母に叩かれ家出して魔術学園に入学したら何故か王子様と親しくなりました 平民少女のシンデレラストーリー

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
22 / 106

ダンジョンで皆に馬鹿にされたので怒り任せて魔物ごと魔石まで燃やしてしまいました

しおりを挟む
「Fランクの冒険者ってそんなにどうしようもない存在なの?」
 リックに連れられてダンジョンに入るときに、騎士からは「くれぐれも無事に帰ってきてくれよ」と念押しをされたんだけど……
 でも、私はダンジョン潜って私自身が危ないって思ったことないんだけど……

「いや、まあ、普通はFランクはダンジョンに潜らせてくれないけれど、アミがFなはずはないと思うが」
 リックが困った顔をして私をみてきた。
「うーん。でも、真面目な冒険者ギルドの人には、13才まではFランク以上には成れないってはっきり言われたのよ」
「うーん、そうなのか? アンハームだけの特別ルールか? 俺は12歳の時に既にCランクだったよ」
「えっ、そうなの? リックがお貴族様だから無くて」
「平民の子供達もDとかEとか普通にいたぞ」
「お嬢ちゃん。俺は12の時にEランクだったぞ」
「俺は10の時にEになって12歳の時にはDランクだっぞ」
 周りのおっちゃん達が教えてくれた。
「何それ、私だけおかしいじゃない」
 私は少しむっとしていた。

「あれじゃないか。アミの所のお母様が心配して、ギルドの職員を脅してそう言わせるようにしていたんじゃないのかな」
 リックの言葉に私は目を見開いた。
「そうだわ。そうに違いないわ!」
 私はその言葉に納得できた。
 なんかギルド職員が恐れたような視線を私の後ろの母に向けていたような記憶がある。

 でも、そのくせ、アンハーム近郊のダンジョンには潜り放題だった。騎士に冒険者カードを出せなんて言われたことも無いし。
 私は全て顔パスだった。
 私をFランクに留め置く必要なんて何もなかったんだけど、母は何がしたかったんだろう?

「ああ、聞いたことがあるぞ。国境の街のアンハームには簡単なダンジョンが多いんだろう。何でも凄い冒険者がいて魔物を刈り尽くしているとか」
「それに困ったら叫べば助けに来てくれる天使がいるんだとか」
「ああ、それ、ゴードンに聞いたことあるぜ。駆け出しの頃にダンジョンでゴブリンの群れ等襲われて死にそうになったときに黒い髪のとてもきれいな天使様に助けられたんだとか」
「嬢ちゃんも黒髪だからその天使様かもしれないな」
「それなら最高なんだけどな」
 男達がどっと笑ってくれたんだけど……
 ゴードンという名前はどこかで聞いたことがあったけれど、よく覚えていなかった。
 黒髪の天使か?
 私もそう呼ばれてみたいわ、後でリックにそう言うと白い目でリックは私を見てくれたんだけど、そんな大それた事なんだろうか? 私も着飾ればそこそこ見栄えはすると思うんだけど……

「おい、姉ちゃん達。そちらは強力な魔物のいるエリアだぞ」
「さすがに行くのはやめた方が良いって」
「Fランクには無理だぞ」
 そんな私達に男達が忠告してくれた。
「それよりも俺達とこちらの簡単な方へ行かないか」
「じっくりランク上げる方法を教えてやるぜ」
 男達が親切に言ってくれた。でも、私は資金ショートから脱出するために大物の魔物を刈りたいのだ。弱い魔物を刈ってもそんなにお金にはならないはずだ。

「こっちに行くとドラゴンでも出るの?」
 私は一応聞いてあげた。
「いや、そこまでは出ないが、Fランクは難しいぞ」
「昔、向こう見ずな駆け出しのFランク達がよく死んだんだ。だからギルドの規制も厳しいんだ」
「焦る気持ちはわかるが無理しない方が良いぞ」
 男達は私を心配してくれているらしい。
 まあ、お金の心配をして焦っているのは事実だけど……
「えっ、私って焦りすぎている?」
 こんなにも皆に心配されて、一応私はリックに聞いてみた。

「いや、それは無い。それよりも俺はアミが暴走してこのダンジョンを破壊しないかそれが心配だ」
 リックが真面目な顔で言ってくれた。

「そんな訳は……」
 そう言えば学園の訓練場2つとも破壊してしまったんだった。
 お母様も怒りに任せてダンジョン2つほど廃墟にしているし……
 でも、私はそこまで酷くないはずだ。

