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王子様が負傷したので治療魔法を発動しました
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「喰らえ!」
襲って来たムーンウルフをズバッと会長が剣で斬り下げる。
ムーンウルフは一瞬で斬り飛ばされた。
ムーンウルフはピクピク震えながら息絶えた。
しかし、それが合図になったみたいだ。
ムーンウルフの群れが次から次に襲ってきた。
会長らはそれを次々に斬り倒していった。
「おいっ、何でこんなところにムーンウルフの群れがいるんだよ。騎士たちがチェックしたんじゃないのかよ」
「とりあえずやるしかあるまい」
会長らが叫ぶ。
「俺等5人で大半はなんとかする。漏れた分は頼むぞ」
会長はそう言うと前に突っ込んでいった。
「えっ、そんな」
二年生の男たちが慌てる。
騎士志望のアハティとヨーナスは剣を抜いた。
前の殿下たちから討ち漏らしたムーンウルフが向かってくる。
アハティとヨーナスが対処するが、全ては防ぎきれない。
側面からも狼が襲ってきて、側面にいた二年生は騎士志望では無かったはずだ。
「水よ、出でよ」
剣ではなくて水魔法で放水して対応しようとするがそれではムーンウルフは止められない。
ムーンウルフはかいくぐって襲ってこようとした。
「何しているんだよ」
そこへ、戻ってきたアハティが剣でムーンウルフの牙を受ける。
しかし、その剣をムーンウルフが咥えたのだ。
「えっ?」
アハティの動きが止まった。
そこー、次のムーンウルフがアハティに襲いかかったのだ。
「燃えろ!」
もうこうなったら仕方がない。
私がアハティの横から炎の魔法を使った。
キャィーーーン
炎に包まれたムーンウルフがのたうち回る。
アハティの剣を咥えていたもう一匹にも火の魔法を浴びせていた。
「助かったぜ、ニーナ」
アハティがお礼を言ってきた。
「火魔法は得意なのよ。昔襲ってきた男を燃やしたこともあるから」
「でも、お前風魔法だろう? 風魔法はちゃちなのになんで関係のない火魔法のほうが強いんだよ」
「知らないわよ」
アハティにはそうとしか言えなかった。
目の前のムーンウルフ達が私達の前からいなくなって私達はほっと一安心したのだ。
その時だ。
向こうから更に大きな巨体ムーンウルフが何を思ったか私を見て走ってきたのだ。
えっ?
こいつは巨体だ。絶対にこいつはこの群れのボスだ。そんな奴が何しに私達に向かってくるのだ?
「ニーナ危ない!」
私の前に出たアハティは一瞬で巨大ムーンウルフの手で弾き飛ばされた。
騎士志望のアハティをだ。
私は恐怖に戦慄した!
一目散にムーンウルフは私に向かって駆けてきたのだ。
「燃えよ」
私が炎の魔法を浴びせたが、狼がそれをかいくぐってきたのだ。
やられた!
私はそう思った。
「ニーナ!」
遠くから会長の悲鳴が聞こえたような気がした。
そして、いきなり地面から巨大ゴーレムが現れて一瞬で巨大ムーンウルフを突き上げていたのだ。
ムーンウルフの体にゴーレムのパンチがめり込み、巨大ムーンウルフは血を吐いて吹っ飛んでいった。
助かった。私がホッとした時だ。
「ヴィル!」
アクセリ様の悲鳴が聞こえた。
そちらを見るとムーンウルフに襲われた会長が倒れるのが目に入った。
「えっ?」
私はそれがスローモーションのように見えた。
私にゴーレムを出すために、周りを見ていなかったのだろう。結果そのムーンウルフに脇腹に食いつかれる会長の姿が。
「会長!」
私の悲鳴が響いた。
そのムーンウルフはアクセリ様に退治されていたが、そこには血まみれで息絶え絶えの会長がいたのだ。
私は慌てて会長に駆け寄った。
そして、顔を見て息を飲んだ。
「ウィル様!」
私の腕の中には血まみれになったウィル様がいたのだ。
「ニーナ、良かった」
息絶え絶えにウィル様が言ってくれたんだけど……
何故そこにウィル様がいるのか判らなかったが、私には選択肢はなかった。
「痛いの痛いの飛んでいけ!」
私は大きな声で叫んだのだ。
私の体が金色に光って今まで見たこともないほど大きな金の光が私の手から伸びてウィル様を包んでいたのだ。
瞬く間にウィル様の体の傷は塞がって血も無くなり、そこには銀髪の会長がいたのだった。
*********************************************
ここまで読んで頂いて有難うございます。
このサイドストーリー
『転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられ、氷の貴公子に執着されました』
この話のライラ視点です。ライラの性格がガラリと変わります。
是非ともお読みください。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/302819342
