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神官の独り言 追放した聖女を取り戻すために帝国に向かいました
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私はシリル・キンロス。アリストン王国の神官だ。
キンロスの名前のとおり、キンロス王国の血を引いている。現王ピートル大王は私の従兄弟に当たる。
私はその大王から、命じられてこのアリストン王国の神官となった。
そう、このアリストン王国に派遣されたいわばキンロスの工作員だ。
父はピートルとの王位争いに敗れて失意のうちに亡くなり、私は命を永らえる為に、そのピートルの意のままに動くようにしてきた。
1年前に前聖女を馬車の事故に見せかけて手に掛けたのも私だ。
聖女はあろうことか、アリストン王国から出奔し、帝国へ向かったのだ。そのようなことがアリストン王国では認められるわけはなかった。それはキンロス王国としても同じだ。
私は、大司教閣下の命令を受けて聖女を追った。聖女に追い付いて、翻意を願ったが、聖女は考えを翻っさず、やむを得ず事故に見せかけて殺したのだ。
その件については、大王からは酷い叱責の手紙を受けた。
しかし、聖女は、10年前の、前々聖女を事故に見せかけて殺した事を知ったのだ。殺すしかなかった。
20年前、飛ぶ鳥を落とす勢いだった大王は、帝国との戦いに挑み、こっぴどい敗戦を喫した。娘を、帝国の皇子の妾に差し出し領地の多くを割譲して許しを乞い、何とか生き残ったのだ。
その後はただひたすら耐えた。
敗戦から一年後、帝国の皇帝がその大戦の傷が元で死亡。帝国の名宰相と呼ばれたアフトンロード公爵が10年前に亡くなって、やっと屈辱の時代は終わったのだ。
抑えるものが無くなった時に、我々は大王の命でまず前々聖女を暗殺した。
そして聖女を召喚すると、その王配に帝国の第一皇子を当てるように仕向けたのだ。
帝国としては、青天の霹靂だったろう。帝国の第二皇子は何しろわが国の大王の血を引いた皇子なのだ。そして皇子はその一人しか残っていなかったのだから。
大王としては笑いが止まらなかったに違いない。これで、次の皇帝は自分の孫がなるのだ。帝国も思いのままになってくれると考えたに違いない。
更に大王は近隣の王国と婚姻を結んでいった。
そう、大王は20年前の帝国との敗戦の屈辱を晴らすために着々と手を打ってきたのだ。
だから、1年前のこの聖女の死亡は、大王にしてみれば計算違いも甚だしかったに違いない。
しかし、大王の凄いところは、これを奇貨として次の聖女を取り組む事にしたようだ。何と召喚した聖女には次は自分の国の番だからと、あっさり皇太子の嫡男を王配として差し出す準備を始めたのだ。
アリストンの聖職者の多くはキンロス派であったが、帝国の影響力もまだ大きかった。そこに息子を更に送り込み、帝国の人間を追い出しにかかったのだ。
あの大王の事だ。
帝国内で自分の息子と、王配になれる見込みがなくなり中途半端な状態になっている第一皇子との間で跡継ぎ問題を起こさせて、帝国の勢力を弱め、あわよくば併合しようと狙っているのではないかと思われた。
私達アリストン王国のキンロス王国の面々は、次の王配予定のアラム王子を交えて、着々とキンロスの勢力を強めていった。
王配予定だった帝国の皇子は、聖女の死後やる気も無くし、鬱々と過ごしていると思っていたのだ。
そんな中で行われた聖女召喚は驚いたことに二人も召喚していたのだ。
召喚の主担当の大魔術師は聖女召喚と同時に気絶してしまい、どちらが聖女か確かめようがなかった。
しかし、二人うち、一人はどう見ても病人で今でも死にそうだった。
そして、元気な方に「あなたが聖女様ですか?」
と尋ねたのだ。
聖女と思しき女は凛と名乗った
そして、もう一人の病人を見て伝染病かもしれないと大騒ぎしたのだ。
「それはまずいのでは」
「すぐに、放り出すべきだぜ」
「衛兵! すぐにこの女を放り出すのだ」
私は何故かそう叫んでいたのだ。
普通は疑わしい場合でも留めて、大魔術師が目を覚ますまで留め置いておけば良かったのだ。
それを何故か衛兵に命じて放逐してしまったのだ。
そして、それを誰も止めなかった。