「おい、兄ちゃん。Fランクがこのダンジョンを破壊するってあり得ないだろう!」
「そうだぞ。それよりも自分の身を心配した方が良いぞ!」
「Fランクがダンジョン破壊するってなんて冗談を言ってくれるんだ」
 冒険者達は私を馬鹿にして大笑いしてくれたんだけど……
 ダンジョンでここまで馬鹿にされたのは始めてだ。
 やり過ぎて怒られたことは多々あったけれど……

「ほら、後ろ危ない!」
 おっちゃんが叫んでくれた。

 私が後ろを見るとゴブリンのデカイのが私に向かって牙を剥いていた。
 変だ。普通は魔物達は私の顔を見た途端に逃げ出すはずなのに!
 高々ゴブリン風情が私に牙を向けてくるなど百年早いわ!
 私は少しむっとした。
 それにおっちゃん達に馬鹿にされてむかついていたのもある。

「喰らえ!」
 私は無詠唱で火炎魔術を発射していた。
 それも結構強くやっていた。

「ギャーーーー」
 ゴブリンの絶叫が洞窟中に響いた。
 ゴブリンは火だるまになった。
 まあ、ゴブリン風情なら当然の事だ。いくらデカイからと言って一体でかかってくるなんて無謀も良いところだ。まあ、私はゴブリンの大軍に襲われても大丈夫だけど……

 しかし、私はやり過ぎたみたいだ。
 炎が消えたときに魔石が落ちてこなかった。

「あれっ、魔石が無い、なんで?」
 私はその辺りを必死に探した。

「アミ、やり過ぎだよ。魔石も燃やしてしまったんだ」
「ええええ! 私、やっちゃったの?」
 リックに説明されて私は魔力が強すぎたのを理解した。
 失敗した。まあ、ゴブリンの魔石くらい大したことはないか、私はそう思おうとした。

「すげえ、姉ちゃん無詠唱でゴブリンキングを燃やしちまったぜ」
「それも魔石ごと」
「Aランクでもそう簡単にできないぞ」
 今まで散々馬鹿にしていたおやっちゃん達が唖然としていた。

「えっ、ゴブリンキングってなあに?」
「ゴブリンの親玉みたいな者だ。魔石は金貨10枚になる」
「ええええ! そんなにあったの!」
 私の叫び声がダンジョンの中にこだました。
 リックに教えてもらって私はとてもショックを受けたのだ。
 金貨10枚あれば学食での6年分の食費を稼げたはずなのに!
*******************************************
ここまで読んで頂いて有り難うございます
皆に良いところを見せようとしてやってしまったアミでした。
お気に入り登録、感想等をして頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

せっかく傾国級の美人に生まれたのですから、ホントにやらなきゃ損ですよ?

志波 連
恋愛
病弱な父親とまだ学生の弟を抱えた没落寸前のオースティン伯爵家令嬢であるルシアに縁談が来た。相手は学生時代、一方的に憧れていた上級生であるエルランド伯爵家の嫡男ルイス。 父の看病と伯爵家業務で忙しく、結婚は諦めていたルシアだったが、結婚すれば多額の資金援助を受けられるという条件に、嫁ぐ決意を固める。 多忙を理由に顔合わせにも婚約式にも出てこないルイス。不信感を抱くが、弟のためには絶対に援助が必要だと考えるルシアは、黙って全てを受け入れた。 オースティン伯爵の健康状態を考慮して半年後に結婚式をあげることになり、ルイスが住んでいるエルランド伯爵家のタウンハウスに同居するためにやってきたルシア。 それでも帰ってこない夫に泣くことも怒ることも縋ることもせず、非道な夫を庇い続けるルシアの姿に深く同情した使用人たちは遂に立ち上がる。 この作品は小説家になろう及びpixivでも掲載しています ホットランキング1位!ありがとうございます!皆様のおかげです!感謝します!

【完結】あなたが私を『番』にでっち上げた理由

冬馬亮
恋愛
ランバルディア王国では、王族から約100年ごとに『裁定者』なる者が誕生する。 国王の補佐を務め、時には王族さえも裁く至高の権威を持ち、裏の最高権力者とも称される裁定者。その今代は、先国王の末弟ユスターシュ。 そんな雲の上の存在であるユスターシュから、何故か彼の番だと名指しされたヘレナだったが。 え? どうして? 獣人でもないのに番とか聞いたことないんですけど。 ヒーローが、想像力豊かなヒロインを自分の番にでっち上げて溺愛するお話です。 ※ 同時に掲載した小説がシリアスだった反動で、こちらは非常にはっちゃけたお話になってます。 時々シリアスが入る予定ですが、基本コメディです。

【完結】 メイドをお手つきにした夫に、「お前妻として、クビな」で実の子供と追い出され、婚約破棄です。

BBやっこ
恋愛
侯爵家で、当時の当主様から見出され婚約。結婚したメイヤー・クルール。子爵令嬢次女にしては、玉の輿だろう。まあ、肝心のお相手とは心が通ったことはなかったけど。 父親に決められた婚約者が気に入らない。その奔放な性格と評された男は、私と子供を追い出した! メイドに手を出す当主なんて、要らないですよ!

