゲームの舞台で、自分がヒロイン役である可能性に思い至ってしまう。貴族のしきたりなんて面倒くさいし、侍女として働くほうがよっぽど楽しいと思うサーシャは平穏な未来を手にいれるため、攻略対象たちと距離を取ろうとするのだが、彼らは何故かサーシャに興味を持ち関わろうとしてくるのだ。
「これってゲームの強制力?!」
周囲の人間関係をハッピーエンドに収めつつ、普通の生活を手に入れようとするヒロイン気質ゼロのサーシャが奮闘する物語。
※2024.8.4 おまけ②とおまけ③を追加しました。
貧乏神と呼ばれて虐げられていた私でしたが、お屋敷を追い出されたあとは幼馴染のお兄様に溺愛されています
柚木ゆず
恋愛
「シャーリィっ、なにもかもお前のせいだ! この貧乏神め!!」
私には生まれつき周りの金運を下げてしまう体質があるとされ、とても裕福だったフェルティール子爵家の総資産を3分の1にしてしまった元凶と言われ続けました。
その体質にお父様達が気付いた8歳の時から――10年前から私の日常は一変し、物置部屋が自室となって社交界にも出してもらえず……。ついには今日、一切の悪影響がなく家族の縁を切れるタイミングになるや、私はお屋敷から追い出されてしまいました。
ですが、そんな私に――
「大丈夫、何も心配はいらない。俺と一緒に暮らそう」
ワズリエア子爵家の、ノラン様。大好きな幼馴染のお兄様が、手を差し伸べてくださったのでした。
【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます
修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。
その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。
彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。
ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。
一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。
必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。
なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ──
そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。
これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。
※小説家になろうが先行公開です
「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」
透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。
そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。
最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。
仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕!
---
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
公爵様のバッドエンドを回避したいだけだったのに、なぜか溺愛されています
六花心碧
恋愛
お気に入り小説の世界で名前すら出てこないモブキャラに転生してしまった!
『推しのバッドエンドを阻止したい』
そう思っただけなのに、悪女からは脅されるし、小説の展開はどんどん変わっていっちゃうし……。
推しキャラである公爵様の反逆を防いで、見事バッドエンドを回避できるのか……?!
ゆるくて、甘くて、ふわっとした溺愛ストーリーです➴⡱
◇2025.3 日間・週間1位いただきました!HOTランキングは最高3位いただきました!
皆様のおかげです、本当にありがとうございました(ˊᗜˋ*)
(外部URLで登録していたものを改めて登録しました! ◇他サイト様でも公開中です)
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる