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国王に感謝されました
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私はロンド王国でも淫乱聖女のお陰で、どろどろの勢力争いの中に巻き込まれたので、このベルファスト王国では静かにしていたいんだけど。
ハロルドの横なんかに立ったら、確実にお家騒動に巻き込まれるのは確実だった。
もっとも辺境伯もヘリフォード伯爵も私を巻き込む気は満々みたいだったが・・・・
そこへ、王妃を従えた、この国の国王陛下がお成りになった。
全員が一斉に頭を下げる。
「皆の者、そのような堅苦しい挨拶は抜きだ」
陛下が手を挙げられたので、一同頭を上げる。
「ハロルド」
陛下がハロルドを呼ばれた。
皆がハロルドに視線を向ける。
ハロルドは何故かムッとした様子だったが、私の手を引くとそのまま壇上に向かった。
「えっ? 私は呼ばれていないんだけど」
しかし私の声を無視して、ハロルドに連れられて壇上に上げられるんだけど。
近衛も第一王子が連れてくる女を静止できないようだった。
まあ、私の障壁は完璧だから、ハロルドの弾除けかもしれないけれど。ハロルドを第二王子が狙っても全て弾き飛ばせるけれど・・・・私は護衛なんだろうか? まあ、龍ちゃんも抱いているし、更に完璧だけど。
「ん、その方は?」
私がハロルドと一緒に私まで壇上に上がって、陛下が戸惑われた。
「お久しぶりにございます。陛下。ロンド王国のシェフィールド公爵の娘キャサリンでございます」
私はカーテシーをした。
「おお、ロンド王国の公爵家のご令嬢か。なるほど、ロンド王国から女性を同行しているとは聞いていたが、公爵家のご令嬢だったとは失礼した」
「いえ、こちらこそ、殿下には命を救って頂き感謝の言葉もございません」
私がお礼をいう。
「ハロルドのしたことだ。その方のことを気にいったのであろう」
「彼女にはこのスノードニアの侵攻戦でもとても世話になったのです」
ハロルドが横から口を出してきた。
「そうか。我が方の不手際が目立った中、キャサリン嬢にもご苦労をおかけしたの」
「滅相もございません。辺境伯様始め、この国の皆様にはとても良くしていただきましたので、微力を尽くさせていただいただけでございます」
陛下のお言葉に私は謙遜した。出来たらさっさとこの位置から降りたいのだが。
「いや、此度のスノードニアの大軍の侵攻において、その方らの活躍無くしてはこの国も危うかった。礼を言うぞ」
「ありがたき幸せにございます」
やむを得ず、私は頭を下げた。陛下の横の王妃の憎々しげな視線と、その後ろの第二王子と思える怒りの視線、宰相のこちらを射殺さんとする鋭い視線を無視する。
「キャサリン様。腕に竜もどきを抱えていらっしゃいますが、演出が過ぎるのではございませんか」王妃が憎々しげに言い出した。
「陛下に拝謁するのに、ペットを連れてくるなど、言語道断だと思われますが」
馬鹿にしたように王妃がいう。
「これは妃殿下の言葉とも思われません。この者は今回のスノードニア戦において、十二分に活躍してくれたのです」
ムッとしている龍ちゃんに代わって私が言い切った。
「なんとそのような小さきものがか」
王妃が馬鹿にしたように言うが。
「はい、古の竜神様もかくやという程の活躍をしてくれたので」
私は正直に話す。信じようが信じまいが勝手だが、表では龍ちゃんがスノードニアの大軍を殲滅したことになっているのだから。ちゃんとみんなには紹介したのだ。
「なるほど、古の聖女様を真似たというのか」
陛下が感心して言ってくれるのだが、実際問題として、活躍したのは龍ちゃんなんだけど、完全に陛下は話をすり替えてくれていた。
