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王子様においしいケーキを食べさせしてしまいました
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王妃様の怒りを感じた私は王妃様について歩いている間中、本当に針のむしろだった。
あの鬼母、絶対に許さない!
私は心に誓ったのだ。
もっとも今まで勝てた試しがないのに、六歳の私が母に勝てるわけはなかったんだけど……絶対にギッタンギッタンにしてやると心に誓ったのだ。
本当にもう、はっきり言って王妃様ってこの国のナンバーワンなのに、その機嫌損ねてどうするのよ。また、領地減らされたら全責任は鬼母のせいだからね。
私はこの時、完全に切れていた。
会場に着くと、席にはもう、ほとんどの人がついていた。
私はできるだけ王妃様の怒りを避けるために、できる限り端の方に座ったのだ。
王妃様は何も言わないので良かったのだろう。
席にいる令嬢たちは皆着飾っていた。
でも、男の子たちが座っているのはなんでだろう?
私には良く判らなかった。この会が王子様の婚約者を選ぶのと同時に側近候補を選ぶお茶会だとは全く知らなかったのだ。
王妃様の横には見目麗しい男の子が座っていた。あれが王子様なんだろうか?
でも、私はそれよりも、目の前のケーキの山に目が釘付けになったのだ。
「すごい!」
私は感激した。いや、感激なんて言葉が足りない。感動いや、神様仏様稲尾様……
なんか違う!
私はこんなにたくさんのミニケーキやお菓子を見たのは初めてだったのだ。
小さいミニケーキが所狭しと、タワートレイの上に載せられていたのだ。
私はそれを見た瞬間、王妃様の不機嫌も王子様も周りの女の子たちも完全にどうでも良くなった。
すぐに食べ出さなかっただけでも、褒めてほしい。
子供心にも流石にそれはまずいと思ったのだ。
皆が食べ出さない限りは絶対に食べては行けないとシモーヌにも嫌ほど注意されていたのだ。
何も6歳にそこまで言わなくても良かったのに、と今なら思えるけれど。でも、その時はちゃんとシモーヌの言うことを聞いたのだ。
「お集まりの小さな紳士淑女の皆様。今日はわざわざお茶会の席にお越しいただきありがとうございます。まずこの国の王妃様アデライド様よりご挨拶をいただきます」
「皆さん、今日はわざわざ王宮に来てくれて有難う。出来たら今日は我が息子アドルフと一緒に色々とお話して頂けたら嬉しいわ」
王妃様の挨拶はとても短かった。
何んかその横の王子様はつまらなそうにしていたけれど、まあ、もうどうでもいい。
それよりもケーキだ。
「では皆さん、お菓子も色々とご用意いたしました。どうぞ席を移って頂いてもいいですからご自由にお過ごし下さい」
その司会の言葉を合図に私の回りの席についていた女の子たちは立ち上がると王子様目掛けて一目散で駆けて行ったんだけど……
信じられない!
目の前においしそうなケーキがあるのに。それを置いて行くなんて!
