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近隣国の派兵に感激していたら礼儀作法の先生がやってきてしごかれることになりました
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兵士を派遣してくれるって!
私は歓喜に震えた。
私が側女にならないのに、ドクラス国王は千名もの兵士を派遣してくれるそうだ。クリスティーン様が連れてきてくれたのと同じだけ・・・・年間12億円だよ。12億円。
我軍は今は3伯爵領とその周辺を統合しても6千の兵とクリスティーン様が連れてきた1千の合計7千しかいない。それに更に千名でも増えるのはとても嬉しい。
それも全く関係ない他国がだ。
それも、他国から援助してくれたとなると我が国の名声も上がって更に味方が増えるかもしれないし。現実に、後にドクラス王国と我が国の間にいた伯爵家が5家我方に鞍替えすることになるのだが。
全てはオースティン王国の王太子と公爵家、侯爵家を怒らしたからなんだけど。私のおかげということは全然ない。
「そんな事無いわよ。私達がここまで来たのはあなたがいたからよ」
エルダが言ってくれるんだけど。
「本当に。ここに私達に相談もなしに一人で来たのは許せないけれど」
白い目でイングリツドは私を見る。
「でも、アンがここにいるから私達はここにいるんだから」
「そうよ。そこは自信を持ちなさい」
最後はエルダが言い切ってくれた。
うーん、それはそうかもしれない。でも、皆を無理やり私の命がけのゴタゴタに巻き込んだみたいで、何か悪い。
「そんなのね、アン。あなたが、王女殿下だってわかった時から覚悟しているわよ」
「そうよ。アン。なのに、あなたは私たちを置いていったってどういう事よ」
「ごめん、そこは何度も謝ったじゃない」
私は頭を再度下げるんだけど。
「判っていたら、そんな言葉は出てこないはずよ」
「そうよ。判っているの?」
二人は容赦がないんだけど。まあ、それだけ私を思ってくれているからだと思うけど。
まあ、でも、軍勢が増えたのはこれも全てあの馬鹿な18王子のおかげた。私はあのバカ王子に感謝したくなった。
「それならいくらでもすればいいわ。あいつら、あなた専用の雑用部隊になったから」
「えっ? なにそれ」
「こうなった原因を作った18王子は国王の激怒を買っていて、王子籍を剥奪されたのよ。それとアンの盾となって死ねって言われているみたいだわ」
エルダが説明してくれた。
「私の盾となるって?」
「なんでも、アンが亡くなって王子らが生きていたら国王自ら成敗するって宣言したらしいわ。死んでも私を守れって」
「うーん、でも、あの王子たち、どうみても私より弱いわよね。足手まといにならない?」
「まあ、危険地帯に行くときに御者くらい出来るでしょう。いざとなったら見捨てて良いって陛下は仰ったそうだわ」
イングリッドが言ってくれるんだけど、見捨てたら見捨てたで、何か寝覚めが悪いんだけど・・・・
そこへ、ノックの音が鳴った。
「どうぞ」
エルダが適当に返事する。
私達は疲れていたので、だらりと椅子に座っていたのだ。
「何です。皆さん。そのだらけきった姿勢は」
「ルンド先生!」
そこには憤怒の形相をした、王立学園の私達A組の担任で、礼儀作法のルンド先生が立っていたのだ。
私達は驚いて姿勢を直した。
「そう、それで良いのです。王宮ではいつ誰が入ってくるか判りませんからね」
先生は姿勢を直した私たちを見ると頷いてくれた。
「アンネローゼ殿下。本日からこの王宮にお使えさせていただくことになりました、エレオノーラ・ルンドと申します。よろしくお願い致します」
完璧なお辞儀をルンド先生はしてくれた。
「よ、宜しくお願いします」
私も思わず今までの癖で頭を下げていた。
「殿下。殿下が頭を下げて頂く必要はございません」
早速私はルンド先生に注意された。
「殿下は近いうちにこのスカンディーナ王国の正式な女王陛下になられるお方です。私に頭なぞ下げると、殿下を軽んじるものも出てまいりましょう。頷く頷く程度で結構です」
「はい」
私は思わず硬直して頷いていた。
「でも、先生、どうしてこちらにいらっしゃったんですか?」
イングリッドが聞いてくれた。そうだ。まだ学期の途中のはずなんだけど。
「それを理由も言わずいなくなったあなた方が言われますか? 始業式に行った私は誰もいない教室を見て唖然としたんですが」
先生が遠くを見て言うんだけど。確かに教室に行ったら誰一人生徒がいなかったら先生もショックだろう。
「す、すみません」
私達は思わず頭を下げた。
そう言えば、学園に辞めてスカンディーナに行くってことわっていなかった。
「えっ、エルダらも言わなかったの」
「だって、そんなの忘れていたわよ。時間も無かったし」
「急にいなくなったアンが悪いんじゃない」
「だって私もそんな余裕なかったし」
私達は罪をなすりつけていた。
「まあ、良いのです。あなた方の私に対する位置付けはよく判りました。唯一メリーさんだけです。私に連絡して頂けたのは」
ルンド先生が言うんだけど。
「さすが、商人の娘。気配りができているわね」
「イングリッドさん。あなたもいずれ高位貴族に嫁がれる身でしょう。それくらい出来なくてどうするのです・・・・・・・」
いきなりルンド先生のお小言が始まった。
私は王女なのに、何故か延々と付き合わされたんだけど・・・・