信じられないことだった。
凛は魅了か何かの魔術をもっているのかもしれない。
凛が聖女であるということは誰も疑わず、別室に待機していたアラム王孫も凛をとても気に入ったのだ。
王孫はあろう事かその日のうちに凛と懇ろな関係になっていた。信じられないほど手の早い王孫だったのだ。
もうアリストン王国では凛が聖女として認定されてお披露目までなされてしまった。
そんな時だ。大魔術師が目を覚ましたのは。
驚いたことに大魔術は聖女は凛を指さして聖女ではないと宣ったのだ。
俺達は慌てた。ではもう一人の方が聖女だったのか。
しかし、その女が何処にいるか誰も判らなかった。
更には、もう凛を聖女として認定した後だし、今更変更するなど出来ないことだった。
それに凛は聖女として急速に周りに影響力を持ち出したのだ。
王子もとても凛が気に入っており、凛の言うがままだった。
しかし、未だに凛は聖女としての癒やし魔術が使えない状況だった。
これではいつか必ず、バレてしまう。いつまでも誤魔化しきれないだろう。
そんな時だ。帝国に聖女が現れたと報告があったのだ。
何でも癒やし魔術を使って多くの人を治したらしい。
おそらくそれが追放した聖女だと我々は直ちに聖女をこちらに返してもらうように、帝国に交渉した。
しかし、帝国は拒絶してきたのだ。
なんと、追放した聖女をあの第一皇子が保護して連れ帰ったらしい。皇子はとてもその聖女を溺愛しているとのことだった。
我々は慌てた。
こちらも、聖女を凛だと認定してしまった弱みがある。その聖女は追放してしまったのだ。
大々的に聖女の返還を申し出ることも出来なかった。
「無理やり連れてくればいいでしょう。なあに、あの子と私は親友よ。連れてきさえすればなんとてでもするわ」
偽聖女の凛が笑っていってくれたのだ。
しかし、事は簡単ではない。帝国に侵入して失敗すれば、国際問題になるのは確実だ。
ただ、凛は癒やし魔術が使えず、いつまでも誤魔化し続けられはしない。
こうなれば無理やりでもその聖女を連れ戻すしか無い。私と大魔術師が中心に少数精鋭の特別編成の部隊を作って帝国に派遣したのだ。
何でも聖女はそんなに強力に守られているわけでもなく、毎日護衛もほとんど付けずに学園と宮殿の間を往復しているらしい。
私達は今ならば簡単に聖女を取り戻せると思い帝国に向かったのだ。
キンロスの名前のとおり、キンロス王国の血を引いている。現王ピートル大王は私の従兄弟に当たる。
私はその大王から、命じられてこのアリストン王国の神官となった。
そう、このアリストン王国に派遣されたいわばキンロスの工作員だ。
父はピートルとの王位争いに敗れて失意のうちに亡くなり、私は命を永らえる為に、そのピートルの意のままに動くようにしてきた。
1年前に前聖女を馬車の事故に見せかけて手に掛けたのも私だ。
聖女はあろうことか、アリストン王国から出奔し、帝国へ向かったのだ。そのようなことがアリストン王国では認められるわけはなかった。それはキンロス王国としても同じだ。
私は、大司教閣下の命令を受けて聖女を追った。聖女に追い付いて、翻意を願ったが、聖女は考えを翻っさず、やむを得ず事故に見せかけて殺したのだ。
その件については、大王からは酷い叱責の手紙を受けた。
しかし、聖女は、10年前の、前々聖女を事故に見せかけて殺した事を知ったのだ。殺すしかなかった。
20年前、飛ぶ鳥を落とす勢いだった大王は、帝国との戦いに挑み、こっぴどい敗戦を喫した。娘を、帝国の皇子の妾に差し出し領地の多くを割譲して許しを乞い、何とか生き残ったのだ。
その後はただひたすら耐えた。
敗戦から一年後、帝国の皇帝がその大戦の傷が元で死亡。帝国の名宰相と呼ばれたアフトンロード公爵が10年前に亡くなって、やっと屈辱の時代は終わったのだ。
抑えるものが無くなった時に、我々は大王の命でまず前々聖女を暗殺した。
そして聖女を召喚すると、その王配に帝国の第一皇子を当てるように仕向けたのだ。
帝国としては、青天の霹靂だったろう。帝国の第二皇子は何しろわが国の大王の血を引いた皇子なのだ。そして皇子はその一人しか残っていなかったのだから。
大王としては笑いが止まらなかったに違いない。これで、次の皇帝は自分の孫がなるのだ。帝国も思いのままになってくれると考えたに違いない。