下にリンクも張っています
襲って来たムーンウルフをズバッと会長が剣で斬り下げる。
ムーンウルフは一瞬で斬り飛ばされた。
ムーンウルフはピクピク震えながら息絶えた。
しかし、それが合図になったみたいだ。
ムーンウルフの群れが次から次に襲ってきた。
会長らはそれを次々に斬り倒していった。
「おいっ、何でこんなところにムーンウルフの群れがいるんだよ。騎士たちがチェックしたんじゃないのかよ」
「とりあえずやるしかあるまい」
会長らが叫ぶ。
「俺等5人で大半はなんとかする。漏れた分は頼むぞ」
会長はそう言うと前に突っ込んでいった。
「えっ、そんな」
二年生の男たちが慌てる。
騎士志望のアハティとヨーナスは剣を抜いた。
前の殿下たちから討ち漏らしたムーンウルフが向かってくる。
アハティとヨーナスが対処するが、全ては防ぎきれない。
側面からも狼が襲ってきて、側面にいた二年生は騎士志望では無かったはずだ。
「水よ、出でよ」
剣ではなくて水魔法で放水して対応しようとするがそれではムーンウルフは止められない。
ムーンウルフはかいくぐって襲ってこようとした。
「何しているんだよ」
そこへ、戻ってきたアハティが剣でムーンウルフの牙を受ける。
しかし、その剣をムーンウルフが咥えたのだ。
「えっ?」
アハティの動きが止まった。
そこー、次のムーンウルフがアハティに襲いかかったのだ。
「燃えろ!」
もうこうなったら仕方がない。
私がアハティの横から炎の魔法を使った。
キャィーーーン
炎に包まれたムーンウルフがのたうち回る。
アハティの剣を咥えていたもう一匹にも火の魔法を浴びせていた。
「助かったぜ、ニーナ」
アハティがお礼を言ってきた。
「火魔法は得意なのよ。昔襲ってきた男を燃やしたこともあるから」
「でも、お前風魔法だろう? 風魔法はちゃちなのになんで関係のない火魔法のほうが強いんだよ」
「知らないわよ」
アハティにはそうとしか言えなかった。
目の前のムーンウルフ達が私達の前からいなくなって私達はほっと一安心したのだ。
その時だ。
向こうから更に大きな巨体ムーンウルフが何を思ったか私を見て走ってきたのだ。
えっ?
こいつは巨体だ。絶対にこいつはこの群れのボスだ。そんな奴が何しに私達に向かってくるのだ?
「ニーナ危ない!」
私の前に出たアハティは一瞬で巨大ムーンウルフの手で弾き飛ばされた。
騎士志望のアハティをだ。
私は恐怖に戦慄した!
一目散にムーンウルフは私に向かって駆けてきたのだ。
「燃えよ」
私が炎の魔法を浴びせたが、狼がそれをかいくぐってきたのだ。
やられた!
私はそう思った。
「ニーナ!」
遠くから会長の悲鳴が聞こえたような気がした。
そして、いきなり地面から巨大ゴーレムが現れて一瞬で巨大ムーンウルフを突き上げていたのだ。
ムーンウルフの体にゴーレムのパンチがめり込み、巨大ムーンウルフは血を吐いて吹っ飛んでいった。
助かった。私がホッとした時だ。
「ヴィル!」
アクセリ様の悲鳴が聞こえた。
そちらを見るとムーンウルフに襲われた会長が倒れるのが目に入った。
「えっ?」
私はそれがスローモーションのように見えた。
私にゴーレムを出すために、周りを見ていなかったのだろう。結果そのムーンウルフに脇腹に食いつかれる会長の姿が。
「会長!」
私の悲鳴が響いた。
そのムーンウルフはアクセリ様に退治されていたが、そこには血まみれで息絶え絶えの会長がいたのだ。
私は慌てて会長に駆け寄った。
そして、顔を見て息を飲んだ。
「ウィル様!」
私の腕の中には血まみれになったウィル様がいたのだ。
「ニーナ、良かった」
息絶え絶えにウィル様が言ってくれたんだけど……
何故そこにウィル様がいるのか判らなかったが、私には選択肢はなかった。
「痛いの痛いの飛んでいけ!」
私は大きな声で叫んだのだ。
私の体が金色に光って今まで見たこともないほど大きな金の光が私の手から伸びてウィル様を包んでいたのだ。
瞬く間にウィル様の体の傷は塞がって血も無くなり、そこには銀髪の会長がいたのだった。
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ここまで読んで頂いて有難うございます。
このサイドストーリー
『転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられ、氷の貴公子に執着されました』
この話のライラ視点です。ライラの性格がガラリと変わります。
是非ともお読みください。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/302819342
下にリンクも張っています
応援ありがとうございます!
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