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授業の前に皆で騒いでいたら礼儀作法の先生にまた怒られてしごかれることになりました
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「ユリアーナさん、いつまでアルトマイアーさんに抱きあげられているのですか?」
職員室へ歩きながら、マイヤー先生は叱責してきた。
「お兄様、私は降りるから!」
私は必死にお兄様に言い張ったが、
「マイヤー先生、職員室までは俺が抱き上げて運びます」
「アルトマイアー様。ツィツェーリア様の前ですよ」
フローラが怒ってきた。それはそうだろう。愛しい人の前で妹とはいえ抱かれているのは駄目だと思う。
「お前ら帝国がユリアを襲うからだろう」
でもお兄様は昔から私には過保護だったのだ。
「襲うって、それなら、ゲオルクもユリアーナさんにボコボコにされてましたけれど」
フローラが蒸し返して欲しくない私の過去の蛮行を言い出してくれた。
「ユリアーナさん!どう言うことですか?」
マイヤー先生が眼鏡をぎろりと光らせてくれるんだけど……
「それは剣術授業の時です。すでにマイヤー先生には怒られました」
私は言い張ったのだ。
「そうだったかしら?」
「そうですって!」
マイヤー先生はとぼけないでほしい。
思わずボケたんですか?
って叫びそうになった。
危うく、お叱りの時間が倍になるところだった。
何かそのまま、どさくさに紛れて私はお兄様に抱き上げられたまま、職員室に連れていかれた。何か、ツィツェーリア様の顔が怖いんだけど……
「アルトマイアーさん、例え妹と言えども学園の中で女の子を抱き上げて移動するなど言語道断です」
マイヤー先生はお兄様に怒っていた。それをツィツェーリア様とフローラが頷いているんだけど……二人はお兄様ではなくて何故か私を睨んでいた。
「おお、ユリアーナ、逃げ出さないようにアルトマイアーに連れてこられたのか?」
担任のブレンダー先生が変なことを言い出してきた。
「違います。歩くって言うのにお兄様が聞いてくれなくて」
私が必死に言い訳した。
「ブレンダー先生、ユリアーナさんはいつもの如く1限目は学園長室にいますので、教科の先生に宜しくお伝えください」
マイヤー先生が各担任に申し送りしてくれるんだけど……
いや、私はブレンダー先生と教室で授業受けたいんだけど……
学園長が何故かうんざりした顔でこちらを見てくるんだけど、私の方がうんざりしているんだって!
「で、ホフマン問題児2兄妹は今度は何をしたんですか?」
学園長室に入るなり、学園長が聞いてくれた。
「今回は私は何もしていないです!」
私は学園長に主張したのだ。
そう、まだ悪いことは私はしていない!
「アルトマイアーさんが破廉恥なことにユリアーナさんを抱き上げて廊下を歩いていたのです」
言わなくてもいいのに、マイヤー先生が報告してくれた。
「俺はユリアーナの安全を計るためにしていただけです」
「安全を計るって、ユリアーナさんがそう簡単に危険な目に合うとは思えないんですけど、大体いつもユリアーナさんが誰かを危険な目に合わせていますよね」
学園長が酷い事を言ってくれた。
それはそうかもしれないけれど、私はわざとやってはいない!
「学園長、今回はユリアーナは帝国の魔術師の攻撃を受けたのです」
お兄様がツェツィーリア様の前で言い切った。
「アルトマイアー様。帝国の魔術師としてはユリアーナ様のお力を探っただけだと」
フローラが言い訳してくれたが、それは地雷を踏んでいるんだって!
「はああああ? エックハルトによるとユリアーナが障壁を張らない限りは確実に死んでいたレベルだったという話だが、帝国はいつから殺人を犯すようになったのだ!」
お兄様は激怒し始めたんだけど……
「いや、まあ、お兄様、落ち着いて」
「これが落ち着いていられるか!」
私とマイヤー先生と学園長でお兄様を抑えるのが大変だった。
結局、帝国側から、新たに謝罪がある訳ではなくて、激怒するお兄様を抑えるのが精一杯だったんだけど……帝国側も言葉は気をつけて欲しい。
お兄様が激怒したときは謝るのが基本なのに!
