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小国王妃はクリスの雷撃を受けました

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私は、はっと気づいた。

いつの間にか気を失っていたようだ。

私の目の端に薄ら笑いをした王妃がいた。

手には血だらけのムチを持っていた。

端には治療されている途中の王子が見えた。

まだそんなに時間は経っていないらしい。


「どうした小娘。もう終わりか。命乞いしたくなってきたのか」

「だ、誰が、おまえなんかに」
私は言わなくてもよいのにまた言ってしまった。

「なんだと生意気な」
王妃のムチがまた、振り下ろされた。

「うっ」
痛みが走る。

そろそろ終わりかも。

せっかく三途の川を渡らなかったのに、体が限界に近づいたようだ。

クリスゴメン。私は心のなかで思った時だ。


その瞬間だ。

いきなり目の前に画面が写った。

えっ、なにこれ、魔導電話か何か???

でも開けていないけど・・・・

「ソニア!」
その声は確かにクリスの声だった。

でも、ぼやけた視界に映る女は金髪のようにみえた。

「ソニア、大丈夫?」
「クリス、もうだめ・・・・」
私は声を絞り出した。

「ソニアしっかりしろ」
その画面にアルバートが割り込んできた。

うそ、アルバートだ。神様が最後に会わせてくれたんだ。

「アルバート、会えて良か・・・・」
私はもう声も出ないみたいだった。

「どうしたんだその傷は」

「貴様ら何奴じゃ」
その時王妃が割り込んできた。


「私はクリスティーナ・ミハイル、お前はカイラ・インダルか」
私はよく回らない頭で考えた。クリスって平民のくせに名字があったんだと。
ボフミエでは平民に名字はなかったはずだがと馬鹿なことを考えていた。後から考えたら本当に私って馬鹿だ。

「何故、私の名前を知っている」
王妃は驚いて聞いた。

「インダルの王妃であろう。それよりも貴様、私の友人のソニアに何をした」
クリスの声が怒りに震えていた。こんなに怒っているクリスを始めてみた。でもこの姿形、どこかで会ったような。でも、この声は確かにクリスだった。


私の視界の端で治療されていた王子が何か叫んでいたがよく聞こえない。

「逃げろ・・・そいつは・・・ボフミエの悪魔・・・・」

「ふんっ。まあ誰でも良い。貴様の小娘が殺されるのをよく見ておくことだ」
王妃はそう叫ぶとムチを振り上げようとした。

「おのれ、許さん」
「逃げろ、雷撃が・・・・」


次の瞬間周りが真っ白に光った。

「ギャーーーーーー」
そして、絶叫が響き渡ったような気がした。

壁が全て融けてなくなる。

私は何がなんだか判らなかった。

意識が吹っ飛ぶ前に、クリスティーナ・ミハイルって筆頭魔導師様の名前だったとやっと気づいた・・・・・

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。



話はまだまだ続きます。次からはアルバート視線

次々と隠されていた???真実が明らかに

今夜から更新です。


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