【完結】離縁されたので実家には戻らずに自由にさせて貰います!

山葵
恋愛
「キリア、俺と離縁してくれ。ライラの御腹には俺の子が居る。産まれてくる子を庶子としたくない。お前に子供が授からなかったのも悪いのだ。慰謝料は払うから、離婚届にサインをして出て行ってくれ!」 夫のカイロは、自分の横にライラさんを座らせ、向かいに座る私に離婚届を差し出した。

【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。

櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。 夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。 ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。 あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ? 子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。 「わたくしが代表して修道院へ参ります!」 野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。 この娘、誰!? 王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。 主人公は猫を被っているだけでお転婆です。 完結しました。 小説家になろう様にも投稿しています。

『婚約もしていないのに婚約破棄ですか? 〜岩塩で殴れば目が覚めます?〜』

しおしお
恋愛
「岩を売る田舎娘と婚約?そんなもの破棄だ!」 ――そう言い放ったのは、まだ婚約すら成立していないのに“婚約破棄”を宣言した内陸王国の王太子。 塩は海から来るもの。 白く精製された粉こそ本物。 岩塩など不純物の塊に過ぎない。 そう思い込んだ彼は、ハライト公国公爵令嬢ヴィエリチカを侮辱し、交易を軽んじた。 だが―― 王都に届くその“白い粉”は、すべてハライト産の岩塩から精製されたものだった。 供給が止まった瞬間、王国は気づく。 塩は保存であり、兵站であり、治療であり、冬越しの生命線であったことを。 謝罪の席で提示された条件はただ一つ。 民への販売価格は据え置き。 だが国家は十倍で買い取ること。 誇りを守るために契約を受け入れた王太子。 守られたのは民。 削られたのは国家。 やがて赤字は膨らみ、担保は差し出され、王国は静かに編入されていく。 処刑はない。 復讐もない。 あるのは――帰結。 「塩は、穢れを流すためのものです」 笑顔で告げるヴィエリチカと、 王宮衛生管理局へ配属された元王太子。 これは、岩塩を侮った物語の、静かな終着点。 --- もしアルファポリス向けにもう少し軽くする版も欲しければ、作ります。 それとも、 ・タグもまとめる? ・もっと煽る版にする? ・文学寄りにする? どの方向で仕上げますか?

婚約破棄されたので、前世の知識で無双しますね?

ほーみ
恋愛
「……よって、君との婚約は破棄させてもらう!」  華やかな舞踏会の最中、婚約者である王太子アルベルト様が高らかに宣言した。  目の前には、涙ぐみながら私を見つめる金髪碧眼の美しい令嬢。確か侯爵家の三女、リリア・フォン・クラウゼルだったかしら。  ──あら、デジャヴ? 「……なるほど」

『公爵家を乗っ取った男爵一家は、家系図から消えました』 ―偽令嬢は王太子妃を夢見て国外追放、私は公爵として責務を果たします―

ふわふわ
恋愛
両親を亡くし、幼くして公爵家の当主となったエレノア。 後見人を名乗って入り込んできたのは、男爵である叔父一家だった。 「公爵家は私たちが守ってあげる」 ――そう言いながら、彼らはいつしか公爵を名乗り、財産を使い込み、娘を“公爵令嬢”と偽って社交界へ。 やがて王太子との婚約話まで進み、公爵家は完全に乗っ取られたかに見えた。 だが―― 「その公爵令嬢、偽物ですわ」 静かに微笑んだ瞬間、全ては覆る。 血統の証、一族会議での断罪、王家への正式告発。 爵位僭称、王家欺瞞、財産横領。 男爵一家は次々と罪を暴かれ、家系図から名を消されていく。 救済はない。 情もない。 あるのは責務のみ。 「公爵は、情より責務です」 本物の公爵令嬢エレノアが、奪われた家と誇りを取り戻し、王家と対等に並び立つまでの徹底ざまぁ恋愛譚。 偽物は消え、本物だけが残る。 これは、乗っ取られた公爵家を完全に取り返す物語。

処理中です...