「さすがロンド王国の公爵家のご令嬢だ。我が国の歴史にも堪能で在られられる。ぜひともその小さき龍神様とともにハロルドを助けてやってほしい」
「御心のままに」
私は頭を下げた。まあ、龍ちゃんの活躍を皆信じようが信じまいが、良いんだけど。
国王陛下の言葉でもう誰も何も言えなかった。もっとも、言ったところで、この古代竜に盾突けるものなど居ないんだけど。
「今回の防衛戦の勲功はハロルドに任せる。その方が采配せよ」
陛下が言われた。
「へ、陛下そのような。勲功は陛下がお決めになることでは」
「此度の勲功は第一王子であるハロルドだと聞いている。その勲功をハロルドにさせるのに何が問題となろうか」
宰相の言葉に陛下がおっしゃられた。
「ありがたき幸せ」
ハロルドはまず国王陛下にお礼を言った。
「今回の戦いにおいてはバーミンガム辺境伯とその配下の騎士達が実によくやってくれました。私はそれを見ていただけです。その中でも一番の勲功は私の横にいるキャサリン嬢とそのペットなのです」
「な、なんと、戦の勲功を自らの女に賜るといわれるのか」
宰相が異議を言ったけれど。そう、私も勲功なんていらないのだけど。邪魔だし。
「宰相は何を言うのか。私は事実を述べただけだ。のう、辺境伯」
ハロルドは辺境伯に振ってくれた。
「左様にございます。我が、砦は、キャサリン様とそのペット様のご活躍無ければ陥落しておりました。全ての勲功はお二人にございました」
「なんと、左様か。その方らがそこまで言うのならば、そうであろう。詳しいことは後ほど教えてもらおう。取り急ぎ、キャサリン嬢にはこの国のために尽くしてもらって感謝の言葉もないと礼を申しておく」
陛下が私におっしゃられた。
「そのような、滅層もございません。私は微力を尽くしただけでございます」
再度私は頭を下げた。私のことは黙ってくれるはずではなかったのか。とハロルドを睨みつけたが、ハロルドは無視してくれたんだけど。私のことはどうなるのよ。
私には何か不吉な予感しかなかった。
ハロルドの横なんかに立ったら、確実にお家騒動に巻き込まれるのは確実だった。
もっとも辺境伯もヘリフォード伯爵も私を巻き込む気は満々みたいだったが・・・・
そこへ、王妃を従えた、この国の国王陛下がお成りになった。
全員が一斉に頭を下げる。
「皆の者、そのような堅苦しい挨拶は抜きだ」
陛下が手を挙げられたので、一同頭を上げる。
「ハロルド」
陛下がハロルドを呼ばれた。
皆がハロルドに視線を向ける。
ハロルドは何故かムッとした様子だったが、私の手を引くとそのまま壇上に向かった。
「えっ? 私は呼ばれていないんだけど」
しかし私の声を無視して、ハロルドに連れられて壇上に上げられるんだけど。
近衛も第一王子が連れてくる女を静止できないようだった。
まあ、私の障壁は完璧だから、ハロルドの弾除けかもしれないけれど。ハロルドを第二王子が狙っても全て弾き飛ばせるけれど・・・・私は護衛なんだろうか? まあ、龍ちゃんも抱いているし、更に完璧だけど。
「ん、その方は?」
私がハロルドと一緒に私まで壇上に上がって、陛下が戸惑われた。
「お久しぶりにございます。陛下。ロンド王国のシェフィールド公爵の娘キャサリンでございます」
私はカーテシーをした。
「おお、ロンド王国の公爵家のご令嬢か。なるほど、ロンド王国から女性を同行しているとは聞いていたが、公爵家のご令嬢だったとは失礼した」
「いえ、こちらこそ、殿下には命を救って頂き感謝の言葉もございません」
私がお礼をいう。
「ハロルドのしたことだ。その方のことを気にいったのであろう」
「彼女にはこのスノードニアの侵攻戦でもとても世話になったのです」
ハロルドが横から口を出してきた。