更に大王は近隣の王国と婚姻を結んでいった。
そう、大王は20年前の帝国との敗戦の屈辱を晴らすために着々と手を打ってきたのだ。
だから、1年前のこの聖女の死亡は、大王にしてみれば計算違いも甚だしかったに違いない。
しかし、大王の凄いところは、これを奇貨として次の聖女を取り組む事にしたようだ。何と召喚した聖女には次は自分の国の番だからと、あっさり皇太子の嫡男を王配として差し出す準備を始めたのだ。
アリストンの聖職者の多くはキンロス派であったが、帝国の影響力もまだ大きかった。そこに息子を更に送り込み、帝国の人間を追い出しにかかったのだ。
あの大王の事だ。
帝国内で自分の息子と、王配になれる見込みがなくなり中途半端な状態になっている第一皇子との間で跡継ぎ問題を起こさせて、帝国の勢力を弱め、あわよくば併合しようと狙っているのではないかと思われた。
私達アリストン王国のキンロス王国の面々は、次の王配予定のアラム王子を交えて、着々とキンロスの勢力を強めていった。
王配予定だった帝国の皇子は、聖女の死後やる気も無くし、鬱々と過ごしていると思っていたのだ。
そんな中で行われた聖女召喚は驚いたことに二人も召喚していたのだ。
召喚の主担当の大魔術師は聖女召喚と同時に気絶してしまい、どちらが聖女か確かめようがなかった。
しかし、二人うち、一人はどう見ても病人で今でも死にそうだった。
そして、元気な方に「あなたが聖女様ですか?」
と尋ねたのだ。
聖女と思しき女は凛と名乗った
そして、もう一人の病人を見て伝染病かもしれないと大騒ぎしたのだ。
「それはまずいのでは」
「すぐに、放り出すべきだぜ」
「衛兵! すぐにこの女を放り出すのだ」
私は何故かそう叫んでいたのだ。
普通は疑わしい場合でも留めて、大魔術師が目を覚ますまで留め置いておけば良かったのだ。
それを何故か衛兵に命じて放逐してしまったのだ。
そして、それを誰も止めなかった。
信じられないことだった。
凛は魅了か何かの魔術をもっているのかもしれない。
凛が聖女であるということは誰も疑わず、別室に待機していたアラム王孫も凛をとても気に入ったのだ。
王孫はあろう事かその日のうちに凛と懇ろな関係になっていた。信じられないほど手の早い王孫だったのだ。
もうアリストン王国では凛が聖女として認定されてお披露目までなされてしまった。
そんな時だ。大魔術師が目を覚ましたのは。
驚いたことに大魔術は聖女は凛を指さして聖女ではないと宣ったのだ。
俺達は慌てた。ではもう一人の方が聖女だったのか。
しかし、その女が何処にいるか誰も判らなかった。
更には、もう凛を聖女として認定した後だし、今更変更するなど出来ないことだった。
それに凛は聖女として急速に周りに影響力を持ち出したのだ。
王子もとても凛が気に入っており、凛の言うがままだった。
しかし、未だに凛は聖女としての癒やし魔術が使えない状況だった。
これではいつか必ず、バレてしまう。いつまでも誤魔化しきれないだろう。
そんな時だ。帝国に聖女が現れたと報告があったのだ。
何でも癒やし魔術を使って多くの人を治したらしい。
おそらくそれが追放した聖女だと我々は直ちに聖女をこちらに返してもらうように、帝国に交渉した。
しかし、帝国は拒絶してきたのだ。
なんと、追放した聖女をあの第一皇子が保護して連れ帰ったらしい。皇子はとてもその聖女を溺愛しているとのことだった。
我々は慌てた。
こちらも、聖女を凛だと認定してしまった弱みがある。その聖女は追放してしまったのだ。
大々的に聖女の返還を申し出ることも出来なかった。
「無理やり連れてくればいいでしょう。なあに、あの子と私は親友よ。連れてきさえすればなんとてでもするわ」
偽聖女の凛が笑っていってくれたのだ。
しかし、事は簡単ではない。帝国に侵入して失敗すれば、国際問題になるのは確実だ。
ただ、凛は癒やし魔術が使えず、いつまでも誤魔化し続けられはしない。
こうなれば無理やりでもその聖女を連れ戻すしか無い。私と大魔術師が中心に少数精鋭の特別編成の部隊を作って帝国に派遣したのだ。
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