ルンド先生は懐かしかったけれど、礼儀作法は嫌だ・・・・
でも、私はそれからはビシバシとルンド先生にしごかれることになったのだった。
私は歓喜に震えた。
私が側女にならないのに、ドクラス国王は千名もの兵士を派遣してくれるそうだ。クリスティーン様が連れてきてくれたのと同じだけ・・・・年間12億円だよ。12億円。
我軍は今は3伯爵領とその周辺を統合しても6千の兵とクリスティーン様が連れてきた1千の合計7千しかいない。それに更に千名でも増えるのはとても嬉しい。
それも全く関係ない他国がだ。
それも、他国から援助してくれたとなると我が国の名声も上がって更に味方が増えるかもしれないし。現実に、後にドクラス王国と我が国の間にいた伯爵家が5家我方に鞍替えすることになるのだが。
全てはオースティン王国の王太子と公爵家、侯爵家を怒らしたからなんだけど。私のおかげということは全然ない。
「そんな事無いわよ。私達がここまで来たのはあなたがいたからよ」
エルダが言ってくれるんだけど。
「本当に。ここに私達に相談もなしに一人で来たのは許せないけれど」
白い目でイングリツドは私を見る。
「でも、アンがここにいるから私達はここにいるんだから」
「そうよ。そこは自信を持ちなさい」
最後はエルダが言い切ってくれた。
うーん、それはそうかもしれない。でも、皆を無理やり私の命がけのゴタゴタに巻き込んだみたいで、何か悪い。
「そんなのね、アン。あなたが、王女殿下だってわかった時から覚悟しているわよ」
「そうよ。アン。なのに、あなたは私たちを置いていったってどういう事よ」
「ごめん、そこは何度も謝ったじゃない」
私は頭を再度下げるんだけど。
「判っていたら、そんな言葉は出てこないはずよ」
「そうよ。判っているの?」
二人は容赦がないんだけど。まあ、それだけ私を思ってくれているからだと思うけど。
まあ、でも、軍勢が増えたのはこれも全てあの馬鹿な18王子のおかげた。私はあのバカ王子に感謝したくなった。
「それならいくらでもすればいいわ。あいつら、あなた専用の雑用部隊になったから」
「えっ? なにそれ」
「こうなった原因を作った18王子は国王の激怒を買っていて、王子籍を剥奪されたのよ。それとアンの盾となって死ねって言われているみたいだわ」
エルダが説明してくれた。
「私の盾となるって?」
「なんでも、アンが亡くなって王子らが生きていたら国王自ら成敗するって宣言したらしいわ。死んでも私を守れって」
「うーん、でも、あの王子たち、どうみても私より弱いわよね。足手まといにならない?」
「まあ、危険地帯に行くときに御者くらい出来るでしょう。いざとなったら見捨てて良いって陛下は仰ったそうだわ」
イングリッドが言ってくれるんだけど、見捨てたら見捨てたで、何か寝覚めが悪いんだけど・・・・
そこへ、ノックの音が鳴った。
「どうぞ」
エルダが適当に返事する。
私達は疲れていたので、だらりと椅子に座っていたのだ。
「何です。皆さん。そのだらけきった姿勢は」
「ルンド先生!」
そこには憤怒の形相をした、王立学園の私達A組の担任で、礼儀作法のルンド先生が立っていたのだ。
私達は驚いて姿勢を直した。
「そう、それで良いのです。王宮ではいつ誰が入ってくるか判りませんからね」
先生は姿勢を直した私たちを見ると頷いてくれた。
「アンネローゼ殿下。本日からこの王宮にお使えさせていただくことになりました、エレオノーラ・ルンドと申します。よろしくお願い致します」
完璧なお辞儀をルンド先生はしてくれた。
「よ、宜しくお願いします」
私も思わず今までの癖で頭を下げていた。
「殿下。殿下が頭を下げて頂く必要はございません」
早速私はルンド先生に注意された。
「殿下は近いうちにこのスカンディーナ王国の正式な女王陛下になられるお方です。私に頭なぞ下げると、殿下を軽んじるものも出てまいりましょう。頷く頷く程度で結構です」
「はい」
私は思わず硬直して頷いていた。
「でも、先生、どうしてこちらにいらっしゃったんですか?」
イングリッドが聞いてくれた。そうだ。まだ学期の途中のはずなんだけど。
「それを理由も言わずいなくなったあなた方が言われますか? 始業式に行った私は誰もいない教室を見て唖然としたんですが」
先生が遠くを見て言うんだけど。確かに教室に行ったら誰一人生徒がいなかったら先生もショックだろう。
「す、すみません」
私達は思わず頭を下げた。
そう言えば、学園に辞めてスカンディーナに行くってことわっていなかった。
「えっ、エルダらも言わなかったの」
「だって、そんなの忘れていたわよ。時間も無かったし」
「急にいなくなったアンが悪いんじゃない」
「だって私もそんな余裕なかったし」
私達は罪をなすりつけていた。
「まあ、良いのです。あなた方の私に対する位置付けはよく判りました。唯一メリーさんだけです。私に連絡して頂けたのは」
ルンド先生が言うんだけど。
「さすが、商人の娘。気配りができているわね」
「イングリッドさん。あなたもいずれ高位貴族に嫁がれる身でしょう。それくらい出来なくてどうするのです・・・・・・・」
いきなりルンド先生のお小言が始まった。
私は王女なのに、何故か延々と付き合わされたんだけど・・・・
ルンド先生は懐かしかったけれど、礼儀作法は嫌だ・・・・
でも、私はそれからはビシバシとルンド先生にしごかれることになったのだった。
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