私は謝らないで基本は泣くのだ……
だってお兄様の怒るのは基本的に私に対しては理不尽なことが多いから。
静かに膝の上に座っていないとか、他の男と話したとか、いくらもてない私だって男の子と話すこともあるわよ!
お兄様のあまりの怒りぶりにツェツィーリア様が涙目になって、お兄様も追及の手を緩めていた。
疲れ切って教室に戻ると、皆して私を迎えてくれた。
「マリア、土日は大丈夫だった?」
私が尋ねると、
「ありがとう。ホフマン公爵家の騎士の方々が見張ってくれたから問題なかったわ」
マリアがお礼を言ってくれた。
「ユリアこそ、今度は何をやらかしたの? 朝からマイヤー先生に連行されたって聞いたけれど」
「何もしていないわよ。金曜日の夜の帝国の魔術師が攻撃してきたことでお兄様がとても過保護になったのよ」
私がむっとして反論した。
「と言うか、ユリアーナ。あなたのその髪飾りといい指輪といい、アルトマイアー様の色そのままじゃない」
ビアンカが指摘してくれた。
確かに両方とも金に青いサファイアが輝いていた。
「本当だわ。朝、アルトマイアー様を見たけれど、アルトマイアー様もエメラルドが輝く銀の指輪していたわよ」
「ええええ! お互いの色の指輪ってお揃いじゃない!」
「ひょっとして禁断の恋なの?」
女の子がギャーキャー騒いでくれるんだけど、
「違う、お兄様が過保護なだけよ!」
「過保護なだけって、今朝もあなた来たとき、アルトマイアー様に抱きかかえられていたじゃない」
「まあ、本当なの!」
「凄いじゃない!」
皆キャーキャー言ってくれるんだけど……
「貴方たち、何を騒いでいるのですか?」
そこに怒り顔のマイヤー先生が入ってきたのだ。
やばい、忘れていた。次は礼儀作法の時間だった。
私達はマイヤー先生から1時間徹底的にしごかれることになってしまったのだ……
********************************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
お気に入り登録、感想等をして頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾
続きをお楽しみに。
次は皇女の取り巻きが動きます
職員室へ歩きながら、マイヤー先生は叱責してきた。
「お兄様、私は降りるから!」
私は必死にお兄様に言い張ったが、
「マイヤー先生、職員室までは俺が抱き上げて運びます」
「アルトマイアー様。ツィツェーリア様の前ですよ」
フローラが怒ってきた。それはそうだろう。愛しい人の前で妹とはいえ抱かれているのは駄目だと思う。
「お前ら帝国がユリアを襲うからだろう」
でもお兄様は昔から私には過保護だったのだ。
「襲うって、それなら、ゲオルクもユリアーナさんにボコボコにされてましたけれど」
フローラが蒸し返して欲しくない私の過去の蛮行を言い出してくれた。
「ユリアーナさん!どう言うことですか?」
マイヤー先生が眼鏡をぎろりと光らせてくれるんだけど……
「それは剣術授業の時です。すでにマイヤー先生には怒られました」
私は言い張ったのだ。
「そうだったかしら?」
「そうですって!」
マイヤー先生はとぼけないでほしい。
思わずボケたんですか?
って叫びそうになった。
危うく、お叱りの時間が倍になるところだった。
何かそのまま、どさくさに紛れて私はお兄様に抱き上げられたまま、職員室に連れていかれた。何か、ツィツェーリア様の顔が怖いんだけど……
「アルトマイアーさん、例え妹と言えども学園の中で女の子を抱き上げて移動するなど言語道断です」
マイヤー先生はお兄様に怒っていた。それをツィツェーリア様とフローラが頷いているんだけど……二人はお兄様ではなくて何故か私を睨んでいた。
「おお、ユリアーナ、逃げ出さないようにアルトマイアーに連れてこられたのか?」
担任のブレンダー先生が変なことを言い出してきた。
「違います。歩くって言うのにお兄様が聞いてくれなくて」
私が必死に言い訳した。
「ブレンダー先生、ユリアーナさんはいつもの如く1限目は学園長室にいますので、教科の先生に宜しくお伝えください」
マイヤー先生が各担任に申し送りしてくれるんだけど……
いや、私はブレンダー先生と教室で授業受けたいんだけど……
学園長が何故かうんざりした顔でこちらを見てくるんだけど、私の方がうんざりしているんだって!
