母に叩かれ家出して魔術学園に入学したら何故か王子様と親しくなりました 平民少女のシンデレラストーリー

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
13 / 106

13.子爵令息と対決しました

しおりを挟む
 なんとか私が解放されたのはお昼休みになってからだった。
 私はお昼を食べに教室に戻ったのだった。

「大丈夫だった、アミ?」
「もう最悪よ。学園長はガミガミ言うし、学年主任のガイスラー先生には怒られるし、果てはオールドミスまで出て来て、もう最悪だったんだから」
 私はビアンカとエーレンに愚痴りながら昼食の載った食器を持って食堂の中を空いている席を探していた。
「ここなら良いわ」
「やっと空いていたわね」
 私達は食堂の端でやっと空席を見つけた。

「おい、お前ら、そこは俺達1年B組の席だぞ」
 座ろうとしたら横から偉ぶった男が出て来た。
「えっ、そんなのいつ決まったのよ?」
「ちょっとアミ」
「相手はお貴族様よ」
 エーレンとビアンカが注意してきたが、
「関係無いわよ。私達が先に座ったんだから私達の席よ」
 私がむっとして言い返すと、

「おい、お前、それが貴族である俺様に言う台詞か」
「貴族か何か知らないけれど、ここは私達が先に座ったんだから私達の席でしょ。いつから食堂を一年B組がしきっているのよ」
「何だと、生意気な」
「おい、バッヘム、こいつ、ライナーに逆らった平民女だぜ」
「ライナーって?」
「この前、平民女なんかに負けてコテンパンにされた男爵家の」
「ああ、あの軟弱ギレッセン男爵のところの息子か?」
「平民女、貴族界で最下層の男爵に勝った位で威張るなよ」
 男達が私を睨み付けてきた。

 まあ、でも、一年生に凄まれても可愛いものだ。
 今世、母に散々どやしつけられことに慣れている私には男の子達の視線を受けてもびくともしなかった。まあ、私は前世の記憶もあるし……
 それに、私は先生方から散々怒られていい加減に気が立っていた。
 だから必死にエーレンとビアンカが止めようと合図してくれていたんだけど、止まらなかった。

「ふうん。何か口だけはご立派なお貴族様ね。何なら3人まとめて燃やしてあげましょうか」
「な、何だと貴様、このバッヘム・ブルーメ子爵令息様に逆らうというのか?」
「何だ。それだけ威張るからせめて公爵令息とか伯爵令息かと思ったら高々子爵令息だったの? 男爵も子爵も貴族界では最下層なのは変わらないじゃない!」
「あ、アミ、流石にそれはまずいわよ」
「駄目だってアミ」
 エーレンとビアンカが注意してきたけど遅かった。

「な、何だと平民女。子爵家を男爵家なんかと同列にするのか!」
「もう許さん。決闘だ!」
 バッヘムとかいう子爵令息が申し込んできた。

「良いわよ。受けて立つわ」
「ちょ、ちょっとアミ」
「二日連続はまずくない?」
「そうだ。謝るなら今のうちだぞ」
 子爵令息の周りの男達が言ってくれたが、

「それを言うなら、そちらの方よ。私、今、散々怒られて気が立っているのよ。ライナーの時は手加減できたけれど、今度は出来ないかもよ。それでも良いの?」
「ちょっと、アミ!」
「なに言い出すのよ!」
「上等だ。放課後、訓練場だ!」
「判ったわ」
 必死にビアンカとエーレンが止めろと合図するのに私は無視して決闘を受け入れたのだ。


「もう、アミはどうしてそう決闘したがるのよ」
「相手は子爵様よ。男爵家のライナーとは格が違うんだから」
 エーレンとビアンカが教室に帰ってきてからもブツブツ言ってくれた。

「どうしたんだ?」
 アーベルが横から聞いてきた。
「アーベル、聞いてよ。またアミが決闘申し込まれたのよ」
「またか? 凄いな」
「それも今度は子爵家よ」
「まあ、男爵家も子爵家もお貴族様には違いないしな」
「凄いじゃない。アミ、男爵家に次いで子爵家までのしたら、今度は伯爵家よ。頑張ってね」
 確か某公爵家で父が料理長をしているエッダが脳天気なことを言ってくれた。

「ちょっとエッダ。それはしゃれにならないから」
「アミなら公爵令息までやりかねないわよ」
 エーレンとビアンカが好きな事を言ってくれるんだけど、さすがの私も公爵令息までは手を出さないわよ!
 そう言っても二人は信じてくれなかった。


 放課後になった。

「な、なんだこれは?」
「誰だよ、こんなのしたのは?」
 一年B組の面々が驚いて訓練場を見ていた。

 一緒に来てくれたC組の面々が一斉に私を見た。

 そう言えば私が天井を壊してしまったんだった。

 訓練場の入口に立ち入り禁止の看板がデカデカと出ていたのだ。


「平民女。貴様、俺様と決闘するのが嫌になってこんなことをしたのか?」
 バッヘムはとち狂ったことを聞いてきた。
「そんな訳ないでしょ。文句は私にファイアーボールを大きく作れって言ったアッヘンバッハ先生に言ってよね」
 私はやった自分のことは棚に上げて担当教官のせいにした。