「そうか。我が方の不手際が目立った中、キャサリン嬢にもご苦労をおかけしたの」
「滅相もございません。辺境伯様始め、この国の皆様にはとても良くしていただきましたので、微力を尽くさせていただいただけでございます」
陛下のお言葉に私は謙遜した。出来たらさっさとこの位置から降りたいのだが。
「いや、此度のスノードニアの大軍の侵攻において、その方らの活躍無くしてはこの国も危うかった。礼を言うぞ」
「ありがたき幸せにございます」
やむを得ず、私は頭を下げた。陛下の横の王妃の憎々しげな視線と、その後ろの第二王子と思える怒りの視線、宰相のこちらを射殺さんとする鋭い視線を無視する。
「キャサリン様。腕に竜もどきを抱えていらっしゃいますが、演出が過ぎるのではございませんか」王妃が憎々しげに言い出した。
「陛下に拝謁するのに、ペットを連れてくるなど、言語道断だと思われますが」
馬鹿にしたように王妃がいう。
「これは妃殿下の言葉とも思われません。この者は今回のスノードニア戦において、十二分に活躍してくれたのです」
ムッとしている龍ちゃんに代わって私が言い切った。
「なんとそのような小さきものがか」
王妃が馬鹿にしたように言うが。
「はい、古の竜神様もかくやという程の活躍をしてくれたので」
私は正直に話す。信じようが信じまいが勝手だが、表では龍ちゃんがスノードニアの大軍を殲滅したことになっているのだから。ちゃんとみんなには紹介したのだ。
「なるほど、古の聖女様を真似たというのか」
陛下が感心して言ってくれるのだが、実際問題として、活躍したのは龍ちゃんなんだけど、完全に陛下は話をすり替えてくれていた。
「さすがロンド王国の公爵家のご令嬢だ。我が国の歴史にも堪能で在られられる。ぜひともその小さき龍神様とともにハロルドを助けてやってほしい」
「御心のままに」
私は頭を下げた。まあ、龍ちゃんの活躍を皆信じようが信じまいが、良いんだけど。
国王陛下の言葉でもう誰も何も言えなかった。もっとも、言ったところで、この古代竜に盾突けるものなど居ないんだけど。
「今回の防衛戦の勲功はハロルドに任せる。その方が采配せよ」
陛下が言われた。
「へ、陛下そのような。勲功は陛下がお決めになることでは」
「此度の勲功は第一王子であるハロルドだと聞いている。その勲功をハロルドにさせるのに何が問題となろうか」
宰相の言葉に陛下がおっしゃられた。
「ありがたき幸せ」
ハロルドはまず国王陛下にお礼を言った。
「今回の戦いにおいてはバーミンガム辺境伯とその配下の騎士達が実によくやってくれました。私はそれを見ていただけです。その中でも一番の勲功は私の横にいるキャサリン嬢とそのペットなのです」
「な、なんと、戦の勲功を自らの女に賜るといわれるのか」
宰相が異議を言ったけれど。そう、私も勲功なんていらないのだけど。邪魔だし。
「宰相は何を言うのか。私は事実を述べただけだ。のう、辺境伯」
ハロルドは辺境伯に振ってくれた。
「左様にございます。我が、砦は、キャサリン様とそのペット様のご活躍無ければ陥落しておりました。全ての勲功はお二人にございました」
「なんと、左様か。その方らがそこまで言うのならば、そうであろう。詳しいことは後ほど教えてもらおう。取り急ぎ、キャサリン嬢にはこの国のために尽くしてもらって感謝の言葉もないと礼を申しておく」
陛下が私におっしゃられた。
「そのような、滅層もございません。私は微力を尽くしただけでございます」
再度私は頭を下げた。私のことは黙ってくれるはずではなかったのか。とハロルドを睨みつけたが、ハロルドは無視してくれたんだけど。私のことはどうなるのよ。
私には何か不吉な予感しかなかった。
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