「で、ホフマン問題児2兄妹は今度は何をしたんですか?」
学園長室に入るなり、学園長が聞いてくれた。
「今回は私は何もしていないです!」
私は学園長に主張したのだ。
そう、まだ悪いことは私はしていない!
「アルトマイアーさんが破廉恥なことにユリアーナさんを抱き上げて廊下を歩いていたのです」
言わなくてもいいのに、マイヤー先生が報告してくれた。
「俺はユリアーナの安全を計るためにしていただけです」
「安全を計るって、ユリアーナさんがそう簡単に危険な目に合うとは思えないんですけど、大体いつもユリアーナさんが誰かを危険な目に合わせていますよね」
学園長が酷い事を言ってくれた。
それはそうかもしれないけれど、私はわざとやってはいない!
「学園長、今回はユリアーナは帝国の魔術師の攻撃を受けたのです」
お兄様がツェツィーリア様の前で言い切った。
「アルトマイアー様。帝国の魔術師としてはユリアーナ様のお力を探っただけだと」
フローラが言い訳してくれたが、それは地雷を踏んでいるんだって!
「はああああ? エックハルトによるとユリアーナが障壁を張らない限りは確実に死んでいたレベルだったという話だが、帝国はいつから殺人を犯すようになったのだ!」
お兄様は激怒し始めたんだけど……
「いや、まあ、お兄様、落ち着いて」
「これが落ち着いていられるか!」
私とマイヤー先生と学園長でお兄様を抑えるのが大変だった。
結局、帝国側から、新たに謝罪がある訳ではなくて、激怒するお兄様を抑えるのが精一杯だったんだけど……帝国側も言葉は気をつけて欲しい。
お兄様が激怒したときは謝るのが基本なのに!
私は謝らないで基本は泣くのだ……
だってお兄様の怒るのは基本的に私に対しては理不尽なことが多いから。
静かに膝の上に座っていないとか、他の男と話したとか、いくらもてない私だって男の子と話すこともあるわよ!
お兄様のあまりの怒りぶりにツェツィーリア様が涙目になって、お兄様も追及の手を緩めていた。
疲れ切って教室に戻ると、皆して私を迎えてくれた。
「マリア、土日は大丈夫だった?」
私が尋ねると、
「ありがとう。ホフマン公爵家の騎士の方々が見張ってくれたから問題なかったわ」
マリアがお礼を言ってくれた。
「ユリアこそ、今度は何をやらかしたの? 朝からマイヤー先生に連行されたって聞いたけれど」
「何もしていないわよ。金曜日の夜の帝国の魔術師が攻撃してきたことでお兄様がとても過保護になったのよ」
私がむっとして反論した。
「と言うか、ユリアーナ。あなたのその髪飾りといい指輪といい、アルトマイアー様の色そのままじゃない」
ビアンカが指摘してくれた。
確かに両方とも金に青いサファイアが輝いていた。
「本当だわ。朝、アルトマイアー様を見たけれど、アルトマイアー様もエメラルドが輝く銀の指輪していたわよ」
「ええええ! お互いの色の指輪ってお揃いじゃない!」
「ひょっとして禁断の恋なの?」
女の子がギャーキャー騒いでくれるんだけど、
「違う、お兄様が過保護なだけよ!」
「過保護なだけって、今朝もあなた来たとき、アルトマイアー様に抱きかかえられていたじゃない」
「まあ、本当なの!」
「凄いじゃない!」
皆キャーキャー言ってくれるんだけど……
「貴方たち、何を騒いでいるのですか?」
そこに怒り顔のマイヤー先生が入ってきたのだ。
やばい、忘れていた。次は礼儀作法の時間だった。
私達はマイヤー先生から1時間徹底的にしごかれることになってしまったのだ……
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次は皇女の取り巻きが動きます
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