「どうするんだよ? これじゃあ訓練場が使えないじゃないか!」
「第二訓練場にすれば良いんじゃないか?」
 アーベルが横から提案してくれた。

「ああ、あの狭い所か」
「あんな小さいところでやるのか」
「無いよりましだろう」
 私達は連れだって第二訓練場に来た。

「「「おおおお」」」
「ついに勇者が来たぞ」
 そこには既に多くの観客が集まっていたのだ。
 バッヘム等は驚いていたが、

「さあ、皆さん。ついに貴族キラーのアマーリアさんに子爵家のホープ、バッヘムが挑む、貴族対平民の対決、方や訓練場をも一瞬で破壊し尽くした怪物、アマーリア嬢に対して貴族のメンツを守るために果敢にも立ち上がったバッヘムが挑みます」
アナウンサー宜しく、確かこの前、私とライナーの賭博をしていた先輩が皆に叫んでいた。

「おい、バッヘム、頑張れよ!」
「バッヘム様!」
 会場の貴族達が声援を送る。


「対するは平民の期待の星、アマーリア嬢です」
ブックメーカー先輩が私を紹介してくれると、
「「「うわーーーー」」」
 大声援が起こった。
「アミちゃん頑張れ!」
「第二訓練場まで壊すなよ!」
 変な声援まで聞こえる。

「凄い、いつの間にかアミが本命になっているわ」
 エッダが感心してくれた。
「さあて、アマーリア嬢は第一訓練場に続いて第二訓練場まで壊すんでしょうか? さあ、張った張った」
 またいきなり賭けの会場になっているんだけど。オッズは私が1に対してバッヘムが10なんだけど……

「おい、お前ら、俺にか懸けろ、平民女にこのバッヘム様が負けるわけにはいかん」
 バッヘムが、一年B組の連中に賭けさせているんだけど……

「おい、平民女、いい気になっているなよ。俺は水魔術の天才と言われているんだ。ここでお前を地面に沈めてやるぜ」
「返り討ちにしてあげるわ」
 私はやる気満々だった。

「では、両者よろしいですか?」
 私とバッヘムは背中合わせに立った。
「では決闘開始します。一歩、二歩、三歩」
 今度はバッヘムは卑怯な手は使わないみたいだった。
 同じ歩数で歩いているのは一緒だった。

 そして、10歩歩いたときだ。
「水の神オーケアノスよ……」
 バッヘムは詠唱を唱えだしたのだ。

 こいつは馬鹿なんだろうか?
 決闘でそんな悠長な事をしていたら勝てるわけはない。

「ウォーター!」
 私の叫び声と共に大容量の水が発生してバッヘムに向かって飛んで行った!

ダーーン!

大量の水はあっと言う間にバッヘムを吹っ飛ばしてフェンスに叩きつけていたのだった。
*******************************************
ここまで読んで頂いて有り難うございました。
貴族というども子爵家では、全くアマーリアの敵ではありませんでした……
お気に入り登録、感想等をして頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

せっかく傾国級の美人に生まれたのですから、ホントにやらなきゃ損ですよ?

志波 連
恋愛
病弱な父親とまだ学生の弟を抱えた没落寸前のオースティン伯爵家令嬢であるルシアに縁談が来た。相手は学生時代、一方的に憧れていた上級生であるエルランド伯爵家の嫡男ルイス。 父の看病と伯爵家業務で忙しく、結婚は諦めていたルシアだったが、結婚すれば多額の資金援助を受けられるという条件に、嫁ぐ決意を固める。 多忙を理由に顔合わせにも婚約式にも出てこないルイス。不信感を抱くが、弟のためには絶対に援助が必要だと考えるルシアは、黙って全てを受け入れた。 オースティン伯爵の健康状態を考慮して半年後に結婚式をあげることになり、ルイスが住んでいるエルランド伯爵家のタウンハウスに同居するためにやってきたルシア。 それでも帰ってこない夫に泣くことも怒ることも縋ることもせず、非道な夫を庇い続けるルシアの姿に深く同情した使用人たちは遂に立ち上がる。 この作品は小説家になろう及びpixivでも掲載しています ホットランキング1位!ありがとうございます!皆様のおかげです!感謝します!