私はライバルがいなくなったのでゆっくりとミニケーキをカラトリーで掴んで取っていた。
そして、ナイフとフォークで切って、口に入れる。
「美味しい!」
私は感動した。
このケーキ口には言った途端にとろけるんだけど……
こんな美味しいケーキ生まれて初めて食べた。
生きてて良かった。私は本当に感動したのだった。
遠くに王子様が女の子に囲まれているのが見えたが私は我関せずで、王宮のシェフの腕によりをかけたケーキを堪能していのだ。
一口、口に入れる度に何らかの感動があって本当に幸せだった。
でも一番おいしいのはこのとろける黄色いケーキだ。
「美味しい! 本当に生きてて良かった」
私が何度目かの感動を口にしたときだ。
「そんなにうまいのか?」
「うっ」
私はいきなり話しかけられて喉をつまらせた。
慌てて胸を叩く。
「おい、大丈夫か」
背中をその男が叩いてくれて、水を飲ませてくれた。
「もう、いきなり話しかけないでよ」
私はやって生き返ってそう言うと男の子を見た。
その子は銀髪の髪の毛をしていて……
ええええ! 王子様じゃん。離れた所にいたと思って安心していたのに……
「なんであなたがここにいるの?」
私は驚いて聞いていた。
「いや、あまりにも美味しそうに食べているから」
王子様が言ってくれたんだけど。
「そう、このケーキ、口の中でとろけて本当に美味しいのよ」
「そうなのか」
さっきまでつまらなそうにしていた王子様は少し興味が湧いたみたいだった。
「一口食べて見たら」
私はそう言うと、つい騎士たちにするみたいに一口分に切ってあったケーキを王子様の口の中に放り込んだのだった。
「えっ」
「きゃっ」
「あの娘、殿下に食べさせした」
皆が絶句して遠巻きにしていたのを私はよく見ていなかったのだ。
「本当だな。こんなに美味しいケーキがあったんだ」
「でしょう。本当に王宮のシェフって最高よね」
私はニコリと微笑んだのだ。
何故かそれを見て王子様の顔が赤くなっているんだけど、なんでだろう?
キャーキャーと周りの女の子の声が煩いんだけど。
*************************************************
続きは明日です。
『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/302627913
が皆様の応援のお陰様で『次にくるライトノベル大賞2023』ノミネートされました。
https://tsugirano.jp/
まさか、ノミネートされるなんて思ってもいませんでした。
全部で2000冊以上ある新刊の中からの選出に感動しています!
本当にありがとうございます。
推薦して頂いた方には感謝の言葉もございません。もう気分は皆様のおかげで感謝感激雨あられです。(古い!)
ここに載ることが出来るなんて夢みたいです!
それも上から五番目、パソコンでは一列目です。(あ行だから当然なんですが……)
そして、ここから本投票です。単行本は60冊ノミネートされていてベスト10になればデカデカと発表されます。皆々様の優しい心遣いでベストテンに入らせていただければ…………
投票して頂けたら嬉しいです!
下にリンク張っています。
このお話も面白くなるよう必死に書いていくのでよろしくお願いします。
あの鬼母、絶対に許さない!
私は心に誓ったのだ。
もっとも今まで勝てた試しがないのに、六歳の私が母に勝てるわけはなかったんだけど……絶対にギッタンギッタンにしてやると心に誓ったのだ。
本当にもう、はっきり言って王妃様ってこの国のナンバーワンなのに、その機嫌損ねてどうするのよ。また、領地減らされたら全責任は鬼母のせいだからね。
私はこの時、完全に切れていた。
会場に着くと、席にはもう、ほとんどの人がついていた。
私はできるだけ王妃様の怒りを避けるために、できる限り端の方に座ったのだ。
王妃様は何も言わないので良かったのだろう。
席にいる令嬢たちは皆着飾っていた。
でも、男の子たちが座っているのはなんでだろう?
私には良く判らなかった。この会が王子様の婚約者を選ぶのと同時に側近候補を選ぶお茶会だとは全く知らなかったのだ。
王妃様の横には見目麗しい男の子が座っていた。あれが王子様なんだろうか?
でも、私はそれよりも、目の前のケーキの山に目が釘付けになったのだ。
「すごい!」
私は感激した。いや、感激なんて言葉が足りない。感動いや、神様仏様稲尾様……
なんか違う!