【完結】あなたが私を『番』にでっち上げた理由

冬馬亮
恋愛
ランバルディア王国では、王族から約100年ごとに『裁定者』なる者が誕生する。 国王の補佐を務め、時には王族さえも裁く至高の権威を持ち、裏の最高権力者とも称される裁定者。その今代は、先国王の末弟ユスターシュ。 そんな雲の上の存在であるユスターシュから、何故か彼の番だと名指しされたヘレナだったが。 え? どうして? 獣人でもないのに番とか聞いたことないんですけど。 ヒーローが、想像力豊かなヒロインを自分の番にでっち上げて溺愛するお話です。 ※ 同時に掲載した小説がシリアスだった反動で、こちらは非常にはっちゃけたお話になってます。 時々シリアスが入る予定ですが、基本コメディです。

【完結】 メイドをお手つきにした夫に、「お前妻として、クビな」で実の子供と追い出され、婚約破棄です。

BBやっこ
恋愛
侯爵家で、当時の当主様から見出され婚約。結婚したメイヤー・クルール。子爵令嬢次女にしては、玉の輿だろう。まあ、肝心のお相手とは心が通ったことはなかったけど。 父親に決められた婚約者が気に入らない。その奔放な性格と評された男は、私と子供を追い出した! メイドに手を出す当主なんて、要らないですよ!

【完結】離縁されたので実家には戻らずに自由にさせて貰います!

山葵
恋愛
「キリア、俺と離縁してくれ。ライラの御腹には俺の子が居る。産まれてくる子を庶子としたくない。お前に子供が授からなかったのも悪いのだ。慰謝料は払うから、離婚届にサインをして出て行ってくれ!」 夫のカイロは、自分の横にライラさんを座らせ、向かいに座る私に離婚届を差し出した。

【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。

櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。 夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。 ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。 あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ? 子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。 「わたくしが代表して修道院へ参ります!」 野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。 この娘、誰!? 王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。 主人公は猫を被っているだけでお転婆です。 完結しました。 小説家になろう様にも投稿しています。

『婚約もしていないのに婚約破棄ですか? 〜岩塩で殴れば目が覚めます?〜』

しおしお
恋愛
「岩を売る田舎娘と婚約?そんなもの破棄だ!」 ――そう言い放ったのは、まだ婚約すら成立していないのに“婚約破棄”を宣言した内陸王国の王太子。 塩は海から来るもの。 白く精製された粉こそ本物。 岩塩など不純物の塊に過ぎない。 そう思い込んだ彼は、ハライト公国公爵令嬢ヴィエリチカを侮辱し、交易を軽んじた。 だが―― 王都に届くその“白い粉”は、すべてハライト産の岩塩から精製されたものだった。 供給が止まった瞬間、王国は気づく。 塩は保存であり、兵站であり、治療であり、冬越しの生命線であったことを。 謝罪の席で提示された条件はただ一つ。 民への販売価格は据え置き。 だが国家は十倍で買い取ること。 誇りを守るために契約を受け入れた王太子。 守られたのは民。 削られたのは国家。 やがて赤字は膨らみ、担保は差し出され、王国は静かに編入されていく。 処刑はない。 復讐もない。 あるのは――帰結。 「塩は、穢れを流すためのものです」 笑顔で告げるヴィエリチカと、 王宮衛生管理局へ配属された元王太子。 これは、岩塩を侮った物語の、静かな終着点。 --- もしアルファポリス向けにもう少し軽くする版も欲しければ、作ります。 それとも、 ・タグもまとめる? ・もっと煽る版にする? ・文学寄りにする? どの方向で仕上げますか?

婚約破棄されたので、前世の知識で無双しますね?

ほーみ
恋愛
「……よって、君との婚約は破棄させてもらう!」  華やかな舞踏会の最中、婚約者である王太子アルベルト様が高らかに宣言した。  目の前には、涙ぐみながら私を見つめる金髪碧眼の美しい令嬢。確か侯爵家の三女、リリア・フォン・クラウゼルだったかしら。  ──あら、デジャヴ? 「……なるほど」

『公爵家を乗っ取った男爵一家は、家系図から消えました』 ―偽令嬢は王太子妃を夢見て国外追放、私は公爵として責務を果たします―

ふわふわ
恋愛
両親を亡くし、幼くして公爵家の当主となったエレノア。 後見人を名乗って入り込んできたのは、男爵である叔父一家だった。 「公爵家は私たちが守ってあげる」 ――そう言いながら、彼らはいつしか公爵を名乗り、財産を使い込み、娘を“公爵令嬢”と偽って社交界へ。 やがて王太子との婚約話まで進み、公爵家は完全に乗っ取られたかに見えた。 だが―― 「その公爵令嬢、偽物ですわ」 静かに微笑んだ瞬間、全ては覆る。 血統の証、一族会議での断罪、王家への正式告発。 爵位僭称、王家欺瞞、財産横領。 男爵一家は次々と罪を暴かれ、家系図から名を消されていく。 救済はない。 情もない。 あるのは責務のみ。 「公爵は、情より責務です」 本物の公爵令嬢エレノアが、奪われた家と誇りを取り戻し、王家と対等に並び立つまでの徹底ざまぁ恋愛譚。 偽物は消え、本物だけが残る。 これは、乗っ取られた公爵家を完全に取り返す物語。

処理中です...