私はこんなにたくさんのミニケーキやお菓子を見たのは初めてだったのだ。
小さいミニケーキが所狭しと、タワートレイの上に載せられていたのだ。
私はそれを見た瞬間、王妃様の不機嫌も王子様も周りの女の子たちも完全にどうでも良くなった。
すぐに食べ出さなかっただけでも、褒めてほしい。
子供心にも流石にそれはまずいと思ったのだ。
皆が食べ出さない限りは絶対に食べては行けないとシモーヌにも嫌ほど注意されていたのだ。
何も6歳にそこまで言わなくても良かったのに、と今なら思えるけれど。でも、その時はちゃんとシモーヌの言うことを聞いたのだ。
「お集まりの小さな紳士淑女の皆様。今日はわざわざお茶会の席にお越しいただきありがとうございます。まずこの国の王妃様アデライド様よりご挨拶をいただきます」
「皆さん、今日はわざわざ王宮に来てくれて有難う。出来たら今日は我が息子アドルフと一緒に色々とお話して頂けたら嬉しいわ」
王妃様の挨拶はとても短かった。
何んかその横の王子様はつまらなそうにしていたけれど、まあ、もうどうでもいい。
それよりもケーキだ。
「では皆さん、お菓子も色々とご用意いたしました。どうぞ席を移って頂いてもいいですからご自由にお過ごし下さい」
その司会の言葉を合図に私の回りの席についていた女の子たちは立ち上がると王子様目掛けて一目散で駆けて行ったんだけど……
信じられない!
目の前においしそうなケーキがあるのに。それを置いて行くなんて!
私はライバルがいなくなったのでゆっくりとミニケーキをカラトリーで掴んで取っていた。
そして、ナイフとフォークで切って、口に入れる。
「美味しい!」
私は感動した。
このケーキ口には言った途端にとろけるんだけど……
こんな美味しいケーキ生まれて初めて食べた。
生きてて良かった。私は本当に感動したのだった。
遠くに王子様が女の子に囲まれているのが見えたが私は我関せずで、王宮のシェフの腕によりをかけたケーキを堪能していのだ。
一口、口に入れる度に何らかの感動があって本当に幸せだった。
でも一番おいしいのはこのとろける黄色いケーキだ。
「美味しい! 本当に生きてて良かった」
私が何度目かの感動を口にしたときだ。
「そんなにうまいのか?」
「うっ」
私はいきなり話しかけられて喉をつまらせた。
慌てて胸を叩く。
「おい、大丈夫か」
背中をその男が叩いてくれて、水を飲ませてくれた。
「もう、いきなり話しかけないでよ」
私はやって生き返ってそう言うと男の子を見た。
その子は銀髪の髪の毛をしていて……
ええええ! 王子様じゃん。離れた所にいたと思って安心していたのに……
「なんであなたがここにいるの?」
私は驚いて聞いていた。
「いや、あまりにも美味しそうに食べているから」
王子様が言ってくれたんだけど。
「そう、このケーキ、口の中でとろけて本当に美味しいのよ」
「そうなのか」
さっきまでつまらなそうにしていた王子様は少し興味が湧いたみたいだった。
「一口食べて見たら」
私はそう言うと、つい騎士たちにするみたいに一口分に切ってあったケーキを王子様の口の中に放り込んだのだった。
「えっ」
「きゃっ」
「あの娘、殿下に食べさせした」
皆が絶句して遠巻きにしていたのを私はよく見ていなかったのだ。
「本当だな。こんなに美味しいケーキがあったんだ」
「でしょう。本当に王宮のシェフって最高よね」
私はニコリと微笑んだのだ。
何故かそれを見て王子様の顔が赤くなっているんだけど、なんでだろう?
キャーキャーと周りの女の子の声が煩いんだけど。
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続きは明日です。
『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/302627913
が皆様の応援のお陰様で『次にくるライトノベル大賞2023』ノミネートされました。
https://tsugirano.jp/
まさか、ノミネートされるなんて思ってもいませんでした。
全部で2000冊以上ある新刊の中からの選出に感動しています!
本当にありがとうございます。
推薦して頂いた方には感謝の言葉もございません。もう気分は皆様のおかげで感謝感激雨あられです。(古い!)
ここに載ることが出来るなんて夢みたいです!
それも上から五番目、パソコンでは一列目です。(あ行だから当然なんですが……)
そして、ここから本投票です。単行本は60冊ノミネートされていてベスト10になればデカデカと発表されます。皆々様の優しい心遣いでベストテンに入らせていただければ…………
投票して頂けたら嬉しいです!
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このお話も面白くなるよう必死に書いていくのでよろしくお願いします。
応援ありがとうございます!
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